安藤:岡部さんはバンドをやられていた時期もあるんですね。
岡部:高校の頃に「BOOWY」のコピーバンドなんかをやっていました。
安藤:バンドではキーボードを担当されていたんですか?
岡部:そうですね。ただ、いくつかのバンドを掛け持ちしていたので、ドラムもやっていたりいました。幼いころからガッシリした体型だったこともあり、ヤマハの発表会でドラム担当にされたりしていたので(笑)。
安藤:体格のいい人は野球でいうとキャッチャーを、バンドでいうとドラムを任されやすいというのはありますよね。あれはいったいどこからきたものなんだろう。
岡部:謎ですよねぇ……。
安藤:ここで話を戻しますが、やはりコンポーザーにとって、楽譜はそれほど重要じゃないということでいいんですよね?
岡部:そうですね。あくまで私個人の意見ですが、楽譜はコミュニケーションツールだと思っています。作る人間と演奏する人間が違う場合、それを見て音を伝達する方法のひとつでしかない。極端な話をすると、曲が作れて演奏もできるという人にとっては、それを記憶できる媒体さえあれば譜面なんていらないんですよ。
安藤:料理のレシピとも似ていますね。誰にでも理解できるように噛み砕いた、共通言語でしかない。
岡部:はい。今の時代は打ち込みや録音などいろいろな方法で曲を作れますが、いちばんわかりやすく間違いのないものが譜面なんです。そのため、譜面が読めるに越したことはありませんが、譜面ができないからといって音楽活動ができないということはないです。それを理由に道を諦めるなんて、もったいなさすぎますよ。
安藤:今の時代、コンピュータが譜面を作ってくれたりもします。
岡部:そうですね。いざとなったらほかの演奏者に頼ることもできるわけですし(笑)。経験を積んでいけば、「これはピアノでやるなら簡単だけど、弦楽器で再現するのは難しいな」といった部分も体感でわかるようになってくるので、譜面が賭けなくてもメロディを作れるようになると思います。
音楽業界というものを硬く考えている人も少なくないかもしれませんが、意外とそこらへんは緩いので、思うところがあるのであれば、恐れることなく飛び込んできてほしいですね。
(後編へ続く)
後編はコチラ→互いを引き上げていける存在こそがモチベーションにつながる
テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) 1981年生まれ。ライター。ビジュアルノベルに目がないと公言するが、本当は肌色が多けれななんでもいい系のビンビン♂ライター。女性声優とセクシー女優が大好き。
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