『スターオーシャン』の星の海はさらなる広がりを見せる? スクウェア・エニックス 小林秀一のこだわり【カヤックゲー宣部・畑佐が往く/第3回(後編)】
面白法人カヤックの新たな施策「ゲーム宣伝部(ゲー宣部)」の発起人である畑佐雄大が、自身が気になるクリエイターたちを直撃! その人となりを掘り下げていくインタビュー企画が、この「カヤックゲー宣部・畑佐が往く」である。
第3回目となる今回は、スクウェア・エニックスで『スターオーシャン:アナムネシス』のプロデューサーなどを務める小林秀一さん、そしてシシララTVのゲームDJ・安藤武博が登場。マーケティング(宣伝)部門からゲーム開発部門のプロデューサーとして『SO』シリーズをリブートさせた小林さんの、モノづくりにかける想いについてお聞きしていく。

なお、今回は90分にもおよぶロングインタビューを前・後編に分けて掲載。後編では、小林さんの『スターオーシャン』シリーズに懸けるアツい想い、そして少年時代に培われた“イベント好きのルーツ”に迫っていく。

前編はコチラ→「予算0円から始めるゲームプロモーション」とは?
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小林秀一さん(写真左)
スクウェア・エニックス所属。ゲームプロデューサーとして開発部門の仕事を行うかたわら、宣伝部門の仕事にも携わる異色の経歴の持ち主。『スターオーシャン』シリーズや『ヴァルキリープロファイル』シリーズなど、トライエース関連の作品に多く関わってきた。


畑佐雄大(写真中央)
カヤックのクライアントワーク事業部(以下CL事業部)プロデューサー。大手ゲーム会社でゲームプランナーとして、企画や制作を担当していた過去を持ち、カヤックで「ゲーム宣伝部(ゲー宣部)」を立ち上げた。


■なぜ今『スターオーシャン』だったのか? 眠れるコンテンツへの想い

小林秀一さん(以下、小林):安藤さんにとって“肥やし”になったという「ヘビメタさん」ですけど、じつは自分にとってもものすごく貴重な経験になっていまして。じつはあのあと、僕は2本のテレビ番組をプロデュースしているんです。「超速変形ジャイロゼッター」と「ガンスリンガー ストラトス」っていうアニメなんですけど。

畑佐雄大(以下、畑佐):どちらもスクウェア・エニックスが手がけたアーケードゲームのアニメ版ですね。

小林:ええ。それのアニメ版のプロデュースを任されたんですが、アニメはアニメで制作委員会といった特殊な形態こそあれど、大枠はバラエティ番組と共通していることも多くて、グイグイ回せたんですよね。あれは間違いなく「ヘビメタさん」での経験あってのことだと思います。

安藤武博(以下、安藤):そうなってくるといよいよこばしゅうさんの唯一無二な部分が光りますね。いかにスクウェア・エニックスといえど、ゲームの宣伝ができて、ゲームのプロデュースもできて、テレビ番組のプロデュースまでできる人材なんていないでしょう?

小林:そうかもしれない。

安藤:そもそも、しばらく眠っていてこの先、光が当たるかどうかすらわからなかった『スターオーシャン』という作品をコンシューマでリブートして、そのうえで『スターオーシャン:アナムネシス』というアプリゲームまで立ち上げて軌道に乗せた。これはとんでもないことですよ。

畑佐:とくに『SOA』の人気はものすごいですよね。

小林:いやいやいや。あれは僕というより、開発のトライエースさんとスクエニの運営チームががんばっているからこそですよ。
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安藤:こばしゅうさんのこれまでのキャリアを考えれば、『SOA』のヒットは完全に計算されていたものじゃないんですか? 宣伝戦略とかも自分で考えられるわけですし。

小林:まぁ、『SOA』の宣伝は今でも僕が見ていますからね(笑)。でも、ヒットが計算通りかというと、それは持ち上げすぎですよ。ユーザーのみなさんからの支えもあって、おかげさまで2年目以降のビジョンも見えてはいますけど、最初は四苦八苦していましたから。というか、今でも四苦八苦しています(苦笑)。

安藤:そもそも、まずはコンシューマで『SO5』を作ったところがスゴいと思う。残念ながら売り上げにかんしては大きく成功したとは言えないのかもしれないけど、あのリブートがあったからこその『SOA』だと思うし、そもそもあそこでこばしゅうさんが動いていなかったら、『SO』はそのまま死んでいた可能性も高い。

小林:シリーズのプロデューサーを務めていた山岸さん(※1)が、もう『SO』は作らないっておっしゃってましたからね。

(※1)山岸さん……元スクウェア・エニックス、現モノビットでゲーム開発を手掛ける山岸功典さん。スクエニ時代の代表プロデュース作品に『スターオーシャン』シリーズや『ヴァルキリープロファイル』シリーズがある。

安藤:そう。だから、こばしゅうさんがプロデューサーとして『SO5』を立ち上げるって聞いたときはビックリしましたよ。正直に言うと「そんなことアリなんだ!?」って思った。まず山岸さんにお話ししたんですよね?

小林:もちろん、プロジェクトを立ち上げるにあたって、一番最初に山岸さんに許可をもらいにいきました。そのときは「キミはわざわざ火中の栗を拾いに行くんだね」って苦笑されましたよ。

安藤:正直、風向き的には「今更コンシューマなの?」って時期ではありましたよね。すでにスマホゲームが確固たる地位を確立しかけていた時期だし、リブートするにしたって、だいぶ長いこと眠っていたコンテンツだけに「今コンシューマで発売してもファンは残っていないのでは?」って判断はあったと思うんですよ。

小林:ありましたね。

安藤:プロデューサー陣は多かれ少なかれコンシューマに消極的になっている時代です。みんな、パッケージにビビっている。だから中々前に踏み出せない。PS4とか、ハイエンド機になるとなおのことです。だから二の足を踏んでいるってときに、『SO5』の企画をマーケティングの人間だった小林さんがプロデューサーとして立ち上げた。スクエニのプロデューサー陣は「えっ!?」ってビックリしたと思いますよ。正直俺はビックリした。「マジで『SO』やんのか? こばしゅうさんスゲえ!」ってなった。
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小林:いやいや、ありがとうございます。

畑佐:逆に言えば、宣伝部門から開発部門のプロデューサーとして立ち上がってまで『SO5』を動かしたということは、それだけ勝算があってのことなんですよね?

小林:まさか。はっきり言って、勝算なんてなかったですよ。ただ、『SO』というIPがずっと塩漬けになっているのがもったいなくて。熱狂的なファンがいるコンテンツだとは思っていたので、成功する確約なんてないけど、やってみる価値はあるだろうとずっと思っていました。でも、誰も手を挙げないんですよね。それは安藤さんがいうとおり、コンシューマがなかなか売れない時代背景が大きいから、ある意味当たり前なんですけど。

安藤:でもこばしゅうさんは自ら手を挙げた。

小林:そう。だって、誰も手を挙げないから。だったら自分でやるしかないやって思って。

安藤:いや、もしかすると「俺が『SO』をやりたい」って思っていた人はいたかもしれませんよ。でも、実際にそう思っていても、開発のトライエースを口説いて、会社を説得して予算をひねり出して、そこから塩漬けになっていた間に離れていたファン、そして新しい新規ファンに向けてプロモーションを行ってゲームをアピールしていかなくてはならない。その1つ1つのハードルが高すぎて、尻込みしていたってところはあるのかも。

畑佐:なるほど。

安藤:その点、こばしゅうさんはトライエースとずっと関わり続けてきた人間だから、すでに信頼関係が構築されている。コアメンバーである五反田さんたちを口説くことができる。これは大きいですよね。思いつく事だけは誰でもできるけど、それを実現するためのパズルピースを埋めていくことができるというのは、ゲームプロデューサーにとって最も必要な才能なんですよ。そして、こばしゅうさんには図らずもそのスキル、そして人脈があった。こうして考えると『SO5』はこばしゅうさんじゃないと立ち上げることはできなかったタイトルだと感じます。

畑佐:小林さんであれば、プロモーション展開を考えることもお手の物だったわけですし、安藤さんのおっしゃる通りかもしれませんね。
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安藤:そういう意味では、『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』にもそれと似た側面はありましたね。あれはよーすぴさん(※2)だからこそプロデュースできた作品だと思うんですよ。

(※2)よーすぴさん……スクウェア・エニックスの執行役員である齊藤陽介さんの愛称。『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や『ニーア オートマタ』のプロデューサーであり、シシララTVの生放送にもたびたび出演している。

小林:たしかに。あのヨコオタロウさんとか、プラチナゲームズさんを口説いたのはすごいですよね。

安藤:キャラクターデザイナーは吉田明彦さん、そしてサウンドをMONACAの岡部啓一さんで固めているのもよーすぴさんの手腕ならでは。これって似てると思いませんか? 五反田さんやトライエースを口説いて、キャラデザインにあきまんさん、サウンドに桜庭統さんを持ってきたこばしゅうさんも、よーすぴさんと同じレベルのことをしていると思いますよ。

小林:それは言いすぎですね(苦笑)。たしかにすごいメンバーに集まってもらうことができましたけど、残念ながら『SO5』はそれ単体では想定していた以上の売り上げを出すことはできませんでした。

安藤:ある意味、想定していたとおりって感じではあるんですかね。

小林:『SO5』は単体だけを見てスタートしたプロジェクトではなかったので、それも踏まえればほぼ想定どおりって感じでしょうか。

畑佐:単体だけを見てスタートしたプロジェクトではなかった? そこらへん、詳しくお聞きしてみたいです。
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■リソースをマネージメントすることで作品のクオリティを維持していく

小林:『SO5』を動かすにあたり、僕が最初から考えていたのはリソースのマネージメントなんですよ。すなわち、『SO5』で作り出したものを『SO5』単体で終わらせる気は最初からなかったんです。

畑佐:なるほど。

小林:今の時代にイチからものを作り出すとなると、それ単体で終わらせて収益化するのはかなりハードルが高いと思うんですよ。であれば、そこに割いたリソースはしっかりとマネージメントする。言い方は悪いですけど、うまく「カスタムして再利用する」ことで、結果的にクオリティを担保できるようになるわけです。

安藤:時代に沿った考え方だと思います。

小林:リソースは言ってみれば資産なので、培ったものは無駄にならないじゃないですか。それを使ってさまざまな作品展開を考えれば、それだけリスクも軽減できますし、スピード感を持って開発できる。もちろん、あくまでベースなのでそこからより良い物にしていくことも可能です。

畑佐:では、『SO5』を作っている時から、すでに『SOA』の構想はあったということですね?

小林:そういうことですね。『SO5』でつくったゲームエンジン、キャラクターのモデリングデータ、背景などのテクスチャといったリソースを、一部流用する形で『SOA』の初期開発を進めたんです。そのせいでクオリティが下げられないという弊害もありましたけどね(笑)。

畑佐:『SO5』があったからこそ、『SOA』のクオリティが担保されているわけですか。『SOA』はスマホのアプリとは思えないほどアクション性が高いですし、何よりものすごくキャラクターのモデリングが秀逸だと思っていたんですが、それも納得です。
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小林:さっきの『ヘビーメタルサンダー』ではないんですけど、この『SO』全体のプロジェクトを認可してもらう際、社長の松田に3段論法でプレゼンをしました。

1:眠っていた『SO』シリーズをコンシューマの『SO5』でリブートしてIPを復活させます

2:そうして復活したIPをアプリでも展開して売り上げを出します

3:もしこの展開がうまくいったらさらに作品を展開してシリーズを盛り上げていきます

という内容です。アプリの『SOA』の展開は、松田社長からの指示でもあったんですけどね。

畑佐:なるほど。まさか『ヘビーメタルサンダー』で学んだ3段論法が、こんなところで昇華されていたとは。

安藤:いやいや。『ヘビーメタルサンダー』の3段論法みたいな雑なものじゃないですから(苦笑)。これこそが正しい3段論法ですよ。でも、そうしてリソースをうまく回して使いながらIPを盛り上げていくという考え方はさすがですね。

小林:『SOA』はおかげさまで多くのファンの方に支えてもらえていますが、このまま『SO』の人気が続いて、ファンのみなさんからの要望もあるのであれば、次につなげていきたいなと考えています。

畑佐:リブートの仕方の理想ですね。

小林:ゲームエンジンはトライエース独自のAskaエンジンを用いていますし、モデリングやエフェクト、テクスチャなどもPS4で使えるレベルのものを作成していますので、おそらく続編を作るとなると、すべてをイチから立ち上げた『SO5』とはかかる費用や時間が圧縮できると思います。

畑佐:まさかそこまで先のことを考えておられたとは。

小林:いや、そこまでしないとプロジェクトの認可がおりなかったというか(苦笑)。そうはいっても正直、ノウハウも含めてリソースがあるとはいえ、あのシステムやあのクオリティのモデリングをアプリゲームに入れ込むのは生半可なことではないんですけど。たとえばキャラクターを1体作るのだって、じつは一般的なアプリゲームの3倍以上、それこそ膨大な予算をかけています。それだけに量産は難しく、ファンのみなさんには「あのキャラはまだ実装しないのか?」といったおしかりを受けることも多いのですが(苦笑)。

安藤:この内容は、予算も労力も3倍はかかるでしょうね。ファンの方からおしかりを受けるっておっしゃってますけど、それは愛情表現の一環だと思いますよ。「好き」の反対語は「無関心」。みんな『スターオーシャン』が好きだからこそ、色々な意見などを述べてくれるわけですからね。
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小林:そのとおりですね。ファンのみなさんの要望に応えられないのは我々としても大分もどかしいですし、出来る範囲で実現していけるようにしなければと考えています。

安藤:小林さんがプロデューサーとしてしっかりとゲームを支えているからこそ、開発のトライエースや運営チームが自由にやりたいことを実現できている側面もあるわけで。これからもプロデューサーとしての正念場は続きそうですね。

小林:そうですね。でも、僕はモノを作ることそのものよりも、コンテンツをどうやって伸ばしていくのかを考えているほうが楽しいんですよ。だからきっと、安藤さんのような生粋のゲームプロデューサーとはちょっと立ち位置が違うのかな、と。

安藤:なるほど。

小林:そもそも、『スターオーシャン』の父は誰なのかというと、僕はやっぱり山岸さんだと今でも思っているんですよ。

安藤:五反田さんをはじめとしたトライエースの開発陣が産みの母親だとすれば、山岸さんが父親であるってことですか。

小林:そうです。僕はあくまで、山岸さんが生み出したコンテンツを受け継いで借りているだけ。だからこそ、このコンテンツをもっと多くの人にお届けできるようコンテンツを伸ばしていくことが課せられた大きな使命なんです。そうして「みなさん、『SO』シリーズって面白いでしょう?」と胸を張って言えるものを作っていくことが、これからの僕の恩返しになっていくと考えています。

■ラザロの撃破も朝飯前!? じつは生粋のシューターだった小林少年、そのルーツ

畑佐:ではここで、小林さんのゲーム人生のルーツを振り返ってもらえればと思います。そもそも小林さんは、ゲームはお好きなんですよね?

小林:そうですね。ゲームは小さな頃からずっと遊んでいましたよ。昔、ハドソンが毎年シューティングのキャラバンを開催していた時期があったんですけど、僕はそれの常連でした。毎回優勝をかっさらったりして、キャラバンのスタッフさんから顔を覚えられていたくらいです。

安藤:けっこう上手なんですね。イベントに参加したりするイメージがなかったから意外です。

小林:こう見えて、けっこうアクティブなんですよ。

安藤:そういえば、昔はサッカーをやっていたってお話を聞いたりもしましたっけ。イベント好き、つまりはお祭り好きってことですよね。そこらへんで培ってきた「騒がしいもの好き」なところ、プロモーションの傾向として今も生かされてるかも。こばしゅうさんの「何か新しいことをやりたい」ってモチベーションって、そういったイベント好きなところから来ている気がする。

小林:そうかもしれませんね。

安藤:こばしゅうさんはメディアとの組み方も上手だなって思ってたんだけど、それもものすごく納得。ハドソンのゲームキャラバンは、コロコロコミックと密接に絡んでたし、そこらへんにルーツがあるんじゃないですか?
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小林:いわれてみれば、めっちゃコロコロとか読んでましたね。そのイメージが今も残っているから、メディアさんと何か新しい仕掛けがやりたいとか、そういうモチベーションになるのかもしれません。

安藤:「ヘビメタさん」とか「ジャイロゼッター」のアニメ化とかに積極的だったのは、そこらへんにあったんじゃないかな。これはいいことを聞きました。もちろん、ラザロは合体する前に倒せるんですよね?

小林:『スターソルジャー』のラザロ、もちろん速攻で倒せますよ。今やってもできるんじゃないかな。でも、そのためにはハドソンのジョイスティック(※3)を用意してもらわないとですけど。

(※3)ジョイスティック……ハドソンから発売された、ファミリーコンピュータ専用の周辺機器。シューティングゲームの操作に長けており、当時はあまりの人気に品切れが続出した。

安藤:残念。「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」で再現してみてほしかったのに。じゃあ、次までにジョイスティックを用意しておきますよ。

小林:本気ですか(苦笑)。じゃあ、せっかくですし高橋名人も呼んでほしいですね。連射対決とかしてみたい。

安藤:さすがこばしゅうさん、面白いアイデアですね。じつはシシララTVは、高橋名人に一度お越しいただいて生放送に出ていただいたことがあるんですよ。あの方も生粋のエンターテイナーですから、何か楽しい企画を考えたら乗ってきてくれるかもしれませんね。

小林:いいじゃないですか。ゲーム業界には当時のファミっ子たちがいっぱいいると思うので、そういう人たちを集めて、超難しいシューティングゲームのスコアアタック合戦をやったりすると盛り上がるのでは? というか僕が見てみたいです、そういう企画。

畑佐:それ、めちゃくちゃ興味あります!

安藤:畑佐さんも乗ってきた(笑)。ではカヤックさんにも協賛してもらって、何か企画してみますかね。

畑佐:その際はぜひお声掛けください!

安藤:最近、シシララTVで流行っていることがあって、「ものすごく高難易度のゲームにひたすら挑戦し続ける」ってことなんです。わたしは『信長の野望』シリーズを最高難易度&弱小大名でプレイして天下統一する生放送をずっとやっていますし、ゲームライターのタダツグはゲームライターのくせにアクションゲームがヘタなのですが、それでも超難しいアクションゲームのクリアに挑戦したりして、それぞれの生放送が盛り上がるんですよ。

小林:生放送で配信しているんですね。

安藤:最近のゲーム、とくにアプリゲームは「お金で強さを手に入れる」って解決方法が主流になっていて、あまりテクニックとかは求められてないじゃないですか。でも、昔我々が夢中で遊んでいたゲームって、じつは何よりもテクニックが要求されたし、今遊ぶと理不尽に思える難易度のものもいっぱいあったんですが、それでもひたすら挑戦し続けたし、なにより楽しかった。だからこそ、ゲームが上手いヤツはもてはやされたし、その英雄感を得るためにみんな懸命に練習したりもしていた。そういう文化を今、この時代に再び問うというのはおもしろいかもしれませんね。
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小林:最近のゲームは「誰でもクリアできる」前提のバランスになっていないと怒られたりもしますから、一周回って新鮮かもしれませんね。実現できそうなときはぜひ呼んでください……って、僕なんか雑談ばかりしてしまいましたけど、よかったんですかね?

畑佐:いやいや、とんでもない。小林さんのモノづくりのスタンスやコンテンツへのこだわりがお聞き出来てとても楽しかったです。いつか別の機会で、またお話を聞かせてください。小林さん、安藤さん、本日はどうもありがとうございました!

小林安藤:ありがとうございました!

テキスト:タダツグ(Tadatsugu) シシララTV編集部、電撃編集部などで活動中のゲームライター/編集。生放送にも出演中。いつまでも少年の心を忘れないピーターパン症候群を自認するケツ合わせ系テキスト書き。好きなゲーム:『ニーア』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』シリーズ、『ペルソナ』シリーズ、『パズル&ドラゴン』など多数。

ツイッターアカウント→タダツグ@TDB_Matsu
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