ニンテンドースイッチの予約に成功してひと安心のラー油です! これで急にニンテンドースイッチで『SIMPLE』シリーズの発売が決まっても大丈夫だ! 今のところは予定がないものの、ニンテンドースイッチのアイデアの塊みたいなコントローラーは大変素晴らしいので、有効活用した『SIMPLE』シリーズを最低でも100本は発売してもらいたい!
というわけで、連載2回目となる今回チャレンジする『SIMPLE』シリーズはこちら。
『SIMPLE2000 THE 逃亡プリズナー ~ロスシティ真実への10時間~』です。
ポリスとマフィアに追われながら、冤罪を晴らすために真犯人を探す3Dアクション! 制限時間は僅か10時間。時には通行人の服や車を盗んだりしながら、数々のサブミッションが散りばめられた犯罪都市「ロスシティ」を探索せよ! 公式ジャンル名は「鬼ごっこ・ノンストップ・アクション」だとか。
開発はタムソフト。あの『お姉チャンバラ』や『夏色ハイスクル』、そして最新作である『スクールガールゾンビハンター』でもお馴染みの老舗メーカーである。
どこぞの大作洋ゲーを思わせるクライムアクションを、D3パブリッシャーとタムソフトが2000円で作ったらどうなる? という作品。突っ込み所も多ければ見所も多く、1度紹介したかった。でもって、この『THE 逃亡プリズナー』で俺が挑むチャレンジがこれだ!
「ミッション:『THE 逃亡プリズナー』を難易度ハードでクリアせよ!」
最高難易度であるハードクリアに挑む! この『THE 逃亡プリズナー』は1度クリアすると、集めた装備アイテムを次のプレイに引き継ぐことが可能。しかし難易度ハードはアイテムをガチガチに集めても、苦戦は免れない……なんともハードな逃走劇となりそう。
正直に言うと、今回のチャレンジはマジでしんどかったので、次回のチャレンジは「スタートボタンをたくさん押そう」とか、「アナログスティックを優しく動かそう」とかまでレベルを落とそうかと思います。……いいよね? 答えは聞いてない!
難易度を選んでゲームを開始するとオープニングデモが流れ、犯罪とマフィアで溢れるロスシティの日常が語られる。
主人公は、ポリスとマフィアの癒着を追いかけていたせいで恋人殺しの濡れ衣を着せられ、今まさに投獄されようとしている男、アレックス・ターナー。同じ囚人護送車両に乗り合わせた謎の中国人ワンと会話をしていると……突然の事故が発生! 運良く脱出することが出来た。アレックス・ターナーの逃亡劇はここから始まるのだ。しかし、事故現場の周りには既にポリスがいて一触即発!
ポリス「お お前のその赤い服装…!」
話しかけることも出来るわけだが、囚人服なので当然怪しまれてるぞ! これはピンチか!?
大丈夫でした……。買わなくてもブタ箱っていうところに入ればタダで貰えるみたいですよ。
ゲームの特徴として、画面右の「注目度ゲージ」というものがある。時間経過でどんどん上昇していき、一定以上になるとそこら辺のポリスやマフィアが気づいて襲い掛かってくる。下げるには通行人を殴り倒して服を奪い取って着替えたり、特定のアイテムを使ったりすればOK。初期状態だと着替えてもすぐに上がっていくので大変だ。
かなり頻繁に戦闘状態に突入するのだが、出来るだけ戦いを避けるのがこのゲームのポイント。それを読者のみなさまにてっとり早く理解してもらうため、あそこに突っ立ってるポリスを試しに攻撃して息の根を止めてみようと思う。
うりゃぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーッ! 潔白パンチ!!
などと正面から挑んだら、次から次へと増援がやってくる。マグナムという名の国家権力にぶっ飛ばされ、最後にはこのように捕まってしまうわけだ。
やめろ、俺は無実だ! 濡れ衣なんだ! 何も悪いことはしていない! この目が節穴ポリスどもめ!!(※編集注:いやいや、あなたつい今しがた暴力振るってましたけど……)
なお、このゲームにコンティニューなどという生ぬるい要素は存在しないため、ゲームオーバーになったらセーブデータからやり直しとなる。なかなかに厳しい。
というわけで、着替えて注目度ゲージを下げることはとても大事。通行人を攻撃して気絶させて服を奪うとこのように着替えられる。背後から攻撃すると一撃で気絶させられるので覚えておいていただきたい。ぜひ。服だけでなく、本筋と関係ないサブミッションをクリアしていけばメガネやカツラなど、様々な変装用アイテムが手に入る。警察やマフィアから逃亡中といっても、男たるものオシャレには気をつかいたい。
ちなみに……男女平等パンチで女性から服を奪うとこのような姿に! もちろんメチャクチャ目立つので、すぐにポリスが飛んできますけどね!!
しかしサブイベントをクリアして、女性用のウィッグを入手すれば完璧な女装が可能! これだと注目度ゲージが一気に下がるので、ゲーム難易度がグッと下がるぞ! 目立たないというより見ないフリをされているだけかもしれないが……。
このゲーム、最初は主人公のステータスが低くて苦労するものの、サブミッションをクリアして強化アイテムを集めていけば、どんどん強くなっていく。ミッションの種類は20以上もあり、ポリスマニアの女性や謎の発明家、どこかの国の王子様に寂しがり屋の殺し屋と、登場するのは控えめに言っても変な連中ばかり。
一度見つけたものはメインメニューから見られるリストに記録される。手に入れたアイテムも次の周回に引き継げる。最初は難易度イージーでプレイして、アイテムを集めてから難易度ハードに挑むのがオススメってわけだ。
サブミッション以外にも、ロスシティのあちこちには回復アイテムや補助アイテムが入った木箱があるので、これでもかと几帳面に回収していきたい。消費アイテムはエリア切り替えで復活するので、これで回復アイテムを稼がないと後半はキツいぞ。
さて、アレックス・ターナー最初の目的は隠れ家に戻ること。遠いのでそこら辺に路駐されている車をお借りして移動しよう。このパトカーがちょうど良いな。国家権力の力、お借りします!
隠れ家で一息ついたアレックスは自分の無実を証明する決意を固める。警察を避けながら次は自宅に向かうことに。
ちなみにこのゲーム、マップのあちこちが「KEEP OUT」のテープで区切られている。ここは通れないし、メインストーリーの進行によっていきなりテープの場所が変わったりもする。変なところで迷ったり遠回りさせられるわけだ。
これはD3パブリッシャー×タムソフトの最新作『スクールガールゾンビハンター』でも使われている、つまりは伝統芸ともいえる手法。まあ、全体マップが見れるのでまだ『THE 逃亡プリズナー』の方がマシではあるんだけども……。
自宅に戻ったアレックスは証拠を集めるためのボイスレコーダーを回収するが、なんとそこに現れたのは死んだはずの恋人、クリステル! ど、どういうことだ!? もちろんそのあとを追うことに!!
ここからは通行人に「あやしい女性を見なかったか?」と聞きまくる、ジャーナリストとは思えないウルトラアバウトな方法で情報収集!
「やらしい女性」じゃねぇよ! 「あやしい女性」だよ!!
こんな方法でもちゃんと場所が分かるのがすごい。情報を辿ってサウスサイドエリアのバスケットコートに行くと、そこにはアレックスが追っていたマフィア「タートルヘッズ」のボスであるケイルがいた。そして恋人であるクリステルが、ケイルの妹だったことも判明! 情報を整理するために一度隠れ家に帰宅するアレックス……。
ロスシティ市警の所長であるマードックも登場。この顔だけで汚職しているってことがよく分かる! ここからはポリスだけではなく、普通のポリスよりも強い機動ポリスやマフィアも街をうろつくようになるぞ。そんななか、隠れ家に戻ったアレックスを待っていたのは「チャイナタウンのワンを訪ねろ」というメッセージ。
最初の護送車で同席した男で、実はケイルと抗争中であるチャイニーズマフィア、ドラゴンファングのボス! マフィアとはいえ敵の敵は味方。ということでチャイナタウンへ向かうことに。
ここで通行人にチャイナタウンの場所を聞くと、マップを見ろというメタセリフで塩対応される。
そして、敵の数が増えてくるここあたりで覚えておきたいのが、アイテムのダンボール箱。
追われている最中でもこれを被った瞬間に敵がこちらを見失う! 被っている限り絶対に見つからないぞスネーク!!
理屈はまったく分からないが、恐らく、ダンボール箱は神聖な物なので、邪悪な汚職警官やマフィアからジャーナリストを守ってくれるということだろう。ダンボールのバッジで裁判に挑んだ弁護士もいると聞いたことがあるし。
ワンのいる屋敷へは、このマップに表示されない通路を進まないと行けないチャイニーズトラップである。
ワンに会うと、タートルヘッズにさらわれた部下を救出してくれたら情報を提供するという取引が。
部下がどこに捕まっているかは分からないため、またもそこら辺の通行人に聞いて回ることに。おかしいだろ? なんでマフィア同士のやり取りを通行人に聞くんだよ! 服を奪うシステムがあるんだから、マフィアの服を奪って仲間のフリをして情報を聞くとかじゃダメなんですか!?
それでも情報を拾っていけば、部下はちゃんと見つかるわけで。通行人すごい。マフィアの服を奪うなどという蛮行は必要なかった! 場所は全体マップで最北端にあるウッドヒルズエリアの山小屋。マーカーが出ていないので分かり辛いが、ここは注目度ゲージが低い状態で山小屋に入ればイベントが進行する仕組み。
部下を連れて一度チャイナタウンに戻ると、ワンから情報が貰える。いわく、ウッドヒルズエリアの最深部にあるアジトで、警察署長のマードックとマフィアのボスであるケイルが密談中とのこと。ボイスレコーダーを使って証拠を押さえるためにアレックスはアジトへ向かう! ここからはノンストップで、回復アイテムを限界まで拾っておかないと地獄なので注意していただきたい。本当に死ぬから。
さて、アジトに突入するとマードック、ケイル、そして死んだはずのクリステルの3人が分かりやすく悪だくみ中。話はすべて聞かせてもらったぜ! と、アレックスはボイスレコーダーに会話を録音。ケイルと左右反転で増えた部下2人を相手にしたバトルに突入する。
で、ボス戦になるんだけど…。アレックスはパンチとキックしか出来ないのに、相手は銃を持ったマフィア3人! なんで逃げないんだよアレックス……。
難易度ハードの場合、サブミッションをたくさんクリアして防御力を最大まで上げていても、ケイルの銃撃を喰らえば体力の半分くらいをもっていかれるし、部下の銃撃でも5分の1は減る。大量に持ち込んだ回復アイテムが一瞬で溶けるってわけだ!
ケイルを倒せばクリアなので、難易度イージーやノーマルならゴリ押しも可能というものだが、ハードでは硬いので難しい。銃撃で大ダメージを受けてダウンして、起き上がりに銃撃を重ねられてまたダウンさせられる……なーんてことも。やっぱ逃げようってアレックス、お前は十分頑張ったよ。アクション性能が低い主人公で、銃を持った相手とガチバトルさせるこのゲームに問題あるから!
クリアのコツはマラソン。2人の部下はしばらく動き回ると息切れして動かなくなるので、部下を中心にグルグルと逃げ回って銃撃を避ける! 息切れしたらケイルを殴る! この繰り返し。ケイルが無敵の日本刀攻撃をいきなり繰り出してくる時もあるし、銃撃のダメージが大きいので正直このチキンプレイですらかなり辛いのだが、これ以外のやり方だと勝てません!(少なくとも俺はね)
とにかく走って殴って走りまくる! これが「鬼ごっこ・ノンストップ・アクション」ってヤツか。息切れしまくるマフィア共め、ジョギングでもして体を鍛えるんだな!
ちなみにこのゲームの攻撃は3回パンチした後にキックを繰り出すというコンボ1種類のみだが、キックを出さずにパンチを3発で止め、またパンチを3発を繰り返すと敵をダウンさせずに連続攻撃が出来る。ケイルなどのボスは、この逃亡神拳で攻撃することをオススメしておく。
ケイルを倒すとマードックは警察署へ逃亡。そして銃弾に倒れたクリステルから語られる真実……。最初は騙すために近づいたが、そこからの交流で生まれた愛は本物で、アレックスには死んでもらいたくないと!
アレックスはマードックを告発するために、ボイスレコーダーを持って警察署へ向かう。頭上には機銃掃射をしてくるヘリ、道には大量のポリスとマフィア。超カッコイイ最終ステージ用のBGMが流れる中、これまで探索してきたすべてのエリアを経由してゴールへ向かう、最後の『THE 逃亡プリズナー』が始まるのだ!
数あるSIMPLE2000シリーズのなかでも、かなり上位にランクされる燃え展開、この流れが本当に大好き!
常にヘリの機銃に追われる状態で、大量の敵から逃げ続けないといけない地獄のデス・ロードで、やられるとケイル戦の前からやり直しなのがマジでキツいんですけども! 発売当時プレイした時に心が折れそうになったものだが、今回久々にプレイしてもやっぱり心が折れそうになった。つまり、時代を超えた魅力がある作品と言える。
死に物狂いで警察署にたどり着くと、数十人の部下を従えたマードックが登場。しかし、アレックスとマードックのどちらを信じていいか分からない部下たちは動けない!
マフィアとポリスの癒着の証拠を持ってきたとか言ってる逃走中の殺人犯と、自分が所属する警察署の署長。どちらを信じたらいいかとっさに判断できないって、マードック、あんだどんだけ人望がないんだ……。
というわけでマードックとの最終決戦だ! 頭上からはヘリの銃撃が降り注ぐ中、グレネードっぽい弾を発射する謎のライフル銃を持ったマードックが相手。
最後までアレックスは素手で戦い抜かないといけないってのが凄まじい。銃を持ったマフィア3人を倒して、ヘリ、マフィア、警察の大群から逃げて、謎ライフルを持った警察署長とタイマン。ヤクザの事務所に素手で殴り込んだ最初の『熱血硬派くにおくん』が、じつに平和に見えますよ!!
くにおくんは学生でアレックスはジャーナリスト。これが子どもと大人の責任の差ってヤツなんだろう……。
ちなみにこのマードック戦、実は先ほどのパンチ3発で止める逃亡神拳でほぼ完封出来るので簡単だったりする。
マードックを倒せばエンディングに突入するが、今回は一般人に危害を加えたということで結局逮捕されてしまうバッドエンドに……。『THE 逃亡プリズナー』は10種類のマルチエンディング。エンディングリストもあるので、これ以外のエンディングはキミの目で確かめて欲しい!
と、言うわけで『THE 逃亡プリズナー』の難易度ハードでクリア達成。正直言って発売当時の基準で考えても、遊ぶのに相応の覚悟が必要なタイトル。しかしどこかゆるい登場人物たちが織り成すサブミッション、女装が有効という『SIMPLE』シリーズらしいおバカ要素、最後の熱い展開にと、今も忘れられないタイトルなのである。
さて、このコラムであるが、第1回が『THE スナイパー』で第2回が『THE 逃亡プリズナー』。ハードボイルド&バイオレンスなタイトルが続いたので、次回は明るいタイトルをチョイスしたいと思っている。乞うご期待!
テキスト:ラー油(daikai6) 死力を尽くして『SIMPLE』シリーズを応援するブログを運営し実況もするゲームブロガー。『SIMPLE』シリーズだけでなく低価格でイカしたゲーム全般を追跡中。ニンテンドースイッチで『SIMPLE』シリーズが出るのか気になる今日この頃。
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