【True Love Story Summer Days, and yet...】幼なじみの変化に気付かなければ顧客を大切にすることはできない!【ギャルゲーBAR☆カワチ_第14回】
都会の喧騒から少し離れたところにひっそりと佇む"ギャルゲーBAR☆カワチ"。ここは、日々繰り広げられるコンクリートジャングルでの生存戦争に負けそうになっているメンズたちのピュアハートを、ゲーム好きのマスターが「ギャルゲートーク」で癒してくれるという、シシララTVオススメのゲームBARなのだ……。
そんな体裁でお送りするギャルゲーコラム。気になる第14回目のお客様の悩みと、その痛みを癒してくれるゲームとは?

第11回目のコラムはコチラ→『かたわ少女』
第12回目のコラムはコチラ→『あやかしびと』
第13回目のコラムはコチラ→『インタールード』

■『トゥルーラブストーリー』と『キミキス』『アマガミ』の架け橋ともいえる傑作

(カランカラン……)

──こんちは~。いやぁ、暑いね~!

カワチ:おう。そうだな。もう夏って感じだ。ここまで暑い日が続くとの“終わらない夏”を思い出すぜ。

──はあ? とりあえずビールちょうだい。

カワチ:はいよ。どうだ、最近は。営業の仕事は順調かい?

──う~ん、新規の顧客は増えたんだけど、ライバルにお得意様を取られちゃって。

カワチ:そうなのか?

──あぁ、新規の開拓に忙しくてしばらく連絡していなかったんだ。油断しちゃったよ。

カワチ:ふぅ。やれやれ。(コトッ……)
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──んー? なんだ、これ?

カワチ:『True Love Story Summer Days, and yet...』(以下、TLSS)、人気の恋愛アドベンチャーゲーム『トゥルーラブストーリー』シリーズ最後の作品さ。

──とぅるーらぶすとーりー? 突然そう言われてもなぁ。

カワチ:なんだ知らんのか。昔は『ときめきメモリアル』シリーズと双璧を成す人気シリーズだったんだぞ。最近だとテレビドラマの『ノーコン・キッド』にも出てきたんだけどな。

──うん、まったく知らない。そもそもこの作品がシリーズ最後ってことは、ぶっちゃけ人気がなかったってことじゃないの?

カワチ:バカ野郎! たしかに『トゥルーラブストーリー』シリーズ自体はこの作品でラストだ。しかし、主要スタッフは『キミキス』や『アマガミ』といった、シリーズの血筋を受け継いだ作品を作っている。映画で言う“スター・システム”も取り入れられていて、『TLSS』に登場したキャラクターが『キミキス』や『アマガミ』にも登場しているんだよ。傑作に決まってるだろ!!

──お、おう……ごめん、そうなんだ。

カワチ:まず伝えておきたい特徴としては、キャラクターデザインの変更が挙げられる。じつは、これまでのシリーズ作品でキャラクターデザインを担当していた松田浩二さんが、家業を継ぐために引退したこともあって、『TLSS』では高山箕犀さんがキャラデザを担当しているんだ。ちなみに、高山さんは『キミキス』や『アマガミ』でもキャラデザインを担当している。『キミキス』や『アマガミ』に受け継がれていくゲームシステムもあるし、『TLSS』は『トゥルーラブストーリー』シリーズと『キミキス』『アマガミ』を繋ぐ架け橋となったゲームといえるな。

──へぇ……ちょっと興味がわいてきたよ。いったいどんなゲームなんだい?

カワチ:高校生の主人公が女の子と交流を重ねて仲良くなり、最終的に結ばれるまでのストーリーが描かれていく。まぁ、シチュエーションはギャルゲーではよくあるものだし、それほど劇的なイベントが起きるわけではないんだけど。そこが逆にリアルな高校生活って感じを出していて、妙にドキドキさせてくれるんだよね。
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──ゲームでドキドキねぇ(笑)。

カワチ:おい、なに笑ってんだよ! 本当にドキドキするんだって。とくにシリーズの最大のウリである「下校会話システム」は最高に緊張するぞ!

──緊張!? なんだよその甘酸っぱいイベントは……。

カワチ:その名のとおり、仲良くなった女の子といっしょに下校するイベントだよ。顔が近くてめっちゃヤバいんだよ。俺はこれをVRでプレイするのが夢なんだ……。
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──うお! たしかに距離感近い。これはドキドキするな……。

カワチ:ドキドキするのは女の子も同様で、そこがまたいいんだけどさ。最高に会話を盛り上げるとデートに誘うことができるものの、ドキドキさせすぎると女の子が帰ってしまうというじつに歯がゆい調整になっていて、これがまた難しくも楽しいわけさ。

──なるほど。これは秀逸なシステムだね。
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カワチ:ちなみに、女の子はエッチな話をすると大抵帰ってしまうんだけど、俺はそれに興奮してわざとやっていた。
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──あんた最低だよ! 高校生くらいの青臭い若者ならさておき、おっさんがそれで興奮するとなんてさぁ……まぁ、わかるけども!!

カワチ:同志!? まさか俺の性癖を理解してくれるとはな(笑)。じゃあ、ここからはヒロインたちを紹介していこうか。ちなみにヒロインたちとの出会い方によって、2種類のシナリオが用意されているよ。

──2種類のシナリオ? そりゃ斬新だね。

カワチ:まずはパッケージヒロインの楠瀬緋菜(くすのせ ひな)。テニス部に所属していて運動神経がいいんだけど、なにもないところで転んだりするドジッ娘属性も持ち合わせている。ちなみに『幼なじみ編』のシナリオだと、主人公の幼なじみであったことがあとから判明するよ。もうひとつの『告白編』では、出会った直後にいきなり彼女から告白される(笑)。
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──えぇ!? ギャルゲーでそれってアリなのか!?

カワチ:そこからの展開はぜひゲームで確認してみてくれ。次は向井弥子(むかい やこ)。水泳部に所属する女の子だ。主人公とは4年ぶりに再会した女の子なんだが、かつてに比べて女の子らしくなっている。見ろ、このおでこがチャームポイントだぞ。
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──おでこ娘! うお~、からかわれたい……って、ん? また幼なじみ!?

カワチ:幼なじみが2人いるギャルゲーも珍しいよな(笑)。次は篠坂唯子(しのさか ゆいこ)。メガネッ娘だ。いつも空想をしていたり血を見るのが好きだったり……ちょっと変わった女の子だ。
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──不思議ちゃんってやつかな?

カワチ:彼女は男性がニガテなのだが、なぜかというと……。まぁそこはゲームをやってのお楽しみか。次は神谷菜由(かみや なゆ)。コンピュータ部の部長をしているワガママ娘だ。ちなみに彼女のシナリオには、主人公の姉である“るり”の出番も多い。
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──いや~、ワガママな女の子もいいよね。

カワチ:横暴なところもあるけど、裏表がないから俺は好きだな。ちなみに『アマガミ』には彼女とよく似た容姿で声優も同じ伊藤香苗が登場する。こっちはワガママ系じゃないんだけどね。

──あぁ、それがさっき言ってたスター・システムか。

カワチ:そうそう。続いて有森瞳美(ありもり ひとみ)。ひとつ上の先輩で学園のマドンナってヤツだ。ゲームをプレイするとわかると、じつはお笑いやハードロックが好きとか意外な一面を秘めていておもしろいぞ。
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──この外見でハードロックが好きなんだ。なんだろう、ギャップがステキだね。

カワチ:お前はなんでもアリなのかよ。ちなみに、ゲームを2回クリアすると隠しヒロインが登場する。もともとモブとして背景に映っていた女の子が、じつはヒロインっていうステキな隠し玉だよ。
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──この弥子ちゃんの後ろで笑っている女の子かな? いいねぇ。なんて名前なの?

カワチ:名前は……ない、かな?

──え? そんなわけなくね!?

カワチ:いや、新規にプレイするたびに、苗字が鈴木、佐藤、田中、名前が昭子、宏子、恵子のなかからランダムに選ばれるんだよ。
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──名前がランダム!?

カワチ:すごいだろ? ほかの女の子は風が吹いてスカートがめくれるイベントがあるのに、彼女の場合は「漫画やゲームじゃないんだから」とまったくめくられなかったりだとか、いろいろと常識を覆してくれる女の子なのさ(笑)。

──いいね、じつにいいね(笑)。

カワチ:フラフラと節操のないヤツめ……。ちなみに彼女も『アマガミ』に似た容姿のキャラクターが登場する。つまりは人気があるってことなんだろうな。さて、ヒロインは以上となる。

──なるほど。ん~誰から攻略しようか迷うな。

カワチ:いや、お前が攻略するのは向井弥子……やっこと決まっている。

──えぇー!? そうなの!?

■幼なじみが女の子らしくなった理由、それは……

カワチ:やっこはいいぞ。最初はそっけないんだけど、どんどんデレていく、その過程がじつにイイ!!
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──ツンデレってヤツ!? アリだねぇ。

カワチ:だろ? あとは水泳部だから水着シーンがいっぱい見られるのも、男子的にはうれしいポイントだ。
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──おいおい。そんな露骨な……。

カワチ:バカヤロー、ここでカッコつけてどうするよ!! 重要でしょうが水着は! まぁ巨乳の緋菜とか年上の有森さんとかの水着もいいんだけどさ……やっぱりやっこでしょ。男の子っぽかったかつての幼なじみがさ、久しぶりに再会したらめっちゃ女性らしい体つきになっていたりしたら、そりゃもうたまらんだろ……いやさ、感動するでしょ?

──肉感的だもんなぁ……って、生生しい表現をするんじゃないよ! そもそもやっこはなんで女の子らしくなったんだ? やっぱりお年ごろだからか?

カワチ:それ、聞いちゃう?(ニヤニヤ)

──なんだよ、教えてくれないのかよ。

カワチ:まぁ、なんとなく察しがつく鋭い人もいると思うけど。彼女はとある理由で女の子らしくなったわけだよ。でもな、そのおかげで同じ水泳部の男に告白されるんだ。なんてたって可愛いからな。
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──ひゅう、青春だねぇ。アツがナツいぜっ!! って、主人公はそれでいいの!?

カワチ:うーん、じつはその告白シーンを主人公は覗いていて、しかもその事実がやっこにバレて、怒られちゃうんだよな……。

──マジかー。そりゃめっちゃ気になるところだろうけど、まぁ、覗きはよくないわな。

カワチ:いつもは「コラッ!」って怒られるだけだけどね。さすがに告白を覗いていたのはいけなかったようだ。鉄拳制裁を喰らってしまうわけよ。
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──おいおい、いつも覗いてるの!? さすがにヤバくないかなそれは(苦笑)。

カワチ:んー、それは俺が行動選択でプールを選びまくっているからなんだけど……。いやいや、別に他意はないよ。やっこと仲良くなりたいからプールを選んでいるだけさ。髪を下ろした姿も好きだし。けっして水着目当てとかそんなわけねえぞ! トゥルーラブなんだぞ!!
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──マスター、あんた生粋だね……。

カワチ:そりゃまぁJKのスク水は好きだけどね! おまけの鑑賞モードでもついつい見ちゃうんだけどね!! 背景がランダムだから「おいおい、キミはこんなところでスク水を着ているのかい?」って妄想しちゃったりしてねっ!!(ニタニタ)
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──もうスク水の話はわかったよ! それで告白されたやっこはどうなるんだ! 続きを聞かせてくれ!!

カワチ:あぁ、やっこは告白を断るよ。結構、格好いい男だったらしいけどね。
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──そうなの? なんでまた断ったりしたのかね?

カワチ:断った理由……それは物語の最後に判明するんだけど。男勝りだった彼女が女の子らしくなった理由……それは主人公が原因なんだ。
──え?

カワチ:彼女は、昔主人公が口にした「女らしくなったら彼女にしてやる」って言葉を信じていたんだ。つまり、やっこは主人公のことがずっと好きで、彼に振り向いて欲しかった、と。
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──な、なんだそれ~! 健気すぎるだろぉ~!!!!!!!

カワチ:カワイイだろ? カワイイよな!? 胸キュンものだろ!!

──それにしても主人公のヤツは鈍感すぎる! 幼なじみの気持ちにまったく気づかないなんてゆるせねえ!!

カワチ:そうなんだよなぁ~。かつてはとても身近な存在だったはずなのにな。

──俺ならもっとこう……うまくやるけどね。

カワチ:そうか? 俺には主人公がまるで……新規開拓を気にかけるあまり、既存顧客のことをないがしろにした誰かに重なるんだけどなぁ。

──!!

カワチ:正直、お前のなかにも甘えがあったんじゃないか? 仲のいい顧客なら放っておいても大丈夫じゃないかと……。そうして、ついほったらかしてしまっていた側面、なかったとはいえないんだろ?

──うぅっ。

カワチ:誰もがみんな、やっこみたいに自分を待っていてくれるとは限らないんだよなぁ……。広い付き合い方もそりゃ大事だろうけど、つないだ絆をしっかりと守り続ける努力も怠っちゃいかんと思うがね。

──マスター……そのとおりだよな。これからは新規開拓だけじゃなく、既存顧客のフォローも大事にしないと。

カワチ:わかってくれたならいいよ。もちろん、この店も贔屓にしてくれな?(笑)

──ちゃっかりしてるぜ(笑)。でも、また話を聞かせにもらいにくるよ。じゃあな、マスター! いい話をありがとう。
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テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) 1981年生まれ。ライター。ビジュアルノベルに目がないと公言するが、本当は肌色が多けれななんでもいい系のビンビン♂ライター。女性声優とセクシー女優が大好き。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi

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