■人に助けられて、徐々に実績ができてきた
そんななか、フライハイワークスに大きなチャンスが舞い込んできました。それは、大ヒットゲーム『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』の中国版のローカライズです。このお仕事がご縁で、『シュタインズ・ゲート』の発売元であるMAGES.さんにとてもお世話になりました。このローカライズを実績にして、その後の仕事も広がっていくことになるのです。
また、同時期にゲームのデベロッパー(開発元)としての仕事も始めました。これは、任天堂さんに「ニンテンドー3DS向けに、ダウンロードゲームをパブリッシングさせてほしい」と提案にいったところ、簡単には同意を得ることができなかったことがきっかけでした。当時、ゲーム市場で「ダウンロードゲーム」というものはまだまだマイナーなものでしたし、フライハイワークスには実績がなさすぎたことが理由だったんだと思います。
でも、ただでは引き下がれません。「では、パブリッシャーではなく、デベロッパーとしてならどうか」という提案をして、それならOKということになったのです。
こうなると、その作ったゲームを発売してくれるパブリッシャーを探す必要がある。そこで登場するのが、
この連載の第2回目に登場した堀口比呂志さんです。大学時代のチャットルームでできた人脈から知り合った堀口さんとは、その後も交流を続けていました。朝まで一緒に飲んで、そのまま堀口さんの家に泊まるなど、本当によくしてもらっていました。
この堀口さんに「どこかゲームを出してくれるところはないでしょうか」と聞いたところ、株式会社トムクリエイトさんを紹介してくださいました。そして、個人のゲームクリエイターが作っていたブラック・ジャック(カードゲーム)のスマホゲームを、ニンテンドー3DSに移植したのです。堀口さんと一緒に、トムクリエイトの武藤社長に「こういうゲームを御社から出させてもらえませんか」とプレゼンテーションしに行ったことをよく覚えています。