【つよきす ~Mighty Heart~】ツンデレ娘を支える方法がわかれば夫婦の絆もよみがえる!【ギャルゲーBAR☆カワチ_第15回】
都会の喧騒から少し離れたところにひっそりと佇む"ギャルゲーBAR☆カワチ"。ここは、日々繰り広げられるコンクリートジャングルでの生存戦争に負けそうになっているメンズたちのピュアハートを、ゲーム好きのマスターが「ギャルゲートーク」で癒してくれるという、シシララTVオススメのゲームBARなのだ……。
そんな体裁でお送りするギャルゲーコラム。気になる第15回目のお客様の悩みと、その痛みを癒してくれるゲームとは?

第12回目のコラムはコチラ→『あやかしびと』
第13回目のコラムはコチラ→『インタールード』
第14回目のコラムはコチラ→『True Love Story Summer Days, and yet...』

■ヒロイン全員がツンデレ! 奇才クリエイター・タカヒロ氏が放つ驚きのラブコメ作品!!

──マスター、酒をくれ! 酒を!!

カワチ:うわ! 来店早々めちゃくちゃ酔っ払っているじゃないか……。なんかイヤなことでもあったのか?

──そんなことないよ! 大学で研究の仕事をしている妻が修士から博士になってな。これは祝い酒だよ!

カワチ:お祝いごとなら、奥さんと一緒じゃないと意味がないだろう……。

──じつは嫁が昇給して収入に差が出来ちゃって。気まずいからあまり家に帰りたくないんだよね……。

カワチ:なんだよ、女々しいヤツだな。

──自分がなんのために仕事しているのかわからなくなっちゃってさ。本当は妻を引っ張っていこうと思っていたんだけどなぁ……。

カワチ:ふぅ。やれやれ。(コトッ)
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──これは……『つよきす ~Mighty heart~』?

カワチ:ああ。もともとは2005年にアダルトソフトとして発売された作品で、2006年にPS2に移植された作品さ。2013年までシリーズが続くほどの人気作で、TVアニメにもなっている。

──へぇ。どんな作品なんだい?

カワチ:ヒロインが全員ツンデレ。

──はぁ? いや……聞いたことがあるぞ。ツンデレという言葉。確か、最初はツンツンしているが、仲良くなるとデレデレしてくる女の子のことだよな!?

カワチ:正解! まぁ、最近は表現が不器用だったり、天の邪鬼だったりする女の子のこともツンデレって言うようになってるし、だいぶ広義になってきているけどね。
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──しかし、全員が同じタイプの女の子ってなんかすごいな。ゲームなんだから普通は気弱な後輩とか、優しい先輩とかバラエティ豊かにするだろ。よく企画が通ったもんだ。

カワチ:そこは企画・シナリオを手掛けるタカヒロさんの手腕だな。ちょうど“ツンデレ”という言葉が流行りはじめたころだったし、当時すごく話題になったものだよ。

──時流に乗ったというわけか。

カワチ:ああ。だが『つよきす』が人気なのはそれだけじゃない。アドベンチャーゲーム初心者でも楽しめる軽快な会話の応酬や、“モラトリアムの終わり”を描く青春ストーリーなど、見どころはたくさんあるんだ。
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──へぇ……。ギャルゲーBARのマスターがそこまで言うからには、きっと面白いんだろうな。

カワチ:べ、別にアンタに興味を持って欲しくて話しているんじゃないんだからね!

──ごめんマスター。気持ち悪いから本気でやめて!?

カワチ:……俺もやってて恥ずかしかった。それはいいとして、タイトルが『つよきす』というだけあり、キスシーンがやたら多いのも特徴だ。もともとエロゲーとして登場しただけあって、キスの吐息とかがもうね……めちゃエロいから注目してみてくれ!
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──わかったわかった。マスター、鼻息が荒いって(笑)。でも、俺もめちゃ気になってきたよ。

カワチ:そうだろ? じゃあ、気を取り直してストーリーを紹介しよう。

──ああ。よろしく頼むぜ。

カワチ:物語は主人公の対馬(つしま)レオが、幼なじみの仲間たちと平凡な日常を過ごしているところからはじまる。

──平凡な日常……まぁありがちだな(笑)。
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カワチ:両親が海外出張中でひとり暮らしをしているところなんかは平凡ではないわけだが……ここらへんはギャルゲーの様式美だからな(笑)。で、そんな彼が従姉の鉄 乙女(くろがね おとめ)と再会することによって、物語は動き出すことになる。レオの親から「レオの性根を鍛え直してくれ」と依頼された乙女は、レオと同居することになるんだよ。また、彼女の誘いによってレオは彼女の所属する生徒会執行部に入部。美人だけど強気な女の子たちに囲まれた、新たな生活が始まるわけさ。
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──いきなり美女と同居とかリア充かよ……でも夢があっていい話。ますます先が気になってきたぜ。

カワチ:乙女さんは規律に厳しい人だから、いいことばかりじゃないけどな。でも、ちゃんとラッキースケベもあるからやっぱり夢はある(笑)。
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──いいねぇ、ちょっとプレイするのが楽しみになってきたよ!

カワチ:そうだろそうだろ。じゃあ、せっかくだからヒロインを1人ずつ紹介していこう。まずはさっきも話した鉄乙女。生徒会副会長兼風紀委員長を勤めている女性だ。面倒見がいいけど頑固で融通の利かないところがある。

──名前に反して、ぜんぜん乙女っぽくないな(笑)。
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カワチ:でも、彼女自身は自分のことをちゃんと乙女だと思っているんだよ。そこが可愛いんだ。
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──マスター、また顔がキモくなってるぞ!

カワチ:ああ、すまん、次のヒロインは紹介しよう。蟹沢(かにさわ)きぬ。レオの幼なじみで、通称・カニだ。

──カニ!?
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カワチ:うむ。主人公の悪友ポジションで、コメディリリーフ要員だな。彼女のセリフには何度も笑わせてもらったよ。ルートが確定する物語の後半になると、ほかのヒロインに焼きもちをやいたりとか、かわいいところも見せてくれる。
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──幼なじみだから主人公を取られたくないわけか。かわいい、かわいいぞ。

カワチ:だろ? 続いてのヒロインは霧夜(きりや)エリカ。日本人とアメリカ人のハーフで、学園の生徒会長を務めている。容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群な美女さ。
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──絵に描いたようなパーフェクト人間だな。バラが似合い過ぎだろ。

カワチ:本当は努力家なんだけどな……。そんな彼女を妬む人間もいるし、敵も多いよ。もちろん彼女もツンデレではあるんだけど、どちらかというと確固たる生き様とか格好良さに注目してほしいね。
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──ふむふむ。

カワチ:続いて椰子(やし)なごみ。後輩なんだけど「ウザイ」「キモイ」「潰すぞ」などかなりキツめに接してくる。
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──こわっ!

カワチ:ただ、デレるとめちゃくちゃ甘えてくるんだ。まさにツンデレを体現したようなキャラクターだな。ユーザーからの人気もナンバーワンだ。
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──『つよきす』を購入する人間は、やっぱりみんなツンデレを求めていたってことね。

カワチ:あとは、残念ながらコンシューマー版でシナリオがガッツリ削られちゃったヨッピーこと佐藤良美(さとう よしみ)とか、追加ヒロインの近衛 素奈緒(このえ すなお)がいるな。ヨッピーはツンデレというよりヤンデレで結構シナリオがすごいことになるので、18歳以上の人はぜひPCのオリジナル版をプレイしてみて欲しい。
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──なるほどね。

カワチ:あと、本作で忘れちゃいけないのが男キャラクターの鮫氷新一(さめすが しんいち)と伊達(だて)スバルだ。フカヒレこと新一は間寺司さん、スバルは柵間拓哉さんという方がCVを担当しているのだが、声を聞けば国民的声優であることがすぐにわかるよ。声優パロディネタも多いしね。
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──え? どういうこと? 名義が違うってことなのか!?

カワチ:それは大人の理由で言えないな。自分の耳で確かめてみてくれ。代わりといってはなんだが、お前にオススメのヒロインを紹介してやろう。

──いったいだれだ?

カワチ:それは……なごみだ!
■これぞツンデレ! 甘えてくるなごみに萌えまくれ!

──なごみちゃん……。さっきいちばんのツンデレだって言っていた後輩ちゃんね。

カワチ:なごみは駅前でチンピラに絡まれていたところをレオに助けられ、借りを返すために生徒会執行部に入ることになるんだ。

──おお? レオってけっこう男らしくて格好いいじゃないか。
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カワチ:まぁ、実際に戦ってくれたのはスバルなんだけどね……。それはそれとして、最初のころのなごみは本当に一匹狼のヤンキーって感じで怖いんだよ。でも、レオは自分が生徒会に引き込んだこともあって、頻繁に声をかけたりと気を配るんだ。
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──面倒見がいいな。俺なら自分から誘った仕事とかでも、基本は放置しちゃうかもしれない。

カワチ:そんなこんなで、レオはなごみと少しずつ距離を縮めていく。そしてある日、カニに弁当を食べられてしまったレオは、なごみの弁当を分けて貰うことになってな。予想外の美味しさに驚いたレオが料理を誉めたことで、なごみは「料理の腕を磨くために率直な批評をしてくれるなら」という条件で、レオに弁当を作ってきてくれるようになるんだよ。
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──おお、これぞツンデレってやつか?

カワチ:いやいや、まだ序の口だぞ(笑)。じつは、なごみは亡くなった父親から料理を教えてもらっていた過去があってね。彼女は母親のために実家の花屋を手伝いながらも、料理人への夢を捨てきれないでいたんだよ。

──なるほどな。お弁当の件の裏には、そういった理由があったわけか。

カワチ:そんなこともありながら、レオとなごみの距離はさらに縮んでいく。彼女はレオの言動に父親の面影を見て、好意を抱くようになるんだ。
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──おぉ!

カワチ:そして夏休みのある日、母親の再婚話がもとで、なごみは家を飛び出してしまう。

──なにその急展開! 母親の再婚を受け入れられなかったわけか……。

カワチ:だが、それによってなごみは、心労で倒れながらも自分を気づかう母親の想いと、再婚相手が仕事を放り出して自分を捜していたという事実を知り、自分がいかに子どもであることを思い知らされるんだ。自分の居場所をなくしたように感じたなごみは、ふらふらと夜の街をさまよっていたんだが、そこに主人公が現れるのさ。
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──おうおう、それで!?

カワチ:そこで主人公は「なごみのことが好きだ、俺のところに居場所はある」と告白して、彼女を家に招き入れるんだ。

──ちょっとした同棲ってヤツじゃないか!
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カワチ:ちょうど乙女さんが帰省していたから、そのタイミングでなごみが家にやってくることになる。ここからのなごみはすごいぞ。まさに完全なデレ状態。ご飯を「あ~ん」と食べさせてくれたり、耳かきをしてくれたりと、主人公にめちゃくちゃ尽くしてくれるんだ! あの会うたびに「殺すぞ」とか言っていたなごみが、頭をなでられて「えへへ」と笑うんだよ。わかるか? このかわいさが! 
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──マスター、顔が近ぇっ! 興奮しすぎだろ!!

カワチ:でな。レオとつき合い始めたことで精神的に落ち着いたなごみは、母親の再婚を認めるんだ。そのうえでなごみは料理人を目指すと宣言し、再婚相手が仕事を辞めて花屋を継ぐことになる。つまり、すべてが丸く収まるわけさ。
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──ツンデレとはいえ、なごみは芯の強い女なんだな。ところで……主人公はどうなるんだ?

カワチ:彼はなごみを支えるために経営を学ぼうと志す。

──え?
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カワチ:端的にいえば、なごみの夢を2人の夢に変えたってことだよ。いいパートナー関係だと思わないか?

──たしかに……。

カワチ:そう思えるのなら話は早い。お前さんも主人公を見習ってみたらどうだ? 2人の収入の差なんかでいじけてないので、支え合って生きていく方法を考えてみるといい。だって、夫婦なんだろう?

──そ、そうだよな、マスターの言うとおりだよ。俺、なんだか目が覚めた気がする……。

カワチ:妻より収入が少ないことが男として恥ずかしいのなら、お前さんなりに頑張るしかないしな。あまりないがしろにせず、ちゃんと話し合ってみることだ。そうすれば、もしかするとなごみみたいに、デレデレになって耳かきしてくれるかもしれないぞ?

──俺、家に帰って妻と相談してみるよ。マスター、今日はありがとう。

カワチ:ベ、別にあんたのためにアドバイスしたわけじゃないんだからね!

──それはもういいって(笑)。じゃあな、マスター!
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テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) 1981年生まれ。ライター。ビジュアルノベルに目がないと公言するが、本当は肌色が多けれななんでもいい系のビンビン♂ライター。女性声優とセクシー女優が大好き。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi

第1回目のコラムはコチラ→『センチメンタルグラフィティ』
第2回目のコラムはコチラ→『ダブルキャスト』
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