王道ファンタジーノベル『デルフィニア戦記』の舞台はゲーマーの魂をくすぐる激カッコいいアクションだらけ!
シシララTVのタダツグです。なんとなーく定着してきた感もある、僕の舞台観劇レポートシリーズ。今回は1月20日より開演した“デルフィニア戦記 第一章”の5日目ソワレにお邪魔してきたので、自分の感想を交えつつその魅力をお伝えしていきたいと思います。
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そもそも「デルフィニア戦記」は、茅田砂胡先生が手がける長編冒険ファンタジー小説。中央公論新社のC★NOVELSで、全18巻が刊行されている名作です。恥ずかしながら僕自身は読んだことがないのですが、シリーズの累計発行部数は驚きの320万部! 今回、23年ごしとなる待望の舞台化ということで、多くのファンのみなさんが駆けつけていました。
物語の主翼を担うのは、デルフィニアの国王であるウォル(蕨野友也さん)と、そのパートナーとなるリィ(佃井皆美さん)の2人。ウォルは王でありながら、有力貴族・ペールゼン侯爵(山本亨さん)の陰謀によって王位を追われ、命を狙われる身となります。そんな彼は、単身で逃亡を続けるなかで不思議な少女リィと出会い、行動をともにすることに。勇猛な戦士も顔負けの強さを誇るリィの助力を得て、王位奪還の戦いに身を投じるウォル。そんな彼が進む道には、さまざまな試練が待ち受けていて……というのが、ざっくりとしたあらすじとなっております。
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もうね、王道ですよ王道。これぞまごうことなき超王道ファンタジー! 舞台ということで、登場人物の服装から舞台の小道具、背景の映像演出、音楽まで、すべてがハイファンタジー要素で構成されていて、じつに素晴らしいんです。僕が原作を未読であることは上記でお伝えしましたが、そんな僕でも一瞬で世界観を理解でき、またトリコになってしまう力強い説得力が確かにありました。すぐに世界に没入できるって、こういった舞台や映画を鑑賞するときにとても大切な要素ですもんね。
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ペールゼンの刺客に命を狙われているウォルだけに、さまざまな場所で戦闘に遭遇するわけですが、このアクションもじつにいい! ウォル役の蕨野友也さんが長いマントを颯爽とはためかせながら、ばっさばっさと敵を斬り伏せていく姿には、思わず血がたぎりましたよ。これぞ男! いやさ漢! 僕もこういうイケメンに生まれたかったなぁ……。
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リィを演じている佃井皆美さんのハイスピードなアクションもヤバいレベルで秀逸。彼女はジャパンアクションエンタープライズに所属されているだけあって、とにかく動きがカッコいいんです。『仮面ライダー鎧武』に登場する湊耀子(仮面ライダーマリカ)役なども演じておられたので、ご存じの方も多いかと。じつは僕、舞台のVISUALIVE『ペルソナ4』シリーズで里中千枝を演じておられた頃から佃井さんのファンだったのですが、その演技はさらに高みへと昇華された感がありましたね。
なんかね、アクションが直線じゃないっていうか。円運動も取り入れていて、動きが本当によどみなくつながっているように見えました。とても効率的に敵を駆逐していくその姿、まさに戦場に降り立った女神! シビれましたねぇ……。
そして、今回の取材の目玉でもあった、シシララファミリーにはおなじみとなる綾那さんの演技も想像以上! 凛とした雰囲気の貴族の息女・シャーミアンをめちゃくちゃスマートに、そしてどこまでも可憐に演じておられて、その存在感にはひときわ目を引かれてしまいました。
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仕草のひとつひとつがものすごく優雅で品があって、思わず「ぽわわわ~ん」としそうになったほど(笑)。思えば、僕にとって綾那さんとのファーストコンタクトは『閃乱カグラ』の放送回だったこともあり、シチュエーションにあまりにもギャップがありすぎて、マジでドキッとしてしまいました……こ、これがギャップ萌えなのか?(いや、違うかw)
舞台は第一幕が約60分、休憩をはさんでの第二幕も約60分と、合計2時間ほどで構成されていたので、物語がところどころ駆け足に感じられたり、セリフが説明的になっていた部分はありました。そうはいっても、原作ファンなら絶対に映像として見たいであろう部分はしっかりとチョイスされていたのではないのかな……と思います。僕は第一幕の終盤で思わず涙があふれてしまったほどですからね。原作を知らないでこれなんだから、ファンの方ならより一層理解を深めつつ、感情移入して楽しむことができたのでは。ここは素直に羨ましいなぁと。
また、先ほどは若手俳優陣ばかりにスポットをあててしまいましたが、そんな彼らを支えるベテラン俳優陣のいぶし銀な演技もステキでした。ウォルの育ての親であるフェルナン伯爵(小林勝也さん)が、重傷を負いながらもウォルと再会したシーンなんて、ぞぞぞっと鳥肌が立ったほど(上にも書いた第一幕のクライマックスのことね)。めちゃくちゃ長いセリフをしっかりと、しかも感情を込めて演じられていて、ものすごく引き込まれてしまいました。僕の周囲に座っていたファンの方々のなかには、ハンカチで目を抑えておられる方もいらっしゃいましたし、屈指の名シーンだったなぁ……。
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ちなみに、観劇に来られていたファンの方は8~9割が女性でした。アクションもストーリーも超カッコいいので、男性が見てもググッと引き込まれること間違いなしですから、興味がある方にはぜひ見てみてほしいです。
そしてお忙しい合間をぬって、綾那さんからシシララファミリーのみなさんへ向けてのメッセージもお預かりしてきました! ぜひ下記をご覧ください。
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綾那さん(シャーミアン役)
「今回、「デルフィニア戦記」の舞台に出演させていただくことになったあとに原作を読み、すぐにその世界観に引き込まれてしまいました。壮大な物語を2時間ほどに収めるため、やや駆け足な部分もありますが、原作ファンの方にも、そして原作を知らない方にもしっかり楽しんでいただける内容になっているのではないかと思っています。
私が演じるシャーミアンという女性は、ものすごく凛としていて気品があって、何から何まで自分にはないところばかりなので、私が演じて大丈夫なのかと最初は不安もありましたが、今となっては、ウィッグをつけた瞬間にスッとシャーミアンに入り込むことができるようになりました。舞台化されるにあたって、衣装や小道具にものすごく力が入っているので注目ですよ。
注目といえば、やっぱりアクション! 今回描かれるのはファンタジー世界の戦いということで、日本を舞台にした物語に出てくる殺陣とは内容がまったく違うんです。剣の構え方、振り方、身のこなし方など、すべてが新鮮でしたね。なかにはフェンシングのような構えで戦うキャラもいて。マントを翻しながら戦うのって、ものすごく重厚なうえにいかにもファンタジーって感じで、どこかゲーム的なんですよね。ここらへん、ゲームが好きなシシララファミリーのみなさんにご覧いただけると、きっと楽しめる部分なのではないかと思います。シャーミアン自身はそれほど激しいアクションはないんですけど、リィ役の佃井さんをはじめ、アクションには本当にみんな力を入れて演じていますので、ぜひご覧いただければ!
今回は「第一章」とタイトルに冠していますが、演じているわたしたちとしても、ぜひ同じカンパニーで第二章、第三章と続けていきたいと思える、愛着の深い舞台になりました。最後まで精いっぱい演じていきますので、応援をよろしくお願いいたします。
そしてシシララファミリーのみなさん、『閃乱カグラ』の放送回ではとても楽しませていただきました。じつはわたし、あれから『閃乱カグラ』に興味津々で、PS Vita版をゲットしようと思っているくらいです。3月には新作も発売されるとのことでしたし、また『閃乱カグラ』を配信することがあったら、ぜひお呼びいただきたいですね。あの日はちょっと面食らった部分もありましたけど(笑)、そこはわたしもオトナの女性なので、次はもっともっとお話に絡んでいければと考えています。
あとは、レレミや(藤嵜)亜莉沙の番組にもお邪魔したいですね。みんなで対戦ゲームを遊びたいです。……いや、全員負けず嫌いだから、きっとアツくなっちゃうのかな(苦笑)。もっと平和なゲームがいいかもしれません。みんなでワイワイしながらゲームを遊べる日を楽しみにしています。そのときは、どうぞよろしくお願いします!!」
綾那さん、お忙しいところをどうもありがとうございました。舞台のほう、最後までがんばってください。
ということで、こちらの舞台は1月29日まで公演中です。興味があるという方は、チケットの情報などの詳細を公式サイトで確かめてみてください。
舞台「デルフィニア戦記」公式サイトはコチラ
それでは、本日はこのへんで!
テキスト:タダツグ(Tadatsugu) シシララTV編集部、電撃編集部などで活動中のゲームライター/編集。生放送にも出演中。いつまでも少年の心を忘れないピーターパン症候群を自認するケツ合わせ系テキスト書き。好きなゲーム:『ニーア』シリーズ、『ヴァルキリープロファイル』シリーズ、『ペルソナ』シリーズ、『パズル&ドラゴン』など多数。

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