ラー油です! 『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』がマジで面白れぇんですけど!? ほど良いゲームバランスに探索と会話の楽しさ、仲間のキャラの立ちっぷりなど。遊んでいて心地良くてさすがは『ドラクエ』と唸る職人技。外伝作品なら色々遊んでいるものの、ナンバリングは『ドラクエVI』以来なので、新鮮かつ懐かしい気持ちで楽しめています。3DS版でプレイしているんですが、これはPS4版も欲しくなっちゃうデキですね。
ちなみに初の『ドラゴンクエスト』は『II』。好きなのは『IV』。鍵のかかったドアを破壊するオーリンはイケメン。合言葉はコイン838861枚。右手にてつのつめ~ラララ~。3章ではじゃのつるぎはデフォ。なんだか美味そうだったエルフののみぐすり。ひかるビーダマ。ビアンカとフローラならビアンカ派。好きなスライムナイトはピエール。『ドラゴンクエスト』攻略本の装備品のページにあるちょっとエッチなイラストは思い出。ふんどし!(大根を掲げながら)
何もかもが懐かしい……。
そんな『ドラゴンクエスト』を思わせる王道RPGが、実は「SIMPLEシリーズ」にも存在していて、タイトルは『SIMPLE2000シリーズ vol.44 THE はじめてのRPG ~伝説の継承者~』。はじめてRPGを遊ぶプレイヤーに向けた作品に見せかけて、「俺がはじめて遊んだRPG、こんなだった!」とゲーマーに思い出される1本。まさに過ぎ去りし時を求める作品になっています。「SIMPLEシリーズ」の懐の深さはさすがだぜ!
とはいえ、「SIMPLEシリーズ」で純粋にRPGと言える作品はこれくらいで、あとは一応タイトルに「RPG」と入っているものの、シミュレーションだったりローグライクだったりします。これは寂しい。ゲーム業界がRPGで盛り上がっている今こそ「SIMPLEシリーズ」で新作のRPGを、いや別にRPGじゃなくてもいいので新作を838861本くらい発表してもらいたい!
この新作を要求するくだりがすっかり持ちネタみたいになって来て悲しいので、普通に1本でいいから新作欲しいですね……。
第9回目のコラムはコチラ→『SIMPLE2000シリーズ Vol.95 THE ゾンビV.S.救急車』
第10回目のコラムはコチラ→『SIMPLE2000シリーズ Vol.16 THE スナイパー2 ~悪夢の銃弾~』
第11回目のコラムはコチラ→『SIMPLE2000シリーズ Ultimate Vol.6 ラブ★アッパー!』
さて、今回は前回紹介した『SIMPLE2000シリーズ Ultimate Vol.6 ラブ★アッパー!』を凌駕する露出度のキャラが大活躍する作品にチャレンジだ!
『SIMPLE1500シリーズ Vol.58 THE すもう』
上半身裸の男たちが熱くぶつかり合う対戦アクションゲーム! 日本の国技である相撲を、日本を代表する「SIMPLEシリーズ」が完全ゲーム化!
2001年に初代PSで発売された作品で、価格はもちろん! 当然ッ! 1500円! 開発はMULTIMEDIA INTELLIGENCE TRANSFER。あの『真・女神転生 デビルチルドレン』や『女神転生外伝 ラストバイブル』を手掛けた会社です。残念ながらゲームアーカイブスなどでは復刻されていないので、「お近くの『SIMPLE1500シリーズ Vol.58 THE すもう』が売ってそうなお店」でお買い求めください。
ゲームは、土俵での駆け引きを「SIMPLEシリーズ」独自のセンスでリアルに再現した2Dの対戦アクション。力士を育てて横綱を目指す「立身出世」モード、次々に登場する力士と個性豊かなステージで戦う「アーケード」モード、プレイヤー同士での戦いやCPU同士の戦いの観戦も可能な「対戦」モードが存在します。でもって、今回のチャレンジはもちろんこれ。
「立身出世モードで横綱になれ!」
めざすはてっぺん!勝って勝って勝ちまくって横綱になってやりますよ! 大暴れ、待ったなしだ!
立身出世モードでは軽いキャラメイクから始まります。
力士のタイプを小型力士、中型力士、大型力士、ロシア系力士、モンゴル系力士、ハワイ系力士から選択。得意技やステータスがそれぞれ違うので考えて選ぶ必要があり。名前とマワシの色も選べるので好みに合わせてどうぞ。
名前を「死屍累々(シシララ)」にして各界を荒らしてやるつもりだったのですが、漢字が無かったので無難に「油乃海(あぶらのうみ)」で行くことにしました。ヌルヌルしてて取り組みで強そう。
マワシの色は「SIMPLEシリーズ」のアイドルである双葉理保の水着の色にちなんで水色に。タイプは日本人の大型力士で。やはり力士とモビルスーツはでかいヤツを操縦したい。
さっそく角界に殴り込みだ! 向かってくる奴らは全員スクラップにしてやるぜ! と行きたいところですがその前に操作説明を確認。メニューから丁寧なチュートリアルで教えてくれる親切設計です。
「足腰」「気合」というゲージが目を引く味わい深い2Dの対戦画面。キャラが離れている時はボタンで張り、突き、はたきこみの格闘技を繰り出し、組んでからは方向キーとボタンで投げ、押し、吊り、組を切る、寄る、離れるの技が使用可能!
組んでいる時に伸びるタイミングゲージがMAXになった瞬間、出したい技のボタンを押す。入力に成功したキャラはボタン連打パートに移行するので、その連打勝負に勝てば技発動となります。
体力ではなく、技で足腰ゲージをゼロに出来れば勝ちというルールが実に相撲的。気合ゲージが残っている状態で相手から離れれば足腰ゲージが回復していくので、時には組まずに距離を取る選択肢もアリです。
突きを連続で当てればピヨって無防備になって技がかけ放題だったり、投げで相手の体制を崩したところを押せば一気に足腰ゲージを減らせたりするのも重要。
こう書くと複雑そうですが、基本的には格闘攻撃で牽制! 組んだらタイミング良くボタンを押したあとにボタン連打! ……そんなゲームです。っていうかボタン連打ゲーです。
いよいよ立身出世モードスタート。まずは1月場所から。このように錦絵っぽいイラストが、場面に合わせて多数用意されているのがこのゲームの最高なところ!
本場所のイラストもこのように季節によって微妙に変化。
取り組みでの決まり手によってもこのようなド迫力のイラストが表示されますし、プレイヤーと対戦相手の名前表示も実にそれっぽい。こりゃたまりませんね。何が「若乃浜」だ! 「油乃海」に勝てると思うなよ!!
試合に勝っていくとパラメーターが成長していくので、とにかく勝って勝って勝ちまくるゲーム。イベントなどは一切なく、ひたすら戦いの日々が続きます。硬派!
本場所で好成績を残せば、この喜びがなんとなく伝わってくるイラストともに昇進します。しかし三役以上は好成績を残した上で一定条件を満たす必要アリ。
幕内以上になると夏と冬のトーナメントという謎のバトルに参加することになるのですが、横綱や大関ともガンガン戦うことになるので序盤ではまったく歯が立たず! 思わず「ボケェ!」と叫びたくなる。今はじっと耐えてキャラを鍛えましょう。
嫌になってしまったらメニュー画面からいつでも引退が可能。ゲームの進行状況によって異なるエンディングが再生されます。好きなタイミングで物語に幕を引ける『クロノトリガー』を思わせるマルチエンディング。最序盤の段階で引退すると……。
都会に背を向けて田舎に帰る力士のイラストが! この時に表示される謎のポエム……いや、「どすこいポエム」が凄い!
どすこい どすこい
涙にかすむ おぼろ付き
夢は破れて 戻り道
田舎に帰る 夜道の上に
キラリ光った 流れ星
つらい心に 吹き込む風は
夢の土俵を 吹き飛ばす
勝負にわいた あの歓声も
今のおいらにゃ 聞こえない
あー どすこい どすこい
これが流れたあとに、タイトル画面まで戻されます。なんだか分からないパワーを感じる……。すもうパワーにはまいったな!
こんなポエムをバックに田舎に帰るわけにはいかん! とにかく勝ちまくるぞ! 本場所で優勝したり頑張って技能賞を貰ったりして、40勝を超えたところで十両に昇進。
初期に比べると大分ステータスも上がってきました。更に頑張ってどんどん昇進。54勝したところでついに前頭へ。
大関相手でも戦えるようになってきた。
ハワイ出身の大関である牙王丸とか、福井県出身の大関である三國波とか、名前だけでイカす。
98勝42敗したところで関脇まで来ましたが……。ここからが地獄! ステータス差のせいか格上相手になかなか勝てないし、勝ち越しても出世しない!
こちらのステータスもかなり高くなっているはずなんですが、強敵相手では組んだ状態からなかなか相手を投げられずジリジリと敗北を期すことに。ジオ、動け! ジオ、なぜ動かん!? 隠しステータスがいくつかあるようなのでそれが関係しているのかも。
毎試合常に連打をしているようなものなので、100試合以上は腕と体力にかなりの負担があります。ぶっ通しでプレイしていたので、この辺からかなりしんどくなってきました。ひたすら機械のように敵を倒す。俺はマシーンだ……SUMOUマシーンになるんだ!
200戦以上してステータスはほぼMAX。ここまで来ると取り組みが始まった瞬間のぶちまかしが決まると、それだけで相手の足腰ゲージを7割削り取ることができ、そのあと1回でも投げを成功させれば勝ちになります。
もはや手足のついたダンプカーのようなスペック。でもその1回の投げがなかなか決まらない。油乃海なんてヌルヌルした名前にしたせいか……!?
指と疲れはかなり限界に来ていますし、正直言って同じような場面が延々と続くのも精神に来るぜ! 取り組みをする場所もずっと一緒。
対戦モードだと色んな土俵があって面白いんですけどね。これはロシアの赤の広場に設置された土俵。
こちらはハワイの砂浜に設置された土俵です。いや……ちょっと待て! どういうことなんだそれは! 変化があれば良いというものではないぞ!?
それでも闘い続け、夏と冬のトーナメントも制覇した168勝70敗の秋……ついに大関昇格! 試合の繰り返しで隠しステータスが上昇しているのか、勝率の方もここに来て更にアップ。
本場所で安定して優勝できるようにまでなりました。ぶちまかしや突きが刺さるだけで相手の肉が解ける怪物に成長。
優勝回数が増えてきたところでついに横綱昇進! 横綱、油乃海が誕生したところでチャレンジ達成です! 特にスタッフロールや特別なイベントも無いのでこのまま終わりにしようと思ったのですが、出世した後は一度次の本場所を終了させないとセーブなどは出来ない仕様。よーし、最後の横綱として迎える最後の本場所、一気に突き抜けるぜ!
しかし、横綱が優勝することはなかった。
山王工業との死闘に全てを出し尽くした油乃海は、続く3回戦、愛和学院にウソのようにボロ負けした――。
……と、いうような事もなく、無難に全勝して今回も優勝しました。もうステータスMAXだし! マックスモードで勝ってやりましたよ。
物語の終わりは自分の手で幕を幕を引くもの。ここで引退を選択すると特別な戦歴画面が表示。
230勝73敗。ここに来るまで本当に長かった……! リアルにぶっ通しで9時間くらい掛かりましたね。
そして迎える感動の引退エンディング!
って、アロハ着て撮影してるイラスト……? 困惑する俺の目に飛び込んできたどすこいポエムがこちら。
どすこい どすこい
土俵に咲いた 男花
意気と努力が 実を結び
ニッコリ笑う あで姿
まげを落として 伸ばした髪で
苦労かくして スタジオ通い
今日は東へ 明日は西へ
カメラの前では 張り手はきかぬ
人気稼業も 楽じゃない
あー どすこい どすこい
横綱引退してタレントになってるーー!? これあの人じゃん。元ネタめっちゃ分かりやすいあの人じゃん! この後に大晦日でK-1に出て負けるオチじゃんこれ!!
実写版デビルマンで「デーモン万歳!」って叫んで死ぬ変な役をやるオチじゃん! って、それは小錦だったわ。
連打で疲れた腕を休ませながら見るこのエンディングはなんとも言えないものがありましたよ。確かにこれは相撲をリアルに再現していると言えるッ!