【はじめてのVR】最初はこれだけあればいい!? 『THE LAB』でステキVR体験!
1978年、『スペースインベーダー』によるビデオゲームの台頭。
1983年、ファミリーコンピュータによる家庭用TVゲームの普及。
1991年、『ストリートファイターII』による格闘ゲームブーム。
1994年、プレイステーション、セガサターン、ニンテンドー64などによる家庭用ハードの爆発的進化。
2012年、『パズル&ドラゴンズ』にはじまるアプリゲームの躍進。……などなど。
ゲーム業界にとってこれまでに数多くのブレイクスルーが存在したと思いますが、今年(2016年)もゲーム史に刻まれる1年になるのではないでしょうか。
その根拠はズバリ「VR」。そう、今年は「Virtual Reality(ヴァーチャルリアリティ)」を用いたゲームが世に浸透しはじめることとなった、記念すべき1年になりつつあります。誰が言ったか「VR元年」。まさにその通り、今、キテます、VR!
我々シシララTVとしても、オフィスの一角をVRスペースにしたりして、そのビッグウェーブに乗り遅れまいと考えています。とはいえ、VRゲームが完全に市民権を得るまでにはもう少し時間がかかるでしょうし、中には「VRゲームって具体的にどんな遊び方が楽しめるの?」と疑問に思っている方もいるのではないかと。
そこで! 今回から「はじめてのVR」と題した「VRゲームのレビュー企画」をスタートしてみました。ここでは、わたくしことゲームライターのタダツグや、シシララTVのメンバーが日々実際にプレイして楽しんでいるVRゲームについて、レビュー形式でその魅力をお伝えしていきたいと思います!
記事で最初に取り扱うタイトルは、HTC Viveで楽しめる『THE LAB』!
チョイスの理由は単純明快で、このソフト1本さえあれば、じつにさまざまなVRゲームを経験できるからです。たとえるなら、任天堂ハードにおける『マリオパーティ』的な安心感……といえば、ゲーム好きなみなさんには伝わりますかね? 「最初はこれだけあればOK」という、入門的な1本だと思います。もちろん、ゲームとしても楽しいですしね!
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ちなみに、この『THE LAB』でVR体験できる遊びは下のスクショにある8種類。厳密にいうとすべてがゲームというわけではなく、環境シミュレーター的にVR空間を楽しむものも存在しています。
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01:Postcards(ポストカード)

こちらは以前、シシララTVの生放送で紹介した映像コンテンツです。ポストカードを選ぶと、プレイヤーはそのポストカードに描かれている遠い異国の地へと旅立つことができちゃいます。まるで絵ハガキの旅!
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言ってしまうと「環境体験シミュレータ」といった様相。プレイヤーがチョイスした観光スポットごとに、複数の見学ポイントが用意されているので、お気に入りの眺めの場所を探し出す手探り感が楽しいです。
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見てくださいよ、この断崖絶壁! なかには、こーんなとんでもない見学ポイントもあるんですねぇ。現実だったら絶対足を運べませんよ……。ここから下を眺めているとき、後ろから人に驚かされたりしたら、思わず大きな悲鳴が出てしまうこと間違いなし(苦笑)。それくらいの没入感があります。高所恐怖症の僕なんかは、ちょっと足がすくむほどですよ……。  

02:Slingshot(スリングショット)

巨大なスリングショットを使用して、倉庫に積み上げられている荷物を大胆に破壊していくゲームがこちら。
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上記のように、荷物は塔のように積み重なっており、ところどころには爆弾(赤い箱)が仕掛けられています。プレイヤーは目の前にある巨大なスリングショットに「コア」と呼ばれる弾丸を装填し、この爆弾を狙い撃ちして積み上げられた塔の破壊を狙うことに! 投擲したコアは当然、重力によって高度が下がっていきますので、そこらへんを計算して照準やゴムの絞り方を調整する必要アリです。これがコツをつかむまでがムズかしいんだ……。
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見事爆弾に命中させれば、ド派手なエフェクトとともに塔が破壊! 音も思いっきり派手なので、思わず小躍りしたくなる気持ちよさを体感できますよ。何せVRなので、実際にどれくらいゴムを引くかなどは、アナログ入力とほとんど同じ感覚なんです。ほんの少しの微調整で弾の軌道が大きく変わってきますので、やりごたえがあって楽しい!
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ちなみに青い箱にコアを命中させると、弾の軌道が目視できるようになる特別なコアが補填されます。ビギナーはこれを利用して、弾の軌道を「身体で覚える」ことが重要かもしれません。

03:Longbow(ロングボウ)

こちらも、シシララTVの生放送で紹介しました! 城の高台から弓矢を使って、攻め込んでくるたくさんの敵を射抜き、城門を死守することが目的。放送では、女優の楠世蓮さんや藤嵜亜莉沙さんが夢中になってワイワイ楽しんでいたヤツです(気になる方はぜひ、下記のアーカイブ動画をご覧くださいませ)。
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利き腕のコントローラで矢を握り、弓につがえて狙いをつけて発射するというルーティンワークなのですが、攻めてくる敵が飛んだり跳ねたり横に動いたりと、とにかく色々せわしないので、狙い撃つのもひと苦労。加えて、相手によっては盾やカブトでこちらの矢をガードしたりもしてきますので、より精度を高めたショットを要求される局面もあります。
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城の周辺には矢を命中させることで爆発するタルや、城門の上から敵めがけて熱湯をかけるギミックなどが存在しますので、うまく利用しながら敵を排除していくことが重要!
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何本も何本も矢を引き絞っては発射することになるゲーム性なので、長時間プレイすると筋肉痛になるおそれも……というか、少なくとも僕は実際に筋肉痛になりました。なさけねえ……(苦笑)。
それだけ、身体を使ったプレイが体験できるわけで、プレイが終わった直後はちょっとした汗をかいていたりもします。普段、運動不足気味な方のリハビリ(?)にもちょうどいいかもしれませんよ!?

04:XORTEX 26XX

今回、自分が1番気に入ったゲームがこちらの『XORTEX 26XX』であります。ゲームをスタートしたら、右手に持った光線銃で襲ってくる敵をひたすら撃破していくことが目的となります。いわゆる、VRシューティングですね。
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敵の数は圧倒的に多く、そこかしこからこちらを銃撃してきますので、その弾丸の雨をうまいことかい潜りながら敵を破壊していくスキルが問われる感じ。
僕が「秀逸だな」と感じたのは、光線銃のビームを敵に数秒間命中させ続けなければな破壊できないというゲーム性。1発命中させるだけで敵を落とせるのであれば、ただの忙しいだけのシューティングゲームになっていたと思うのですが、実際は数秒間ビームを当て続ける必要があるため、より正確な照準技術が求められるわけです。この「狙い撃ってるぜ!」感がたまらないんですよ。 
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この迫力と爽快感、スクリーンショットではなかなか説明しづらいのが残念です……。
ちなみに、でっかいボス敵も登場します。当然ながらザコよりも耐久度が高いため、より長い時間ビームを命中させ続けなければなりません。そのぶん、うまいことビームを照射し続けて敵を撃破できたときの喜びもひとしお! この快感、きっとクセになりますぜ!
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05:Secret Shop(シークレットショップ)

こちらは、ゲーム紹介のテキストいわく「ファンタジー界における24時間営業のコンビニ」とのこと。なんやこのセンス……(笑)。それはさておき、プレイヤーは客としてこの不思議なショップを訪れることになるのですが……いきなり店主がどこかに行っちゃうんですよ。そんなコンビニがあるかいっ!(笑)
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仕方ないのでお店の中をぶらぶらしながら見ていくと、そこかしこに不思議な要素が盛りだくさん! 変な生物もいっぱいいます。
なんか、カエルとカニとタコを掛け合わせたみたいな生物が天体望遠鏡で上空を覗き込んでいたり……。
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その望遠鏡の視線の先に目を向けると魔法陣のような模様があって、それに触れると別の場所にジャンプしたり……。
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普通の箱だと思って近づいたら、ビックリ箱だったりと、小さなお店はハプニングの宝庫!
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とくに目的もなく、気になるところを注目しているだけでさまざまな不思議体験ができるので、気が付くとあっという間に時間が過ぎていた……なんてことに! なんという時間泥棒か……まさかこのショップ、精神と時の部屋的な……いやまさか。

05:Robot Repair(ロボット修理)

こちらは故障したロボットをラボの中で修理するゲーム……いや、ゲームっていうかなんていうか。
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ロボット修理のプロセスは音声と文字によるガイダンスで指示されるので、プレイヤーはその指示に従って修理を施していくわけですが……。なんせね、このガイダンスの表現があいまい(笑)。「ボタンを押してロボットのコアを引き出しましょう」って突然言われたりするのですが、肝心のボタンがどこにあるかがわからないとか……具体性に欠けてますよっ!
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なお、修理には時間制限がありまして、モタモタしているとめちゃくちゃ急かされることになります。最初はボタンを押したりレバーを引いたりといった単純作業なのですが、修理が進むにつれて「Aを時計回りに回転させたあと、Bを逆時計回りに回転させることで出てくるボタンを押す」というふうに、ミッションが複雑になっていくのでさぁ大変。
失敗すると、自分もスクラップにされてしまうというオチまでついてきます。な、なんてこった!

07:Solar System(太陽系)

こちらはずいぶん乱暴なVR体験コンテンツというか(笑)。ぶっちゃけ、なんの説明もなくいきなり宇宙空間に放り出されます。
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できることは、コントローラを使用した移動のみ。そうして、太陽の周りを回る惑星たちの姿を眺めることが目的となります。
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当然ながら、太陽から距離が離れている星(土星とか海王星とか)のほうが、太陽に近い星(地球とか土星とか)に比べて、回る軌跡が大きくなるわけで。なんといいますか、小学生の頃の天体観測の授業のときに見た太陽系の星の並び図の中に、いきなり飛び込んだような感覚。ある意味、神の視点で太陽系を眺めているといってもいいかもしれませんね。

08:Human Medical Scan(人体模型)

最後に紹介するこちらが、もっともなんて書けばいいのかに困る……さながら人体のCTスキャンシミュレータとでもいいますか……。
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目の前に設置されている人体模型の中から興味をもったパーツを選ぶことで、そのパーツのCTスキャン画像を自在に見学することができるんです。
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これこの通り。スッケスケというか、あらゆる部位に注目することができちゃいます。うーん、人体の神秘! まぁ、それだけっちゃあ、それだけなんですけどね(汗)。将来的には、こんなVR映像を見ながら手術の練習が出来るようになるのでは……なんて妄想がはかどる体験でした。
以上、この『THE LAB』で楽しめる8つのVR体験について紹介してみましたが、いかがでしたか?
いずれも、既存のTVゲームとは手触りがまったく異なるのが最大のだいご味かと。TVゲームというよりは、むしろちょっとした屋内型アトラクションとしてとらえたほうがしっくりくるかもしれません。夢中になって、全身を動かしながらプレイしていた……なんてこともザラですからね。
1回のプレイに思った以上の集中力を擁するものもあるので、仲間と一緒に集まって、交代でプレイしながら楽しむというのもアリかと。VRゲームの入門書的な1本といえますので、「どれから手をつければいいか悩んでいる」という方には、ぜひこの『THE LAB』から遊んでみることをオススメします!
シシララTV オリジナル記事