【THE カスタム戦車】戦闘メカ相手にパンツァー・フォー！　これが「SIMPLEシリーズ」で一番面白い戦車ゲーだ！【「SIMPLEシリーズ」に魂を売った男・ラー油の挑戦 vol.19】

ラー油です！　色々あって遅くなりましたが、2018年最初の「SIMPLEシリーズ」記事！　今年こそ「SIMPLEシリーズ」が月に500本は出ることを願って飛ばしていくぜ！

……と言いたいところなのですが、昨年ディースリー・パブリッシャーがNintendo Switch参入を発表。『テニス』や『ビリヤード』、『THE 密室からの脱出～運命をつなぐ35の謎～』などの発売も決定しました！　もうこの連載コラムの冒頭で妄言を吐かなくても良い世界がやってきたぞ！　『マリオ』、『東方』、『Fate』、そして「SIMPLEシリーズ」を携帯していつでもどこでも遊べる。全生命体待望の、宇宙最強ハードがついに爆誕だッ！

……と言いたいところなのですが、この3本とも「SIMPLEシリーズ」ではないというのが本当に困ったところ。ディースリー・パブリッシャーの低価格ソフトで、内容も新作だったり過去の「SIMPLEシリーズ」の移植だったりするのですが、でもタイトルに「SIMPLEシリーズ」の文字だけがない！　そんな状況。

ゲーム内容自体はまさに「SIMPLEシリーズ」なので、これは「SIMPLEシリーズ」じゃない!!　と言えるわけでもなく、これはこれでちゃんと応援したい。しかしブランドだけが忽然となくなってしまっている……。そもそも、今なお「SIMPLEシリーズ」にこだわっている人間は自分くらいしかいなかったのかもしれず、感情の持っていき場所がまったく見つからなくなりましたよ。どうすればいいのか……。

だが、道がなくなっても歩き続けるしかない！　ある日急に「SIMPLEシリーズ」の名前が復活するかもしれないし、たまたまこの3本に名前が付かなかっただけかもしれない！　ということで、これまでどおり頑張っていきたいと思います。あ、『テニス』に『ビリヤード』に『THE 密室からの脱出』もよろしく！

第16回目のコラムはコチラ→『SIMPLE2000シリーズ Vol.34 THE 恋愛ホラーアドベンチャー～漂流少女～』
第17回目のコラムはコチラ→【THE 逃走ハイウェイ】真実はいつも一つ！名古屋～東京を4時間で走り抜け！
第18回目のコラムはコチラ→【THE 大美人】愛しのアイツは身長48メートル！SIMPLE史上最大のミッションに挑め！

今回はこれまで取り上げていなかったDSの「SIMPLEシリーズ」に初挑戦。『SIMPLE DSシリーズ Vol.31 THE 超弾丸!!カスタム戦車』！

2008年1月に発売された作品で、開発はシンクアーツ。「無限軌道凛（むげんきどうりん）」と「無限軌道蓮（むげんきどうれん）」の姉妹が、改造戦車で戦闘兵器の群れに挑む！　という2Dアクションシューティングゲームです。またこの主人公たちの名字の圧が凄い。戦車に乗る以外の人生が許されそうにない！

ネット上で生まれた情報生命体によって人類が制圧された後の世界が舞台なのですが、その流れを簡素なテキストだけで、サッと流すオープニングがシンプル過ぎてなかなかの味わい深さ。結局、情報生命体とはなんだったのか2018年になっても分からない……。

ステージ内に隠されたパーツを集めて自分だけの戦車をカスタマイズし、敵の戦闘機や戦車、巨大メカに挑んでいく内容で、グラフィックは2Dのドット。そして主人公は、双子の美少女というテンション上がる要素の塊。「SIMPLEシリーズ」で戦車と名の付くタイトルは何本かありますが、その中でも一番ロマンに溢れていて面白いゲームですよ！

まあ、「SIMPLE2000シリーズ Vol.32 THE 戦車」も、九七式中戦車チハにキングタイガーの砲塔を装備したりできるロマンゲーでしたけどね。複数の難易度から選択可能なゲームということで、今回のチャレンジ内容はこちら。

「難易度ハードで全ステージ制覇せよ！」

本作は周回プレイでパーツなどを引き継げる要素もあるのですが、初手ハードで人類救済を目指すぜ！

さっそくゲームスタート！　ジャンプ、メインウェポン、サブウェポンを駆使して突き進んでいきましょう。戦車なのにジャンプで軽快に移動できるのがさすがカスタム戦車。

レーザーやマシンガンなどのサブウェポンは射角が変更できるものの、主砲であるメインウェポンは射角が変更できない。なので、ちょっとした段差や坂道を使って角度を調整して、ギリギリの位置から敵に弾を当てたり、威力の弱いサブウェポンで敵のミサイルを打ち落として、スキが出来たところに威力の高いメインウェポンを当てるようなプレイが重要になってきます。状況を素早く判断して、地の利を得ることが出来ればグッと楽になる作り。この手触りがたまらない！

ステージの最後にはボスが登場。こちらは中ボスとして何度も登場する多脚砲台です。ピョンピョン跳ねながら攻撃してくるトリッキーさだけでなく、戦う場所に地雷が設置してあったり地形が凸凹してたりするので侮れない相手。攻撃パターンを見切りつつ上手く立ち回りましょう。

登場する敵キャラは名前と説明を見ることが出来るようになってます。こういう世界観を広げるちょっとしたおまけはうれしい。しかし多脚砲台の説明テキスト、「今後も色々な派生型が登場」って、なんでちょっと期待を煽るような書き方なんですか!?　これを書いたの情報生命体側だな！

61式戦車の「謎の巨大生物があばれていた時代に活躍した戦車」もなかなかツッコミ所の多いテキスト。まあ、61式戦車は有名でかなり色々な怪獣やロボットと戦ってますけども！　『SDガンダム Gジェネレーション』シリーズの序盤では、こいつから育ててガンタンク→ガンダムのルートを辿るのが俺のジャスティス。

かと思っていると、「99式メーサー車」とかモロなのも出てくるから困りますね……。これ『地球防衛軍５』にも出てきたヤツ！　『地球防衛軍５』にも出てきたヤツじゃないか！

一番の問題メカは「極東の玩具会社がひそかに制作していた二脚歩行ロボット」という説明テキストで登場する「機動二脚青島II」でしょう。このネーミングで該当する極東の玩具会社が、世界に一社しかないんですが!?　ギリギリ過ぎる！　ゲームには出てこなかったけど「番台」とか「宝富井」とかもいるんだろうな……。

ここら辺の玩具会社は現実でもひそかに戦闘メカを作っていそうなので、宇宙人とかが攻めてきた時は頑張って貰いたいですね。

そんな愉快な戦闘メカを倒しながらエリアの最後まで到達すると大型ボス登場！　主砲の一撃がとにかく痛いので、サブウェポンで回りの砲台やミサイル攻撃を手早く処理し、撃って撃って撃ちまくりましょう！

進んでいくと蓮ちゃんの「こんなこともあろうかと思って」というあまりにもお約束なセリフとともに、新しい戦車もゲット！　装備できるパーツが微妙に異なるので、使い分けが大事です。威力は高いけど山なりに飛ぶからクセが強い主砲や、地形を貫通するレーザーなど、使いどころを見極めれば強力な武装もありますよ。

地形の窪みに入って雨のように降り注ぐミサイルを避けながら進む場面や、一定時間炎上を続けるナパーム弾で空爆を仕掛けてくる敵の登場など、進むほどに戦闘は激化。

次々にザコ敵を吐き出してくるボスの輸送機も手強い相手。ステージには1UPアイテムや画面内にいるすべての敵にダメージを与えるボムアイテムなどが多く隠されていますし、ジャンプ力の高いパーツを装着しないとたどり着けない場所にアイテムがあったりと、探索要素もあるのでしっかり見つけて準備を整えたいところですね。

しかし制限時間がある上に、ザコ敵は画面をスクロールするとすぐ復活するので、あんまりのんびりしていると逆に不利になることも。スーファミ時代のアクションゲームを思わせるバランス。

終盤のリフトからリフトへ乗り継ぐ場面は結構凶悪な構成です。ここはザコ敵を一体一体確実に仕留めて進まねば……と思っていると、スルッと落ちて死んだり。

ラスボス戦ではなんだか小さな砲台とザコ敵が登場。こいつは拍子抜けもいいところだな！

と思いきや、じつは巨大メカで、当たればほぼ即死のレーザーが炸裂！　軸をずらしてレーザーを避けつつ、さらに敵のばら撒き弾をさばかないといけません。なんだかんだで最後の敵に相応しい高火力！

ラスボスを撃破してもこれはまだ一部地域の戦いで、無限軌道姉妹の戦いはこれからも続く……というラスト。これっきり続編は発売されていないので、今も遠い未来のどこかで二人は戦っているのでしょう。なんにせよ、今回もチャレンジクリアです！

いい動きの2Dグラフィックに、地形を利用して敵を粉砕する感覚が素晴らしい1本。反面、カスタマイズの幅が狭かったり、割とゴリ押しでなんとかなる場面が多かったり、ボリューム不足だったりと惜しいところも目立つ作品です。

DLタイトルで低価格の2Dアクションゲームが充実している今となっては、ややインパクトが弱いところもありますが、それでも面白いゲームですし、意外とこういう2Dアクションは「SIMPLEシリーズ」では珍しいので貴重！

クリアすると「HARD」を超える難易度の「EXPERT」や「HELL」が解禁されたり、一度クリアすると手に入る飛行パーツを使わないと取れないパーツがあったり、さらに敵が強くなったりと、とことんやり込める作りになっています。その難易度は、このコラムを見ている皆さんの目で確かめてもらいたい！

今回のコラムは以上！　次回は更に毛色の違う作品に挑みたいと思います。