250……240……230……バックブレーダー、パワーブースター、ON!! あ、どうも、ゲームライター改めミニ四レーサーのカワチです。突然ですが、ここではタミヤとコロコロアニキ編集部完全監修の新作アプリ『ミニ四駆 超速グランプリ』のCBTプレイレポートをお届けしようと思います。
「なぜシシララTVでミニ四駆?」と思われるかもしれませんね。ごめんなさい、ボクが好きだからですね。
正直に白状しますと、リアルでミニ四駆を走らせた経験はあまりないのですが、少年時代に放送されていたアニメの『爆走兄弟レッツ&ゴー』が大好きでして(とくに世界グランプリ編の『爆走兄弟レッツ&ゴー!!WGP』が熱かった!)。戦っていたドイツ代表の「アイゼンヴォルフ」がじつは2軍のメンバーで、ヨーロッパ選手権を制した1軍があとから合流してきたときは、思わずテレビの前で「これはやべぇぞ……」とつぶやいたものです。
マイナーかもしれないけど、アメリカ代表「NAアストロレンジャーズ」の紅一点だったジョーが好きだったんですよね。金髪のポニーテールの女の子なんですけど、覚えている人はいますかね? 物語のなかで彼女はワイルドな少年・鷹羽リョウとちょっといい感じになるのですが、当時は本気で嫉妬。俺もワイルドな男になろうと誓ったものです……。
話が逸れてるって? そんなことはないんです! なんとこの『ミニ四駆 超速グランプリ』には、そんな『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』の原作コミックや、おなじく人気作品である『ダッシュ!四駆郎』をはじめ、ミニ四駆漫画に登場した往年のキャラクターたちも参戦してゲームを盛り上げるんですから! 幼いころミニ四駆に触れて育った世代は、絶対にプレイするしかないですよ!!
▲どの作品も名作&なつかしすぎる! ちなみに『爆走兄弟レッツ&ゴー!』は現在コロコロアニキで『Return Racers!!』という第2世代を舞台にした漫画が連載されていますよ。
人気コミックのキャラクター&マシンの登場がアツすぎる本作ですが、気になるその内容は「ミニ四駆にパーツをセッティングして改造したり、オリジナルコースを作成したりしながらミニ四駆ライフを満喫する」ゲーム性になっています。
人によってはミニ四駆を走らせる時間より、カスタマイズにかける時間が長くなるかもしれませんし、もしかするとそれを地味と捉える方もいるかもしれません。でも、時間をかけたぶんだけレースに勝利した際の興奮度は素晴らしいですし、プレイヤーのワクワクする気持ちを動かすことへのこだわりもハンパじゃない! とにかくエモーショナルな作品になっているんですよ!!
たとえば、オープニングはノスタルジックな実写動画でスタート。子どもたちがミニ四駆を走らせる姿に、少年時代の自分や、一緒に遊んだ友だちの思い出を重ねる人は少なくないはず。
また、カメラが切り替わって大人の男性が「久しぶりにやってみようかな」とそのお店に入っていく姿は、ミニ四駆を卒業してしまったプレイヤーの姿を重ねさせて、それだけで泣かせてくれます。
今回、そこまで長時間ガッツリと遊べたわけではないのですが、マシンセッティングはかなり本格的だと感じました。ボディやシャーシ、モーターなど、さまざまなパーツを自由にセッティングし、自分だけのマシンを作り上げていく……ここらへんは少年時代に味わった感覚そのままです。昔、夢中でミニ四駆を組み立てていた経験を持つオトナであれば、思わず涙ものですよ。
カラーリングを変えたりステッカーを貼ったりして見た目を変更することも可能なので、とことんこだわれちゃうのもいい感じです!
リアルでのミニ四駆は、説明書を見ながら組み立てる必要があり、プラモ感覚もあってそれはそれで楽しかったわけですが。本作であればパーツをチョイスするだけでマシンが完成するので、時間がないオトナでもサクサク進められます。
「ミニ四駆をはじめてみたいけど、いきなり作るのはハードルが高い」、「ミニ四駆の漫画作品が好きなので、自分もカスタマイズを体験してみたい」という人には、入門編としてもオススメ。本作のプレイを足がかりに、ミニ四駆の世界に入ってみるのもアリですね。
▲自動でマシンを組み立ててくれる「おまかせボタン」も。できたマシンは「マシン診断」で性能をチェックしましょう。
ちなみにゲームならではの要素として「スキル」が存在。各パーツはそれぞれにスピードやコーナーの安定性などのステータスが設定されていますが、ほかにも「バウンド抑制 4」や「ギヤ相性-1」といったスキルの補正が設けられています。そのため、パーツの性能とスキルの補正を考えながら、マシン全体のバランスを意識する必要があります。ただ速度だけを追い求めたマシンが強いわけではないところが、いかにもミニ四駆らしくていいですよね。
なお、マシンパーツはおもに「ガシャ」で入手することに。CBTはレアリティ1のものしか排出されませんでしたが、正式リリース後は上位のパーツを入手できることもできる模様。どんなパーツが出てくるのか、それらを使ってどんなマシンを組み立てられるのか、今から楽しみです。
▲パーツによっては、ショップで買えるものも存在します。
自分だけのマシンができたら『ダッシュ!四駆郎』や『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』といったキャラクターたちと戦う「ミニ四ワールド」や、全国のプレイヤーと火花を散らす「超速グランプリ」でレースに挑むことができます。本作はマシンやコースが3Dグラフィックで忠実に再現されているので、本当のレースをしているかのような楽しさを味わえました。
たとえば豪はマグナムセイバーを使用するなど、おなじみのマシンがしっかり再現されているのもうれしい! アバンテ、エンペラー、ソニック&マグナム……自分でもカスタムして使いたい!! ほんと、おじさん世代を狙い撃ちすぎる(笑)。
もちろん、開発スタッフはそんな僕らの気持ちなんてお見通し。本作ではゲーム開始時にアバンテJr.、エンペラー、マグナムセイバーの3つから好きなマシンを選んで遊ぶことができるんです。嬉しすぎる! でも、どれを選べばいいんだろう……思い入れの強いマシンでスタートするのが吉でしょうね(笑)。
また、ショップにはホットショットJr.やアバンテJr.といったタミヤオリジナルのマシンだけでなく、スピンアックスやビークスパイダー、シューティングスターやキャノンボールなど、漫画のキャラクターたちが使っていたミニ四駆のボディも多数販売されています。パーツを集めればオリジナルを再現できますし、ボディと各パーツの組み合わせで自分独自のマシン構築理論を入れたオリジナルマシンも作れちゃいます。
……むしろ、このオリジナルマシンの作成こそが真骨頂ですよね。当時はおこづかいが足りなくて買いそびれたマシンやパーツも、本作なら思い切り走らせることができるってわけです!!
挑むレースによってコースの形状も千差万別で、追尾カメラや俯瞰カメラなど、自分の好きな角度からレースを楽しめるのも泣かせるポイントでした。
そして、ミニ四駆といえばレースの実況をしてくれる「ミニ四ファイター」の存在も見逃せません! 現在では「MCガッツ」がミニ四駆レースを熱い実況で盛り上げてくれてますが、本作でもフルボイスでレースを実況してくれるので、聞いているだけで盛り上がりますよ!!
ちなみにレースの前にはプレイヤー自身がマシンにスイッチを入れ、スタートシグナルに合わせてタイミングよくマシンをリリースする必要があります。最初は「このスタート動作めんどくさくないかな?」と思っていましが、実際にスイッチを入れてマシンの駆動音が聞こえてくると、妙に興奮すること興奮すること。少年のハートを取り戻させてもらえるというか……開発スタッフのアツいこだわりが感じられました。こういった要素がゲームをリアルにさせてくれるのかもしれない。
▲このアングルがいい!
凝っているといえば、コースの特徴と対策を知ることができる攻略情報。きちんとむかしの雑誌風のレイアウトになっており、めちゃくちゃ笑えてちょっと泣けました。ノスタルジック……!
「ミニ四ワールド」は人気ミニ四駆漫画のキャラクターが登場して彼らの使うマシンと対戦できるだけで大満足なのですが、欲を言えばもっとストーリーがあったり、レース中にも会話イベントやカットインといった演出があったりしたらよりアツくなれそうです。せっかくのコラボですしね。……まぁ、こういった演出部分については、正式リリースでさらなるパワーアップに期待したいところ!
▲原作が好きだからこそ、彼らのさらなる活躍にも期待してしまいます! 彼らがガッツリ活躍するオリジナルストーリーとか実装されないかな……。
先ほども書きましたが、マシンをカスタマイズしたりレースをしたりするだけでなく、本作はオリジナルコースを作れるのも本作のお楽しみ要素のひとつ! エディットで作成したコースは調整中のマシンを走らせるテストコースとして使ったり、ほかのプレイヤーとのレースに使用することもできます。仲間を集めて大会を開く……そんなことも夢ではありません。
ただ懐かしさに浸れるだけのゲームというわけではなく、レースに勝つためにマシンをカスタマイズするおもしろさを伝えて、これからミニ四駆を始める人を増やしてくれる作品にもなっていると感じました。これは正式リリースに期待したいですね。そのときはぜひ、シシララTVで実況プレイしたい! 今からその瞬間が楽しみです。
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※ミニ四駆は株式会社タミヤの登録商標です。
テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) ビジュアルノベル好きのフリーライター。さまざまなメディアに記事を寄稿しており、マニアックな知識や小ネタなどで読者を唸らせている。深みのあるゲームが好きかと思えば、「エロければなんでもいい」と豪語する猛者。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi