ゲームブロガーのラー油です! 先日『パシフィック・リム:アップライジング』を見てきてテンションが最高潮だぜ! 前作と比較すると気になる部分もあったものの、今回は青空の下で建物がドッカンドッカン破壊されていくさまが、見ていて感動しかなかったですね。巨大ロボ! 巨大怪獣! 地球を守るために立ち上がれ! というノリはやはり素晴らしい。
『SIMPLE2000シリーズ Vol.32 THE 戦車』
2003年にPS2で発売されたタイトルで、開発はヴァンテアンシステムズ。戦車を駆り、全30種類のミッションに挑むという、熱き3Dアクションシューティングです。
発売当時は『SIMPLE2000シリーズ Vol.31 THE 地球防衛軍』が好評を博すなか、「戦車の挙動が『地球防衛軍』のそれらしい」、「こちらは戦車ではなくセンシャ」などと揶揄され、2ちゃんねるに立てられたスレッドは光の速さでネタスレ化。酔っ払ったオヤジが「ウィース! THE センシャ カッテキタゾ」と言いながらソフトを買ってくる、謎のアスキーアートが貼りまくられるという惨状に……。
とはいえ、ネタスレとしてそののち、数年に渡ってオヤジとともにスレが進行し続けていたので、なんだかんだで「SIMPLEシリーズ」の中でも愛されている作品とも言えるわけです。
俺もそのスレに影響されて、『SIMPLE2000シリーズ Vol.32 THE 戦車』を複数買いしましたよ! その数合計33本! すでに「THE 戦車スレ」は数年前に消滅しているものの、当時盛り上がったみんなの想いは、今もこの戦車たちとともにあるぜ! まあ、正直場所を取るので扱いに困ってるんですけどね……。
そんな思い出話は置いておいて、今回のチャレンジはこちら。
「最終ミッションをクリアせよ!」
当時、いろいろな意味で物議を醸した本作が一体どういう内容だったのか。戦場の中心で改めて見つめなおしていきたいッ!
さっそく戦車を選択してミッションスタート。本作は国境と時代を超えて集結した13の名戦車が登場するのですが、最初に使えるのはチハのみ。戦車はミッションをクリアする度に少しずつ増えていく仕様。ミッションは30あるものの、ルート分岐があるので全部クリアしなくてもエンディングにはたどり着けます。
左スティックとアクセルボタンで移動、L1、L2、R1、R2ボタンで照準を動かす操作形態。右スティックで直接狙い撃つ操作は存在しません。戦車ゲーならありそうな「ズームして狙い撃つ」要素もなし。さらに、戦車なのに主砲を連射可能なので、弾切れしてリロードが挟まるまでに10連射や20連射で撃ちまくれる!
相手のキャタピラや背面を狙い撃つと大ダメージ!
……みたいな要素も存在せず、主砲の射程距離がやたら短いこともあり、接近してボタンを連打し、主砲の乱れ撃ちをたたき込むという、あまりにも豪快過ぎる戦術がメインとなります。
機銃と主砲の連射をしながら敵に向かって斜めに接近して体当たりし、敵の砲塔がこちらを向く前に連射で破壊! これが基本!!
戦車アニメである「ガールズ&パンツァー」にもやや似た戦法は登場したものの、装填速度がダンチ過ぎる。装填手だった秋山優花里の腕を人体改造で4本くらいに増やさないと無理な勢い。
これはアレですよ。その……シンプル! そう、シンプルに遊べるようにという配慮なんです!
……と言いたいところなのですが、本作より前に発売された『SIMPLE1500シリーズ Vol.90 THE 戦車』には装填時間を考慮した立ち回りが必要だったり、部位による装甲の厚さの違い、ズームで狙い撃つ要素などがちゃんとあったんですよね。ある意味、「内臓を削ぎ落してダイエットに成功!」みたいな路線変更。
ストーリーも存在せず、「味方」と「敵」というざっくりした呼び名でミッションは進行。砂漠、森林、都市、荒野などステージのバリエーションはそこそこあるのは評価できます。
砂漠にはオアシスがあったりしますが、侵入するのは不可能。神聖なオアシスに無粋な兵器は侵入できないということか……。仕方がないので、オアシスに引っかかっている敵車をバンバン撃ちましょう!
たくさんの戦車が使えるところは、やっぱりテンション上がる。見よ、川辺を爆走するキングタイガーの雄姿!
淡々と進むゲームではあるものの、みんな苦戦する難所も存在。それがミッション15。目の前の橋を破壊すればクリアなのですが、6台以上の敵戦車が押し寄せてくるので、うかつに動くと瞬殺されます。
橋を破壊できても自分が橋の上にいるとミッション失敗。敵に橋を渡られてもミッション失敗。敵弾を3発くらい喰らうと死ぬゲームなので、これはきつい!
敵戦車で早めに突っ込んでくるヤツが1輌いるので、主砲と機銃の連射でこいつを最優先で撃破。倒したら斜めに移動しながら後ろに下がりつつ、他の敵を無視して橋をひたすら攻撃。これでなんとかクリアできるはずです!
ほかにも、巨大なボスと戦うミッションもあったり。これは……列車砲だと!? 思わず「こっち見てるぞぉぉぉ~~~!」と悲鳴を上げたくなる圧倒的威圧感! 火力もヤバい! こんな怪物に死角は存在するのか!?
攻略法なんですが、砲台がデカ過ぎるので懐に潜り込んでボタンを連打するだけで完封できます。むしろ死角しか存在しなかった!!
巨大アンテナ破壊ミッションや、敵施設破壊ミッションなどその後もいろいろあるのですが、普通にターゲットを優先的に攻撃していけばクリア可能。
最終ステージは敵要塞攻撃ミッション。しかしこれも外周部から順番に砲台を破壊していけばあっさりクリア。やったぜチャレンジ成功だ! あっけねぇ!!
難易度選択が存在せず、一応ミッションクリア時に評価が出るものの、掛かったタイムのみでの評価なので、ぶっちゃけあまりやり込むところもなかったり……。クリアするだけなら4時間も掛からない気がする。
一度クリアすると、戦車の砲塔を交換出来るという謎のおまけ要素が解禁。チハにキングタイガーや90式戦車の砲塔を載せれば10秒くらい笑える! みんなも魔改造しようぜ!
そんなわけで『SIMPLE2000シリーズ Vol.32 THE 戦車』、久々にチャレンジしたけどやはりコメントに困るところが散見されるゲームだった……。
しかしリアル系のシミュレーターではなく、主砲をバンバン撃ちまくって敵を倒す分かりやすいゲームにしたのは方向性としてはアリだと思うし、BGMはなかなかカッコいい。グラフィックも動きや音の軽さに目をつむれば悪くないレベル。2人プレイモードでは1人が主砲を、もう1人が操縦を担当することも出来たりします。
その後『SIMPLE2500シリーズ Portable Vol.6 THE 戦車』や『SIMPLE DSシリーズ Vol.24 THE 戦車 』という続編まで発売されていることを考えると、好評の声もあったわけで。
正直なところ、万人にオススメすることは出来ないものの、「ゲームらしく手軽に遊べる撃ちまくりの低価格戦車ゲー」として評価することは出来ると思いますね。