【舛添要一 朝までファミコン】「不親切だが違和感はない的な何か」【ゲームコレクター・酒缶のツミとバツコラム:第7戦】
どうも、酒缶です! ゲームコレクターの酒缶です! 「ゲームコレクター・酒缶が積みゲー討伐するってよ(略称:ツミとバツ)」、略して「ゲームコレクター・酒缶のツミとバツコラム」の始まりです。
第4回目のコラムはコチラ→「四十八(仮)とカタルヒト」
第5回目のコラムはコチラ→「ファミスタとNS」
第6回目のコラムはコチラ→「アメリカ横断ウルトラクイズ ほか」
2016年を振り返ってみると、オリンピックや豊洲市場などいわゆる小池劇場が盛り上がっていて、東京がかなり話題になっていました。ボク自身は横浜の人間なので普段はそこまで東京のことを気にしていないのですが、テレビにしてもネットにしてもそれなりに東京都の問題点が次々と飛び込んできて、ボクが女性だったら耳年増になっていたことでしょう。一応弁解しておくと、厚化粧の耳年増、ではないですよ。
ゲーム業界を見てみると、PlayStation VR(PSVR)は未だに購入できないどころか、朝から店回りをしている内に体調を崩すこと数回、すでにPSVRをガン無視することを決め込んだばかりなのですが、そのPSVRを逃して帰る途中でうっかり出くわしてしまったのがニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ。そういえば、ミニファミコンも2016年のトピックスの一つでしたね。
東京都とファミコン、この2つのワードから、ボクからすると2016年一番熱かったゲームはこのゲームだと思うんですよ。
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その名も『舛添要一 朝までファミコン』。存在自体はワイドショーなどでも取り扱われたのでそれなりに知られていると思いますが、ゲーム内容を知っている人はどのくらいいるのでしょうか?
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パッケージを見ると、若き日の舛添要一氏。勇ましい顔でこちらに指差ししています。いわゆる「ドーン!」というヤツですね。権力を手に入れて夢心地の中で、黒服の男が現れて奈落の底に落とされるときの「ドーン!」を想像してしまったのですが、きっとそんな意図はないのでしょう。
タイトルの「朝までファミコン」は、間違いなく、今でも毎月最終金曜日の深夜に放送されている討論番組「朝まで生テレビ!」を意識したタイトル。このゲームの発売当時、舛添要一氏も番組で活躍されていた……というか、「朝まで生テレビ!」ってとんでもなく息の長い番組ですね。ウィキペディアによると1987年が初回放送なので、もうすぐ30周年ですよ。ウィキペディアの信ぴょう性については各自にお任せします。
改めてパッケージを見てみると、「テレビ・マスコミで大活躍中の舛添要一が君に挑戦!!」「アドベンチャー革命」とキャッチーな言葉が並んでいるのですが、タイトルを含めて何を見てもゲームの内容が全く頭に入って決ません。とりあえず「アドベンチャーゲーム」らしいぞ、くらいの想像はできますけどね。
『舛添要一 朝までファミコン』は、ざっくり言うと、一流企業・ココナッツ商事の派閥争いをテーマにしたコマンド選択式のアドベンチャーゲーム。環境保護事業の一環である「グリーン計画」と政府事業の参入を目的とする廃棄物処理工場建設計画を巡って、創業者の会長を筆頭とした会長派と、利権にうるさく政界とのつながりがある社長を筆頭とした社長派によるバチバチの派閥争いが行われている中で、会長派に属する営業部第一課課長の藤沢和人の活躍が語られていきます。
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「グリーン計画」の用地買収を進める途中で中村部長がダウンしたため、急きょ部長代理に任命された藤沢和人。ゲーム内では後ろ向きでしか表現されないプレイヤーの分身。90年代前半のサラリーマンの表現で、金髪はなかなかチャレンジしているように思います。
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同期の営業部第二課課長の井上は、社長派でもあり、藤沢とはそりが合わないらしい。取説を見ると「嫌煙の仲」とあるので、相当煙たいのでしょう。ヤニヤニしやがって!(※編集注:明らかに誤植だと思いますよとマジレス)
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同じく同期の、営業部第一課の竹内は、あまり出世には興味がなく、藤沢のアシスタント的な存在。パターンのないフェイスウインドウでなかなかそのポーズは取れません。
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中村部長の秘書で、部長がダウンしたことにより藤沢の指揮下で働くことになった近藤恭子。取扱説明書の説明では「今どきのOL」とあるので、平野ノラとか想像していただいても問題ない……のかもしれません。
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営業部第一課で働く派遣社員でそつなく仕事をこなすけれど、ココナッツ商事に入社する前日に派遣会社に登録をするなど謎の多い道上孝子。
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女性だけ名字と名前があるのは、舛添氏のジェントルマンたる所以なのでしょう。ともかく、社内の一番身近な存在ですら怪しい人間で固められている状況で、次々と問題が発生します。

社内では露骨なセクハラ問題。
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接待時には取引先の社長による問題行動。
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真面目な方だと思って目線を追うと……。
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そして、主人公を襲うセクハラ疑惑。
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まー、もー、こいつら一体……いやいや、当然ながら、サラリーマン社会における深刻な問題も山積みなんですよ?
たとえば部内のスパイ騒動。
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貴婦人によるヘッドハンティング。
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社長自らによる派閥間の引き抜き。
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そして、大胆な左遷……。
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ますぞー、まじかー……いやまぁ、こんな陰謀渦巻くビジネスの世界で様々な苦難を乗り越えて、果たして藤沢和人は男を上げることができるのでしょうか?

アドベンチャーゲームなので、ストーリーについてはあまり詳細に書きませんでしたけど、ゲーム内容についてはなんとなく理解していただけたのではないかと思います。
と、こういう説明だけで終わらせてしまうと、「舛添さんって出て来ないの?」となると思うのですが、安心してください、たくさん登場しています。
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舛添さんは各章のオープニングで示唆に富んだコメントを残し、各章の終わりではビジネスクイズを出題し、セーブ時にはパスワードを教えてくれますし、ゲーム本編でも要所要所でプレイヤーを救ってくれます。
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困った時にヒントをくれるようなゲスト的な扱いではなく、ストーリー上、舛添さんに調査を依頼しないといけないような作りのため、本当の意味でのキーマンとして活躍してくれるのです。
ボク自身は一流企業に勤めたことがないのですが、一流企業って舛添さんみたいな知り合いがいないとうまく立ち回っていけないんですね。大変勉強になります。
コマンド選択式のアドベンチャーゲームというと、ストーリーをコマンドで切り刻んでいるような印象があります。コマンド選択に時間経過の概念を持たせたり、日にちの概念を持たせて日によってコマンド選択の結果が変わるような仕組みを入れたり、間違ったコマンド選択で停滞させずに先に進んでいくマルチエンディングを導入したゲームは存在しますが、一番オーソドックスなタイプのコマンド選択式のアドベンチャーゲームは、バッドエンディングに行かない限り、コマンドを繰り返し入れていればとりあえずクリアまで導ける作りになっています。今作は一番オーソドックスなコマンド選択式のアドベンチャーゲームと言えます。
コマンドはアイコンで表されていて、不親切だが違和感はないギリギリの表現。最初のページには「見る」「調べる」「移動」「呼ぶ」「話す」「?」の6種類の表示。
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ページを切り替えると「取る」「使う」「セーブ」の3種類の表示。
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コマンド式アドベンチャーゲームでは、コマンドの意味を把握する必要があるのは当然のことですが、開発者のポリシーをある程度把握することがゲームを楽しむコツになります。
例えば、会話で「〇〇」というモノを提示されたら、「取る」で「〇〇」を所有状態にした上で、「調べる」→「持ち物」→「〇〇」の手順を踏まないと内容を見ることができません。
会話をする際には、「話す」を選ぶと話の取っ掛かり部分の会話にはなるのですが、再び「話す」を選んでも同じことを喋り、話が止まってしまいます。そんなとき役に立つのが「?」コマンド。
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「?」コマンドは駆け引きをする時に使用するコマンドで、場面に応じて「ほめる」「ひっかけ」「ひく」「さそう」「すすめる」「つっこむ」の中のいくつかが選べるようになり、正しい選択をすると会話を進めることができます。
この手のコマンド選択に遭遇すると、「コマンドを選ぶよりもすんなりとつながったやり取りを見せてくれた方がわかりやすいのに……」と思ってしまうのですが、ここはあえて、どのコマンドを選ぶとリズミカルにシナリオを進行できるか考えながらプレイするのがゲーマーの嗜み。話が停滞したら「ひっかけ」や「つっこみ」を切り出し、流れが変わったら「すすめる」でシナリオが流れていくのを確認しながらニヤリとほほ笑むのです。
『舛添要一 朝までファミコン』は、比較的オーソドックスなコマンド選択式アドベンチャーなので、よほど混乱しない限り、5時間くらい頑張ればクリアできるゲームです。また、パスワード形式に時代を感じますが、ゲーム中にいつでも「セーブ」コマンドを選べば、パスワードを教えてもらえますので、メモっておけばいつでも再開することが可能です。
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しかし、その短時間でプレイが終わるゲームの中に、舛添氏が重い課題を与えてくれます。ゲームは4章構成なのですが、1~3章の終了時にクイズが出題され、ゲームクリア時に成績が発表される仕組みが入っているのです。そのため、折角最後まで行ってもクイズの正解率があまり高くなかった場合、再度挑戦したくなるのです。
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クイズは正解を選んだ時と間違ったときでSEが異なるので、細かくメモを取った上で、全問正解した上でのクリアをぜひ目指してみてください。
そんなわけで、『舛添要一 朝までファミコン』をプレイした気になりたければ、以下の3点を記憶しておきましょう。
1.派閥争いの中で活躍するお話
2.楽しみたければコマンドの意図を理解して実行
3.アンテナがON状態ならいつでも舛添さんとコンタクト可能
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それにしても、ゲームに登場する一つ一つのメッセージに別の意味があるような気になってしまうとは、本当に罪深いモノのです。
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さて、次はどの積みゲーを討伐しようかな。
第1回目のコラムはコチラ→『ポケモンとピカチュウ』
第2回目のコラムはコチラ→『マリオとソニックとハイパーオリンピック』
第3回目のコラムはコチラ→「LSDとPS VR」
第4回目のコラムはコチラ→「四十八(仮)とカタルヒト」
第5回目のコラムはコチラ→「ファミスタとNS」 第6回目のコラムはコチラ→「アメリカ横断ウルトラクイズ ほか」
テキスト:酒缶(Sakekan) 15,000本以上のゲームソフトを所有するゲームコレクターをしつつ、フリーの立場でゲーム業界内にこっそり生息中。関わったタイトルは『ダンジョンRPG ピクダン2』、『謎解きメイズからの脱出』など。

ツイッターアカウント→酒缶(ゲームコレクター) @sakekangame
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