カワチ:まぁそういうなよ。こいつはブシロードが2010年10月にPSP用のソフトとして発売したゲームだ。ただ、まずは「Project MILKY HOLMES(プロジェクト ミルキィホームズ)」全体の説明をさせてくれ。聞いて絶対に損はしないはずだから。
──別に得とか損とかを気にしてるわけじゃないけど。今の俺をダマしてどうなるってもんでもないしさ……。よし、わかったよマスター、聞かせてくれ。
カワチ:そうこなくっちゃな。簡単に説明すると、もともとブロッコリーという会社で『ギャラクシーエンジェル』などを手掛けていた社長の木谷高明さんが、新たにブシロードという会社を創業し、そのときに初めて作ったオリジナルコンテンツが「Project MILKY HOLMES」だ。
──あれ? ブシロードって会社、俺も聞いたことがあるぞ。
カワチ:『カードファイト!! ヴァンガード』などのキャラクターTCGを企画・制作・販売しているほか、プロレスや格闘技のスポンサーもしている一流企業だからね。ゲーマーならずとも知っている人間は多いはずだ。でもって「Project MILKY HOLMES」の話に戻ると、最初はブシロードのトーク&ライブイベントの「サタデーナイトライブ金曜だけど2」でサプライズ発表されたタイトルなんだ。2009年10月16日のことさ。
──へぇ、そうなのか。もう8年も前の話ってことだな。
カワチ:ああ。ただそのときの認知度なんてしれたものだったよ。その2か月後に冠番組のラジオ番組「ミルキィホームズ 探偵学院放送室」が始まって、少しずつファンが増えていった感じだ。お互いの第一印象を「オタク特有の目線で怖かった」と振り返ったりと、ぶっちゃけトークもあっておもしろかった。
──そういう距離感が好きなゲーマーも少なくなさそうだね。
カワチ:その後、2010年の2月5日にメインキャラクターのひとりであるエリー役を決める「エリーを探せ」オーディションで佐々木未来さんが加入し、メインの4人が揃うんだ。2010年7月17日にはファーストライブがディファ有明で開催され、「アニサマ2010」への出演も発表された。
──ゲームの発売前にライブを開催できちゃうなんて、本当に大きなプロジェクトなんだなぁ。
カワチ:ファーストライブはカバーソングの披露も行われたんだけど、なぜか橘田いずみさんが会場の雰囲気とぜんぜん空気の違う「タイタニック」の主題歌を歌ったんだよね。そういう自由なところが「Project MILKY HOLMES」の良さなんだよなぁ。
──やたらと詳しいあたり、マスターもただのイチファンなんじゃ……。
カワチ:当然だろ? ちなみに、ニコニコ動画に「武士道通信 ブシロードチャンネル」があるんだけど、そこの「超!アニメ天国内「ミルキィホームズ課外授業」」という動画で、このファーストライブの模様を見ることができるよ。というか
「ミルキィホームズ課外授業」はプロジェクトの歴史を動画で振り返ることができるから、気になったらぜひ見てみてほしい。
──へぇ、そうなんだ。っていうか、語ること多いんだなぁ(笑)。
カワチ:こいつは『ラブライブ!』で有名な三森すずこさんや徳井青空さんのデビュー時代を見ることができる、めっちゃ貴重な動画だぞ。ちなみに「Project MILKY HOLMES」は、作品はもちろん、声優陣によるユニットも大人気なんだ。
──『ラブライブ!』よりも先に三森さんと徳井さんが活動していた声優ユニットコンテンツってわけね。
カワチ:ああ。そして2010年の10月7日にTVアニメがスタートするんだけど、これがネットを中心に大ヒットしたんだ。ハイテンションなキャラクターや多彩なパロディ、ツッコミ不在のボケなど、その破天荒な内容が話題を呼んで、ニコニコ動画のコメントで多くのツッコミが寄せられた。ちなみに『Fate』シリーズの奈須きのこさんも、日記で「ダメ人間にとってごほうびのうなアニメ」と褒めていた(笑)。
──そうなの? ちょっと見てみたくなってきた。
カワチ:前置きが長くなったが、そうして2010年の10月16日に、TVアニメの前日譚が語られるゲーム版がPSPで発売されたってわけさ。
──ようやくゲームに辿り着いたな!(笑)
カワチ:コメディ色豊かなアニメ版に対して、このゲーム版はシリアスな展開で、そのギャップが話題を呼んだものだよ。
──え、そうなの? ギャップ萌えってこと?