ファルコムファン夢の祭典! PREMIUM 3D MUSICAL『閃の軌跡』ゲネプロ潜入レポート
シシララTVのタダツグです。1月8日に開演した“PREMIUM 3D MUSICAL『閃の軌跡』”のゲネプロにお邪魔してきたので、この記事では自分の感想を交えつつその魅力をお伝えしていこうと思います。
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そもそもゲーム『英雄伝説 閃の軌跡』は、いわゆる『英雄伝説』シリーズの第8作目で、同シリーズにおける第3期「軌跡シリーズ」の3作目となる名作ストーリーRPGです(ちょっとややこしいかな 汗)。昨年12月には シリーズ第3作目となる『英雄伝説 閃の軌跡III』の制作も発表され、まさに盛り上がっているところ。今回は、ファルコム創立35周年記念企画としてミュージカル化されるということもあり、とにかく力が入っていました。
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『英雄伝説』といえば、「ガガーブトリロジー」が思い浮かぶ僕。この「軌跡シリーズ」は恥ずかしながら1作もプレイしたことがないのですが、こちらの舞台にはシシララTVでもおなじみの「なみおさん」こと花奈澪さんがイリーナ・ラインフォルト役で出演されているほか、演出を奥秀太郎さんが担当されているとのことで、めっちゃテンションが上がっていました。ちなみに奥さんは、『ペルソナ3』や『ペルソナ4』の舞台も手がけられている方。個人的に「ゲーム作品の舞台化を任せるならこの人しかいない!」と思っているくらいの方なんです(ぶっちゃけイチファンだったりします 笑)。
さて、ゲネプロにおうかがいする前から気になっていたのが“PREMIUM 3D MUSICAL”というタイトル。じつは、奥さんが以前手掛けていた『P4U2』の舞台では、ペルソナ召喚のシーンを3Dで表現するといった演出が盛り込まれていたので、今回もめっちゃ期待しておりました。実際は、入口で3Dメガネをお借りし、公演中はこちらを着用することで、各種映像が迫力の3Dとなって飛び出してくる粋な演出が盛り込まれておりました!
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うーん、こればっかりはさすがにテキストやスクリーンショットで表現できるものではないですねぇ……とにかく、臨場感がハンパじゃない! とくに戦闘シーンが手に汗握るド迫力。なんとも未来を感じる演出の数々でした。詳細はネタバレになるので伏せますが、物語のクライマックスで表現される“戦術リンク”の発動シーンとか、あまりにもカッコよすぎて思わず「ふぉぉぉぉっ!」と変な声が出てしまったほど。周りに人がいなかったこともあり、めっちゃジタバタしながら楽しんでしまいました。お恥ずかしい限り(苦笑)。
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ストーリーは、「貴族派」と「革新派」が対立を深めつつある「エレボニア帝国」が舞台。主人公のリィン・シュバルツァー(キャスト:松村龍之介さん)は、帝都近郊にある士官学校「トールズ士官学院」に入学し、ヒロインのアリサ・ラインフォルト(キャスト:黒崎真音さん)をはじめとるする「特科クラスⅦ組」のメンバーと交流を深めつつ、帝国に渦巻く陰謀に立ち向かっていく……という内容。ファンタジーかつ学園ものの王道をいく物語が展開されました。
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実際のところはシリアスあり、コメディあり、ラブコメありと、これでもかってほどの青春ジュブナイル! 登場人物それぞれの内面にスポットを当てた群像劇的な構造になっていて、見どころは盛りだくさんです。正直、やや駆け足で展開していく印象も受けましたが、ゲームを遊んでいない僕でもスッと入っていける親切な設計になっていたのが好印象。むしろ、途中からはカメラのシャッターを押すことも忘れるほどノメり込んでしまっていて、「どうして俺はこのゲームを遊んでいなかったんだ!!」と後悔してしまったほど(苦笑)。さすがは日本ファルコム作品……物語とキャラクターの完成度がものすごく高次元でした。
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おそらく、ゲームのファンが「ここは見たい!」と思っているようなシーンはしっかりとピックアップされていると思うので、ぜひその眼でご覧いただければと思います。
音楽もまた素晴らしい! 今回はミュージカルということで、劇中の要所でキャスト陣によるさまざまな歌が挿入されるのですが、これらは「ファルコムjdkバンド」が作詞を担当していることもあり、そのハイクオリティぶりがすさまじい! キャラの心情をしっかりと描写されているので、これ、ゲームをプレイしているファンはたまらないんじゃなかろうか……。マジでファルコムファンは必見の舞台といえそうです。
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僕が個人的にビックリしてしまったのは、花奈さんが演じるイリーナはヒロインであるアリサの母君であるということ。なみおさん、母親役なんですか!? 僕にとってなみおさんといえば、一緒にワイワイとゲームを遊んでいる姿ばかりが印象に残っているので、母親役というのはちょっと意外だったんですねぇ。いったいどんな演技を見せてくれるんだろうとワクテカしていたのですが……舞台の上の彼女はマジでものすごいオーラ! ちょっと「裏の部分」も見え隠れするイリーナを、凛とした表情と颯爽とした立ち居振る舞いで演じておられて、やっぱりプロの女優というのはとんでもないなと再確認させていただきました。キャスト陣はどなたも実力派でしたが、なみおさんは中でもひときわ異彩を放っていたように見えたのは、僕のひいき目なのでしょうか……。ここはぜひ、みなさんにもご鑑賞いただいて感想をお聞きしたいところです。
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なお、そんななみおさんと演出の奥秀太郎さんから、この記事をご覧いただいているみなさんにメッセージをお預かりしてきたので、下記をご覧くださいませ。

花奈澪さん(イリーナ・ラインフォルト役)
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「今回、久しぶりに自分よりも歳上の“母親役”をいただき、とても楽しく演じさせてもらっています。イリーナを演じるにあたってゲーム版をプレイしてみたのですが、ストーリーもゲームシステムも面白いうえに、ファンタジー×学園ものということで、わたしの大好きな『みつめてナイト』を彷彿とさせる部分もあって(笑)、すぐにノメり込んでしまいました。舞台という限られた時間の中、プレイしたわたしとしても「ここはしっかり見たい」と思っていた部分がバッチリ盛り込まれていて、演出の奥秀太郎さんはさすがだなと感動しています。音楽の出来栄えも素晴らしいので、ゲームファンの方にもきっとご満足いただける内容になっていると思います。出演陣一同、最後まで精いっぱい演じてまいりますので、見るかどうか迷っている方はぜひ劇場まで足を運んでいただければうれしいです。
そしてシシララTVのスタッフ&視聴者のみなさん、『ケイオスリングス』の24時間生放送はお疲れ様でした! 今回は舞台とスケジュールが重なってしまったので無理でしたが、次にもしこのような企画があれば、ぜひ一緒に参加させてもらえればうれしいです! よろしくお願いします!!」
奥秀太郎さん(演出)
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「この『閃の軌跡』という作品のファンタジックな世界観を、どれだけお客様と一緒に体験できるかにこだわって制作しました。ミュージカルという体裁ではありますが、キャラクター同士が紡ぎあげるドラマ部分に関しても力を入れていますのでご期待ください。今回は3Dの演出も盛り込ませていただきましたが、一歩ずつ技術が進化しているというか、こういった演出が今後の舞台における新たなスタンダードになるよう、全力で頑張っています。 今回、『閃の軌跡』を舞台化させていただきましたが、ゲームのほうでは続編も発売されておりますし、まずは今回の舞台を成功させ、ゆくゆくは続編まで舞台化していければと思っています。じつはわたし自身、学生時代から『イース』や『ソーサリアン』、『ザナドゥ』を遊んだりしていて、日本ファルコムさんの作品には思い入れがあるんです。物語はもちろん、音楽が素晴らしい作品が多いので、ミュージカルに向いていると思うんですよね。今回の舞台でも、「ファルコムjdkバンド」のみなさんに音楽を手掛けていただき、ものすごく素敵な仕上がりになりました。個人的に、日本のミュージカル史において大きな一歩を刻む作品になったと自負しております(笑)。ゲームファンにとって「最高の集いの場」にしたいと思い、スタッフ一同邁進してまいりましたので、ぜひ劇場にお越しになって、みなさんと一緒に盛り上がれればと思います。どうぞよろしくお願いいたします」

なみおさん、奥さん、どうもありがとうございました。
ということで、こちらの舞台は1月15日まで公演中です。チケットはイープラスやConfetti、ローソンチケット、チケットぴあ、CNプレイガイドで発売中。詳細は公式サイトで確かめてみてください。
PREMIUM 3D MUSICAL『閃の軌跡』公式サイトはコチラ
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1月15日の千秋楽については、DMM.comにおいてリアルタイム配信も行われるとのこと。地方在住の方で、東京まで出向くのは難しいけど見てみたい……なんて方はぜひチェックしてみてはいかがでしょう。ファルコムファン、RPGファン、学園ジュブナイル好きにはたまらない内容ですので、オススメですよ。
それでは、本日はこのへんで!
テキスト:タダツグ(Tadatsugu) シシララTV編集部、電撃編集部などで活動中のゲームライター/編集。生放送にも出演中。いつまでも少年の心を忘れないピーターパン症候群を自認するケツ合わせ系テキスト書き。好きなゲーム:『ニーア』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』シリーズ、『ペルソナ』シリーズ、『パズル&ドラゴン』など多数。

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