ラー油です! ここのところ家庭用ゲーム機でシューティングゲームが増加中。『アケアカNEOGEO』シリーズで『作戦名ラグナロク』などの名作シューティングが次々に復刻され、MOSSからは『Caladrius BLAZE(カラドリウス ブレイズ)』や『雷電V』のPS4版が登場。
同じくPS4で、11月2日には1993年に稼働したシューティングの移植である『魔法大作戦』が配信。そして11月30日にはセガサターンで登場したジャレコの傑作『ゲーム天国』が、『ゲーム天国 CruisinMix』とパワーアップして復活します。あの『シティコネクション』のクラリスが新規キャラとして追加されているところが見逃せない。
乗るしかない、このビックウェーブに! ということで今回のコラムはシューティングゲーム特集になります!
ダウンロード専用ソフトのシューティングでオススメとなると、PS4の『アスタブリード』が鉄板で、「おい、そこのお前。アスタブリードを遊ぶのだ!」というコラムにしても良いのですが、今回はあえてそこを外し、面白いけどクセのある個性派シューティングを紹介!
『アスタブリード』は別の機会に、『RESOGUN』あたりと一緒に取り上げたいと思います。
ということで1本目に紹介するのは『Vostok Inc.』!
2017年の10月3日にBadland Gamesより、1599円で配信されたPS4/Vita用ダウンロードタイトル。
経営シミュレーションとシューティングゲームを融合させたという変わり種です。プレイヤーは銀河を股にかける大企業「ヴォストック社」のCEOとなり、全宇宙一の会社に成長させるのが目的。
宇宙で敵戦力や隕石とドンパチして資源を集めつつ手ごろな惑星を探し、着陸したら有害な建物をガンガン建てまくって金を稼ぐというイカしたゲームです!
ムーラ(銀河共通の通貨)を消費して建物を建てると、時間経過で収入がガッポガッポ。それを使って建物に設備投資をしたり、違う建物を建造したり、他の星でまた建物を建てたり。この繰り返しで収入のケタがどんどん跳ね上がっていくのを楽しむ内容。シューティングパートで宇宙を旅する要素もありますが、経営パートに関しては『クッキークリッカー』などに近い作りですね。
建物には一つ一つ皮肉っぽい文面が付いていて、最初に作れる鉱山からして
「この惑星の地下深くでは莫大な富とチャンスが掘り起こされるのを待っている! きつい、汚い、危険と三拍子そろったタフな仕事だが、誰かがやらなければならない(無論キミ以外の誰かが!)」
なんて調子です。
「政治とは一般的に、できるだけ多くのムーラを貧乏人からぶん取って、金持ちの懐へと送り込む技巧を言う」
これは行政庁舎の説明。
設備投資も、たとえば「鉱山」だったら安全検査官との通信をブロックをすることで収益を上げたり、深刻な土壌汚染と環境破壊を引き起こす水圧破砕法を導入して更に収益を上げたり。「雨水処理工場」だったら、水をこじゃれたビンに詰めて売りさばいたり、シアワセの粉なる怪しげな粉を給水管に混ぜたり。
つまるところ、ロクなコマンドがない! でも広い宇宙に惑星は、文字通り星の数ほど存在するから心配無用! ダメにした星の代わりはいくらでもありますよ!
ソル連合(略してソ連)や異星人といった他の勢力と戦いを繰り広げながら侵略…じゃなかった、業務拡大をしていけば収入は右肩上がり。最初は3桁の金額からスタートしますが、あっという間に1秒間に1万、1秒間に10万と入るようになる、すさまじいインフレっぷり。最終的に1秒間にトリリオン(一兆)やクインティリオン(千兆)単位で収益が入るようになります。無論、設備投資を続ければまだまだ上を目指せる。
昔、億単位の得点がバシバシ入ることが特徴の『ギガウィング』というシューティングがありましたが、次元が違い過ぎますよ!
爽快感と金がジャリンジャリン溜まる気持ち良さに全振りした、ある意味麻薬のようなゲームです。シューティングとしては大味で、経営ゲームとしてはただ建物を建てるだけなのに、とにかくインフレを拡大させていくのが楽しすぎてヤメ時が見つからなくなります。
真っ黒なテキストまみれの世界観を堪能したり、極太レーザーや連装ミサイルなど20種類以上あるド派手な武器で敵をなぎ倒す楽しみもアリ。Vita版は一部の動作が不安定との話も聞いているので、オススメはPS4版としておきます。
ちなみにこのゲームで一番皮肉が効いているのは、収益で「宗教センター」や「カジノ」、「メディア企業」を上回る最強の建物が「ゲーム開発スタジオ」であるところだと思いますね……!
2本目は『Ghost Blade HD』。
2017年9月1日にEastasiasoft Ltd.から1280円で配信されたPS4用ダウンロードタイトル。「2015年にドリームキャストで発売されたドイツのインディーゲームを移植した作品」という、とんでもない経緯の縦シューティングゲームです!
何とも言えないデザインが素敵な美少女たちから一人を選び、ゲームスタート。
ショット、ショットボタン長押しの一点集中ショット、ボムを使い分けて進む非常にオーソドックスな弾幕シューティングで、手触りがビックリするくらい日本の弾幕シューティングそのまんま。
BGMもカッコ良く、攻略パターンの構築が熱い。敵弾が早めなので最初は苦戦するものの、全5ステージと短めで、ボムと1UPが増えやすいバランスなこともあり、とても遊びやすい作りです。
オプションもかなり細かく用意されていて、トレーニングモードも完備。短い専用ステージで行うスコアアタックモードは、『スターソルジャー』や『ソルジャーブレイド』といったかつてのキャラバンシューティングを思わせますね。
日本のシューティングを分かっている人が作っているんだなあ、というのが伝わってくる作り。
ややオリジナリティに乏しいところが難点ですが、オーソドックスな弾幕シューティングが遊びたい人にぜひオススメしたい1本です。
最後は『Teslapunk』。
2017年1月25日に賈船からWii Uで配信された1000円の縦シューティングです。火星の皇帝「ザンゴーラックス」を倒すのが最終目標。
とりあえずチュートリアルを開始すると、「やあ、私はニコラ・テスラだ」という気さくな挨拶とともにニコラ・テスラが登場して、優しく指南してくれます。ニコラ・テスラはそんな「オッス! オラ悟空!」みたいなノリじゃないと思う。
ラスボスである火星の皇帝ザンゴーラックスも登場して、デカ文字で「全滅」とこちらを煽ってくる。
全6ステージのシューティングゲームなのですが……。世界観がカオス過ぎてこの敵キャラがなんなのか、一体どこで戦っているのか、さっぱりピンと来ないまま進行! ザコ敵を破壊した時に鳴り響く形容しがたい効果音もかなり脳に刺さります。いろいろな意味で「地球外の生命体と戦っている空気」はものすごく伝わってくる作風。
ザンゴーラックス皇帝のデザインがまたすさまじい。激しく腕を動かしながら、ミラーボールのような物体を展開して攻撃をしてきます。