2015年度ゲーム業界決算まとめ(その2)
2015年4月1日から翌3月31日までのゲーム業界上場企業各社の業績をまとめてみた。すでに第1弾の記事は掲載しているのだが,その第2弾をお届けする。今回は,モバイル&ネットワークゲーム中心の会社をピックアップして2015年度の振り返りと今後の展望をまとめてみたい。
2015年4月1日から翌3月31日までのゲーム業界上場企業各社の業績をまとめてみた。すでに第1弾の記事は掲載しているのだが,その第2弾をお届けする。今回は,モバイル&ネットワークゲーム中心の会社をピックアップして2015年度の振り返りと今後の展望をまとめてみたい。
落ちてきている会社もありますがまさに収穫期といった売上高。はっきり予言をしておきますが3年後これら好決算の会社は結構高い確率でピンチになっているはずです。なぜか?
特に彼らがダメなのではなく「必ず浮き沈みをする」のがゲームという産業だからです。問題は必ず来るピンチをどう粘るか?なんです。
なぜか?をさらに掘り下げます。まず大前提としてその会社の屋台骨のタイトルは崖っぷちやゼロベースからのチャレンジによってヒットしていることが多いのです。
ガンホーが出るまでのパズドラ、モンストが出るまでのmixi、サイゲームスができる前のCAグループなどなど・・・。そもそも思い切りチャレンジし続けないとゲームは大ヒットしません。
またどんなゲームも同じことをしていてはいずれ必ず飽きられます。未来永劫1つのタイトルが売れ続けることはないのです。それを踏まえてなぜピンチになるのか?書きます。
■その1
新作を作らない。チャレンジをしなくなる。
1つビッグタイトルが出ると、それだけで十分な売り上げになるのが昨今のスマゲビジネス。それに縛られて「これで十分」と守りに入ってしまう、また売れてから中途加入するスタッフは安定を志向する人が多く、これでまた守備的になってしまう。そう言った組織の病が起きがちです。
■その2
そもそも2本目のヒットはなかなか出ない。
いくらスタッフが優秀でもお金をかけても売れない時は売れません。絶対売れる方程式が存在しないので来年はこれを売るという見通しが立たない。今、連続で当てている会社も厳しい目で見れば”たまたま運が良かっただけ”かもしれない。それくらいこの産業は乱暴に言うと水商売なのです。
■その3
制作費の高騰
結局スマートフォンでも演出をリッチにするという戦略がとられるようになりました。加えて運営の素材やアセットも比例してお金がかかる。どれだけ儲けてもあっという間になくなってしまうほど、高コスト体質になってきました。
一方で当たるかどうかは正確に見積もれない。そんなえげつない状況でものづくりとビジネスをしているのがゲーム業界なんです。
つくづく好きじゃないと楽しく続けられないと思います。