フライハイワークス・黄 政凱の「台湾人だったけど、日本のゲーム会社社長になってみた!」 【最終回:これからのこと】
海外のさまざまなおもしろいゲームをローカライズし、日本のゲーマーに届けてくれるフライハイワークス。その代表取締役である黄政凱さんの、今考えていることをお届けするコラムも10回目にして最終回を迎えました。
黄さんは最近、ゲームのパブリッシングとはまったく違う、フライハイワークスの新事業を構想しているそう。それはなんと「フライハイ○○」!? ゲーム業界の常識に一石を投じる、黄さんのアイデアが光ります。

コラム第1回目:少年期編
コラム第2回目:大学~兵役編
コラム第3回目:就職編
コラム第4回目:起業編
コラム第5回目:ゲームリリース編
コラム第6回目:飛翔編
コラム第7回目:プロデューサー編
コラム第8回目:2018年の振り返り編
コラム第9回目:ゲーム会社の社長像編
01
■素振りもコンテンツに。それがコウシャチョー流

こちらのコラムも最終回ということで、今回は未来に向けて、現在構想しているフライハイワークスの新事業のことをお話ししたいと思います。

……と、その前に現在のことからお話していきましょう。

以前の僕はゲームのリリースに際して、ロゴ制作やPV制作、海外ゲームならば日本語への翻訳、商品説明の執筆、デバッグなど、さまざまな業務を一手に請け負っていました。会社の業務についても、公式Twitterや公式サイトの更新、YouTubeへの動画アップも自分でやっていたんです。

第6回のコラムにも書いたように、そうした仕事を少しずつメンバーに任せられるようになり、最近の僕は価格などの最終決定をする役割に落ち着いています。権限を移譲し、業務を分担することによって、フライハイワークスはより精力的にゲームをリリースできるようになりました。

今年に入ってからも、ファミコン風のドット絵の本格サスペンスとして話題を呼んだ『伊勢志摩ミステリー案内 偽りの黒真珠』や、個性豊かなキャラクターが人気の『大繁盛!まんぷくマルシェ』、満を持してNintendo Switch版が登場した『魔女と勇者』など、たくさんの自信作を送り出しています。

仕事をメンバーに任せられるようになった結果、どうなったか。そうです、僕がゲームをする時間が増えたんです!(笑)
02
今は、毎日20時ぐらいまでには仕事を終わらせ、24時までゲームを遊ぶことが日課になっており、それをYouTubeの「コウシャチョーのゲームチャンネル」で配信するようにしています。

このYouTubeでの配信は、僕なりのアウトプットです。本当はもっと動画を編集したり、番組の企画を立てたりして、作り込んでから動画をアップしたほうがチャンネル登録数は増えるのかもしれません。そういうやり方もイイのですが、まずは打席に立つ。とにかく打席に立たないと何も起こらない。動画をアップし続けることで、いつかどこかでヒットが出るのではないかと考えています。

最近は、「テトリスの神」ことあめみやたいようさんの、『テトリス99』の配信を見て、「僕もああいう才能がほしい……!」とうらやましく思ったりもしています。僕は、どんなゲームもそこそこうまくプレイできる自信はありますが、世界一になれるものがあるかというと、そうではない。自分だけの武器を探す意味でも、今は泥臭くやっていきたいですね。

今は『スプラトゥーン2』の腕をもっと磨こうと、最高ランクの「ウデマエX」で「Xパワー」を2300まで上げることに挑戦しています。現在2000~2250でいったりきたりしているので、もっとがんばらないといけません。そのチャレンジする姿も配信しています。“素振り”をしている姿も配信していこうと思っていますので、みなさんぜひ「チャンネル登録」をよろしくお願いいたします。
コウシャチョーのゲームチャンネルはコチラ
03
■東京ゲームショウって、出るべきなの?

さていよいよ、これからについてのお話です。とつぜんですが、「フライハイカフェ」を作りたいと思っています。え、カフェ? 飲食事業に参入するの? どうしちゃったの黄さん! と思ったそこのあなた。まあ、少し聞いてください。

ことは、2017年9月の東京ゲームショウにさかのぼります。フライハイワークスは、その年の3月に発売されたばかりのNintendo Switchを約30台用意し、試遊機として展示しました。当時はNintendo Switch用の自社ゲームを20本ほど用意しており、準備万端でした。当時は多くの方が「Nintendo Switchが欲しいのに購入できない!」と言っている時期でしたので、これはけっこうセンセーショナルな展示内容だったと思います。

では、大手のゲーム媒体などに、この事実をニュースとして取り上げられたりしたのかというと、残念ながらそんなことはなく。フライハイワークスが出したニュースリリースに沿った記事はいくつか掲載してもらえましたが、それだけだったんですよね。
07
正直、ちょっとがっかりしました。自分としては手ごたえのある出展だったのに、ニュースにもならないなんて。僕らが東京ゲームショウに出展している意味はあったのだろうか、と思ってしまったんですね。

その明確な意味を見いだせないまま、2018年は付き合いのような形で出展しました。僕らにゲームを預けてくれたディベロッパーさんに対して義理を果たすため、何かしらの大舞台でゲームのお披露目をしたほうがいいだろうと思ったからです。でも、やはりそんなにプロモーションやブランディングに効果は感じられなかったというのが正直なところです。

「みんなが出展しているからうちも出す」
「去年も出したんだから今年も出展する」

……僕は、こうした思考停止が一番よくないと思っています。そこでいったん立ち止まって、考えてみました。「ゲーム会社なら東京ゲームショウに出展したほうがいい」。これって、本当にそうなのでしょうか。
05
東京ゲームショウへの出展は、莫大なお金と労力がかかります。それが4日間で消えてしまう。打ち上げ花火みたいなものなんです。正直、フライハイワークスくらいの規模の会社には荷が重い。このお金を使って、何か他のことができるような気がします。

そこで思いついたのが「フライハイカフェ」です。カフェといっても、飲食がメインではありません。メインはゲームです。カフェに入ると、フライハイワークスのゲームがずらっと並んでいます。1杯800円くらいのドリンクを頼んだ人は、店内のゲームでいくらでも遊べる。クリアまでプレイしちゃっても構いません。発売前の新作も、展示したいと思います。この店内でしか遊べないソフトになります。800円は飲み物にしては高いかもしれませんが、入場料も兼ねた値段を考えています。

東京ゲームショウは数日で終わってしまいますが、ここではいつでもフライハイワークスのゲームを展示できます。ロゴが店先にあり、通りかかる人はいつもそれを目にする。ウン百万かけて4日間の花火を打ち上げるよりは、そのお金を使って、小さくても年間通して存在する展示場所を運営するほうが意味あるんじゃないかなと思っています。
09
■店長候補、募集しています!

拠点ができることで、ファンのコミュニティもつくられていく。そこに来れば、自分の好きなあのゲームが好きな人、フライハイワークスのゲームが好きな人と知り合えるかもしれません。一緒にゲームをプレイして、ゲームの話をする。それはきっと、とても楽しいことだと思います。

もちろん、出来た際には僕も行きますよ。居心地がよくて、入り浸っているかもしれません(笑)。カフェで新作ゲーム紹介の「フライハイエクスプレス」の収録や、ゲーム配信をするのもいいなあ……なんて考えています。ガラス張りのスタジオで、ラジオの生放送をしてることがありますよね。あんな感じでやれたら楽しそうです。
04
この発想の原点にあるのは、僕が小学生の頃通っていた、大宮のデパート「高島屋」のゲームコーナーです。そこで僕は『ファミリースタジアム(ファミスタ)』とか、試遊展示されているゲームをずーっと遊んでいました。

ああいう風景って、現代ではなくなってしまいましたよね。家電量販店にはゲームの体験コーナーがありますが、なんかちょっと違うんです。町の片隅にあって、子どもにとっても安全で、ゲーム好きがふらっと集まれる場所。そんな場所をつくってみたいと思ったんです。

このアイデアについて話すと、「場所はやっぱり、秋葉原ですか?」と聞かれることがあります。たしかに今フライハイワークスの拠点は秋葉原近くにあるし、僕もアーケード版の『バーチャファイター』が稼働していた頃は、ゲームをしに秋葉原に通っていました。

でも今の秋葉原は、そこまで「電脳街」、「電気街」かと言われると、うーん、って感じがします。何とは言いませんが「リトル歌舞伎町」って感じです。だから、秋葉原でやるのが良いのかどうかはわかりません。場所については考え中です。

ただ、店長候補は募集しています(笑)。僕はカフェのバイトとかしたことないので、そういうのは何もわからないので(笑)。この構想をおもしろいと考えてくれる人、一緒にやってくれる人で気が合う人を探しています。誰も応募がなかったら、最初は僕が店長をやることになるかもしれません。一人で始めるのもいいんですけど、やっぱり「それいいね!」って思ってくれる人が集まったら、このカフェはよりよい場所になっていくと思うんです。

というわけで、フライハイカフェの店長職に興味がある方は、僕のTwitterにDMでご連絡ください。
06
最終回なのに、コラムを求人に利用してしまいました(笑)。このコラムにかんしては今回で終わりなのですが、いつか自分の本を出版することが夢でもあるので、連載自体は別のかたちでまだまだ続けていきたいとも考えていたりもします。もしよければ、コラムの感想などもDMなどでお寄せいただければうれしいです。

では、また会うその日まで!
シシララTV オリジナル記事