西口有香さんが自宅警備員に? 観客参加型推理劇『疑惑の教室にて』ゲネプロレポート
シシララTVでは『センチメンタルグラフティ』の実況生放送でおなじみの声優・西口有香さん。彼女が出演する舞台『疑惑の教室にて』が、8月10日から12日まで東京・調布市のせんがわ劇場にて上演されています。
01
『疑惑の教室にて』は、カスタムプロジェクトによる観客参加型推理劇シリーズの最新作。出題パート、推理パート、解決パートの3部構成となっており、観客は出題パートで得たヒントをもとに推理を進め、事件の解決を目指します。

<舞台の流れ>
1:出題パート 役者が事件のあらましを演じる
2:推理パート 捜査資料をもとに観客自身が推理し、解答用紙に記入・提出する
3:解決パート 事件の全貌を役者が演じ、解決する

ここでは、過去公演のミステリー劇にも普通のイチファンとして通ったボク……このカワチが、ゲネプロの様子をレポートしていきたいと思います。ミステリなので極力ネタバレしない方向で書くつもりですが、自分の力で推理する気マンマンという人は、舞台をご覧になったあとでチェックしてもらえればと思います。ネタバレ、ダメ、絶対!
02
さて、観客参加型ミステリーの第3弾となるこの『疑惑の教室にて』。雪に閉ざされていた山荘を舞台にした前々回『吹雪の山荘にて』、古くからのしきたりが残る閉ざされた村が題材の前回『因習の村にて』に続き、今回は学園を舞台にしたデスゲームもの! ミステリー好きなら、これだけで「おっ!」と前かがみになる内容です(笑)。

物語の舞台は、入口も窓も封鎖された廃校の一室。知らぬ間に集められた僕たちは、誰か1人を殺害しに毎晩やって来る「番長」の正体を推理し、脱出を試みる……というのがプロローグ。
03
04
前作『因習の村にて』の完全正答率は「3.2パーセント」と発表されており、今回ももちろん難易度は高め。とはいえ、解答を聞いたあとに「言われてみればそうだった! も、もうちょっと時間があれば正解できたんだけどなぁ~」と思うぐらいの絶妙な作り(?)になっており、誰もが推理を楽しめるバランスになっています。完全正解はとても難しいけど、アハ体験が味わえることは確実!(毎回、ヒントは細か~いところまで、本当にいろいろなところに隠されているので、公演や資料の内容は隅々までチェックすることをオススメします)
05
前回の『因習の村にて』にも「汝は人狼なりや?(人狼ゲーム)」を彷彿とさせるシーンはありましたが、今回はガッツリとデスゲームの設定と世界観になっています。

おもしろいのは、狼である「番長」に狙われなくなる銃をもらうことができる「学級委員」を投票で決めることですね。通常は疑わしき人物を吊るすことになりますが、『疑惑の教室にて』は“確実に助かることのできる人間を選ぶ”ことになります。以下にルールを記載しましょう。

1:学校から外に出るには番長の正体を指摘する、もしくは殺害する必要がある
2:番長は毎晩、必ず生徒を1人殺害する
3:3人になるまで生徒が減ったら番長の勝利。残った生徒には全員ペナルティ
4:番長に対しては、2回、指摘するチャンスがある(指摘する際は投票箱の上の赤いボタンを押す)
5:毎晩、消灯時間の前に学級裁判を決める投票を開催。投票用紙は1人10枚配布
6:消灯時間は22時。委員長と番長以外は首輪から出る睡眠薬で強制的に眠ることに
7:委員長になると特典として夜更かしの権利と、投票箱に入れられた銃を使用する権利が与えられる
8:起床時間は朝8時(委員長は銃を投票箱へ返却)
9:消灯時間の時は必ず教室内にいる必要がある(廊下で夜を明かすことは禁止)
10:消灯時間中、委員長は起きていても構わないものの、選んだ教室から出ることは厳禁
11:番長は消灯時間中、教室から出ても問題なし。ただし朝には戻ってくる必要がある
12:無事に生きて外に出られた生徒には、奨学金として1億円が銀行口座に振り込まれる
13:番長が生きて外に出られた場合は、優等生待遇で10億円が銀行に振り込まれる
06
上記のルールを観てみると「人狼ゲームだ!」と思うかもしれませんが、実際はかなり変則的な出来事が数多く発生し、驚かされることばかり(ネタバレ抜きで書くのが本当に難しい………)。

ひとつ言えるのは、単独の推理対決にとどまらず、仲間や組織を作って戦う心理戦のゲームも楽しめるということ。ぶっちゃけ、自分は『賭博黙示録カイジ』の限定ジャンケンとか『ライアーゲーム』のエデンの園ゲームなどの雰囲気が近いかなと思いました(苦笑)。
07
08
また、デスゲームものといっても、もちろん犯人(首謀者)を当てればいいだけでなく、不可能と思える殺人のトリックを解くミステリにもなっているので、そこは安心してください。………ほかにもいろいろ言いたいですが、ギリギリここまででしょうか(笑)。
10
あと、この舞台のおもしろいところは、教室に集められた個性的なキャラクターたち! 数々の難事件を解決した高校生探偵をはじめ、売れない演歌歌手や婦人警官、オカマ、カマンベール教の教祖(?)など、ひと筋縄ではいかないキャラクターたちばかりです。果たして投票で学級委員を手に入れるのは? 犠牲になる人物は? このデスゲームを仕組んだのは? ぜひ彼らの織りなすドラマを見ながら推理してみてください!
11
12
13
ちなみに我らが(?)西口さんを演じるのは自宅警備員! いわゆるニートというヤツですね(苦笑)。ニートの資格(?)は15~34歳らしいのですが、今回、西口さんが演じる藤白 悠は28歳なので、彼女も立派なニートですね。
14
15
キャラクターとしてはつかみどころのないミステリアスな人物。『吹雪の山荘にて』では勝ち気な婦人警官、『因習の村にて』では元気な幽霊を演じていたので、また違った顔を見せてくれることになりました。悠(ゆう)という名前や特技が「星を見る」というところなど、『センチ』ファンならニヤリとするところも(笑)。

声の演技でしか西口さんを知らないファンの方は、ぜひ舞台で演技をする西口さんをご覧になってほしいところ。全身を使った演技や表情の作り方に感動するハズですよ!

……ということで、簡単ではありますが、ゲネプロレポートはここまで。最後に西口さんと作・演出を手がける東幸希さんよりコメントをいただいたので、チェックしてみてくだい!

西口有香さんコメント:脱出ゲームや謎解きゲームが流行していますが、こうやって役者が演技をした劇で推理するものはまだ少ないと思います。推理ゲームやアドベンチャーゲームが好きな人は楽しめると思いますので、ぜひ足を運んでみてください。

東幸希さんコメント:今回はデスゲーム風の作品になりましたが、犯人をみつけるには論理的に推理しなければならず、違和感をどう見つけるかがカギとなっています。ぜひ、その部分に注目していただければと思います。
カスタムプロジェクト第五回公演「疑惑の教室にて」
■開催日
28/08/10 (金) ~ 2018/08/12 (日)

8月10日(金) 13:30 / 18:30
8月11日(土) 13:30 / 18:30
8月12日(日) 13:00 / 17:30

■チケット価格
前売3500円/当日4000円

カスタムプロジェクト第五回公演「疑惑の教室にて」公式サイト

テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) 1981年生まれ。ライター。ビジュアルノベルに目がないと公言するが、本当は肌色が多ければなんでもいい系のビンビン♂ライター。女性声優とセクシー女優が大好き。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi
シシララTV オリジナル記事