ゲームブロガーのラー油が、独断と偏見でイカしたダウンロードゲームを紹介するDLゲーム受信基地! 超久しぶりの更新となってしまいました……。お待たせしましたが、今回より再スタートです。
いやあ、しばらく間隔が空いてる間に色々ありましたね。これまでにない、新しい世界への挑戦があちこちで行われていました。
そういうわけなので、久々のコラムで取り上げるのはいろいろな意味で「世界を変える」ゲームを2本紹介しましょう!
ほら、俺もバーチャルゲームブロガーという新しい世界へ飛び込んだわけですし(宣伝)。
1本目は『アガルタS』!
メビウスから990円で配信されているNintendo Switchタイトルです。同人サークルである神奈川電子技術研究所の作品を移植したもので、どこか懐かしいドットの2Dアクションゲーム。探検者となって幻の理想郷「アガルタ」を探し求めるストーリー。
ここ数年はインディーゲームなどでこういうノリのアクションは爆増傾向であり、「またレトロ風ゲームか!」と思った方もいるでしょうが、この『アガルタS』は一味違うぜ!
さまざまな武器を使って、物理法則が働いた地形に干渉できるシステムが本作最大の特徴。武器で壁を撃てばそこに穴が開くし、山を破壊すれば土砂崩れが起きる。洞窟内で天井を撃てば崩れて生き埋めになるし、炎属性の武器で水を撃てば蒸発するし、氷属性の武器で水を撃てば凍る。このリアルなルールをうまく頭に入れて敵を倒しながら進み、ゴールまでたどり着けばステージクリアという仕組み。
画面右上に表示されたレーダーに敵やゴールの位置が表示されているので、うまく地形を先読みして立ち回るのがクリアの鍵となる。武器は4種類存在するものの、弾の補充は出来ないため、大きく地形を削れるような武器は使いどころを考える必要アリ。
地形を削っていくサンドボックスアクションと、昔ながらのステージクリア型のアクションを融合させた構成で、手持ちの武器と地形を踏まえた立ち回りを考えるパズル的なおもしろさが満載!
それでいて適度に緩いところも魅力で、敵を土や水に埋めるような頭脳プレイをしてもよし、バズーカのような武器でゴールまでゴリ押しても良よし。面倒なら地形も敵も全部まとめてぶっ飛ばしたらええんや!
1ステージが短く手軽にやり直せるので、「これやったら死ぬかな?」という動きを気軽に試せるのも気に入っているところ。用意されたステージで、限られたアクションを最大限に駆使して暴れ回る! 見た目以上に自由度が高く、「遊ぶ楽しさ」にあふれたゲームになっています。
使用可能なキャラが8人もいて、初期キャラであるガンナーは、マシンガンやレーザーを使いこなすオーソドックスな性能。しかし他のキャラは大火力の魔法を使いこなすウィザードに、ワイヤーアクションでケタ違いの機動性を見せる忍者に、地形自体を操作できるうえにワープまで可能なエスパーと、どいつも個性の塊だ。キャラを変えると完全に別ゲーになるのがたまらない調整!
隠しゴールを見つけることでルート分岐も発生。エンディングを見るだけなら最終ステージを見つけるだけでOKで、全56ステージのコンプを目指すとかなりのボリュームとなる。
魅力的なキャラたちのアンロック条件が厳しめなのが惜しいものの、自分を取り巻く世界に干渉し、新しい世界への扉を目指して突き進む良作アクション。興味を抱いたキミは、今すぐアガルタを目指そう!
続いては『Desert Child~砂漠の子~』。
Akupara Gamesより1280円で配信されているタイトルで、機種はPS4/Nintendo Switch/XboxOne/Steam。重火器を搭載したホバーバイクで1対1のバトルを繰り広げるレースアクションゲームです。
人類が荒れた地球を見捨て、新天地である火星へどんどん移住しているという世界観。ゲームは地平線が見える地球のド田舎からスタートするので、まずはレースで賞金を稼いで火星行きのチケットを買うのが目標となる。チケットを買うまでがチュートリアルで、火星での生活が始まってからが本番かな。
火星に付いてからは草レースやバイトでコツコツとお金を貯めて愛車を強化し、宇宙最大の「Grand Prix」レースへの出場権を(金で)手に入れ、そこで優勝するのがゲームの最終目標! 宇宙一を目指せ、貧乏田舎レーサー!!
レースは1対1の横スクロールで行われる形式。移動、射撃、ブーストを使い分けてのデッドヒート。時折出現するテレビを射撃で破壊することで、スピードアップやお金の入手、残弾の回復などが行えます。
主人公のお腹が減っているとブーストゲージが回復し辛くなり、機体ダメージが溜まっていると速度が上がらなくなる。試合前にはしっかり腹ごしらえと機体のメンテが必要になる仕様。食費、愛車の改造費、宇宙最大レースへ向けての貯金と、ひたすら稼がなくちゃいけないのが貧乏レーサーの辛いところだね。
レース部分は単調で、カスタマイズ要素も射撃か速度に全振りしてのゴリ押しがかなり有効。ハッキリ言ってゲームとしてはかなり大味です。
しかし、センスにあふれすぎた火星の街のビジュアル表現と、生々しい生活感を盛り込んだゲームサイクルは絶品!
レース参加の手続きや日々のバイトのために歩くことになる火星の街は、雰囲気たっぷりの2Dで描き込まれており、釣りをしているおっさんや、やる気のなさそうなショップの店員、
壁に描かれたラクガキや路地の薄汚さなど、色んな意味で街が生きているのが感じられるこだわり。
エリアが切り替わる度に真上からの視点に俯瞰視点、斜め視点に歩いている足のドアップなど。カメラワークが大胆に変化するのも見所となっている。とにかく雰囲気作りがうまく、いつまでも歩いていたい気持ちにさせてくれるのがすごい。
そんな火星の街をダラダラ歩きながらピザ配達やハッキングのバイトをしたり、ラーメン屋で腹ごしらえをしたり、レコードを買いあさったり、怪しげな豆や魚を食べたり新聞を読んだり……。
このラーメンを食べる描写がまたすごい! なんか変なキノコ入ってるし!!
そんなしょぼくれつつも楽しい生活を繰り返し、いつかはビッグになるんだと夢の大会を目指して頑張っていく感覚が妙にリアルだ。
ゲームとして大味と言ってもバイトのコツを掴んで効率よく稼いだり、街をひたすら歩き回って回復方法を見つけるといった楽しみなどはちゃんとあるので、繰り返し遊び続けてしまう魅力がありますね。
そしてゲームの最後に訪れる「Grand Prix」という華々しい大舞台。勝つたびに飛び込んでくる大金、栄誉、大歓声。うれしい反面、どこか寂しくも感じてしまうのはただの錯覚なのか。
ほとんど何もない地球、雑多な魅力にまみれている火星、栄光の宇宙最大レースと、プレイヤーを取り巻く世界が3段階に変化していく構成は忘れられない1本。雰囲気に惹かれた人はぜひともプレイしてもらいたい!
というわけで今回は以上!
次回はvol.14でひっそり予告していた「あるゲームメーカーに絞った特集」を今度こそやる予定! お楽しみに。