【同級生2】ヤンキー少女の生き様から自分を貫く強さを学べ!【ギャルゲーBAR☆カワチ_第23回】
都会の喧騒から少し離れたところにひっそりと佇む"ギャルゲーBAR☆カワチ"。ここは、日々繰り広げられるコンクリートジャングルでの生存戦争に負けそうになっているメンズたちのピュアハートを、ゲーム好きのマスターが「ギャルゲートーク」で癒してくれるという、シシララTVオススメのゲームBARなのだ……。
そんな体裁でお送りするギャルゲーコラム。気になる第22回目のお客様の悩みと、その痛みを癒してくれるゲームとは?

第20回目のコラムはコチラ→『雪割りの花』
第21回目のコラムはコチラ→『水月』
第22回目のコラムはコチラ→『車輪の国、向日葵の少女』

■妹萌えの元祖ともいえる偉大なタイトル

──マスターこんちは! 今営業してるかい?

カワチ:おぉ、いらっしゃい。あ、あれ? お客さん、女の子だよね?

──あたぼうよ、アタイに玉がついているように見えるのか!?

カワチ:こいつは失敬(笑)。お嬢さんがあまりに元気がいいからさ。

──おう! アタイはチャキチャキの江戸っ子だからな。らっしゃい!

カワチ:おいおい、ブタゴリラの父ちゃんじゃねーんだぞ!

──へへへ、冗談だよ。でも実家はお店をやってるから「らっしゃい」って言うけどね。

カワチ:へぇ。なんのお店? 八百屋かな?

──違うよ、寿司屋だ。

カワチ:あぁ、確かに寿司屋の娘っぽい(笑)。

──それ、褒めてるのか? そんなことより聞いてくれよマスター!!

カワチ:お、なんだい? ここはギャルゲーBAR。どんな悩みもギャルゲーで解決しちゃうよ。

──ギャルゲーか。アタイ、軟派なのは好きじゃないんだけど……まぁ聞いてくれよ。アタイ、大学を卒業したら実家を継ぎたいと思ってるんだけど、親父が「女のお前には店は継がせん!」って言うんだよ。なぁ、これって今どきどう思う!? なめやがって! ぶっ殺してやろうかな!!

カワチ:物騒だなぁ。そんなキミはこれをプレイするといい。
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──『同級生2』? なんだこのゲーム?

カワチ:1995年にPC-98用として発売された美少女ゲームさ。その後、スーパーファミコンやプレイステーション、セガサターンにも移植された人気作だ。ちなみにオリジナルであるPC-98版はフロッピーディスク11枚組でリリースされたから、いちいち入れ替えるのがたいへんだった。スーパーファミコン版もニンテンドーパワー専用だったから、普通にゲーム屋さんで買うことはできなかったんだよなぁ。勇気を出して「同級生2ください」って言ったのにさぁ~。

──おい、おっさん! なに言ってるかわかんねーよ!!

カワチ:おっさんって言うんじゃねぇ! まぁ、とにかく『同級生2』は傑作だったんだよ。それまで硬派を気取っていたボーイズ、ときにはガールズさえもオタクの道に引きずり込んだほどね。PS版は12人の美少女たちのフィギュアが付いてくる、狂気ともいえる限定版が発売されたんだけど……。

──みんなよっぽど可愛かったのか?

カワチ:そうだな。血のつながりはないけど主人公のことを「お兄ちゃん」って呼ぶ鳴沢唯(なるさわゆい)は、「妹萌え」の先駆けとして知られている。あとはクラスメイトとか、保母さんや未亡人、バスガイドまで、ヒロインの種類にバラエティがあったから多くの人間に受け入れられたんだろうな。
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──ふ~ん。『同級生』ってタイトルなのに、同級生以外も恋愛対象ってなんかすげえな。

カワチ:サブキャラクターも個性的でね。絵に描いたようなオタクの長岡芳樹(ながおかよしき)とか、もともとボツキャラクターだったものがヒントキャラクターになった怒り野ボツ子(いかりのぼつこ)とか、ホントにインパクトが強すぎたよ(苦笑)。
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──怒り野ボツ子!? とんでもねえ名前だな。

カワチ:オリジナル版だと、全裸の亀甲縛りで深夜の町を徘徊していたりして、ヤバすぎだよ……。あとは隠しキャラクターの杉本桜子も、病弱キャラの元祖として大人気だったな。何気なく病院の窓をクリックしたときに彼女が登場したときは心から震えたぜ。
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──隠しキャラクターなんているのか。ゲームっぽいな!

カワチ:むかしはマップを移動して女の子に会いにいくゲームが多かったんだよ。今はノベルものが主流になって、シミュレーション要素のあるものは少なくなったけどね。まぁ、そういう『同級生2』も、前作である『同級生』が難しすぎたから、ゲームとしての難易度は抑えられている。簡単になったぶん、ドラマ性を重視したともいえるがね。

──そうなのか。アタイはゲームをそんなにやらないから、難しくないほうがありがたい。

カワチ:ああ、そうはいっても、イベントの発生期間が短かったりして、けっこう難しいんだけどね。女の子の同時攻略をしていると詰むこともあるし。

──このゲス野郎!(バスッ)

カワチ:痛い!

──なにが女の子の同時攻略だ! アタイはそんな軟派な男は嫌いだね!!

カワチ:ふふふ。いいパンチだったぜ。そんなお前さんは、やっぱり洋子を攻略するべきだな。

──へ?

■今のギャルゲーでは絶滅危惧種? ヤンキー娘に萌えろ!

カワチ:今から紹介する日論の名は南川 洋子(みなみかわ ようこ)。バイク屋のひとり娘で、彼女も教師にバレないように注意しつつ、こっそりバイク登校している。
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──めちゃくちゃ不良じゃないか! こわっ!!

カワチ:確かに近寄りがたくて喧嘩っ早いけど、カツアゲみたいなことはしないよ(笑)。昔ながらの硬派な不良だな。

──いいじゃないか。やっぱり軟派なのはよくないぜ!

カワチ:あぁ、硬派だから恋も知らないんだよ。そんな硬派で格好いい洋子を、自分に夢中にさせていく。それがたまらなく楽しいんだ……。現実だとそんなシチュエーションは絶対不可能だからね。プププ。
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──気持ち悪いなー。

カワチ:せめてキモいって言ってくれよ。気持ち悪いは凹むぞ俺でも。ま、まぁギャルゲーだから……そこはね? あと、もうひとつ伝えておきたいのはケツだな。物語を進めていくと、洋子がゲームセンターでバイクのゲームをしているグラフィックを見ることができるんだけど、このお尻がマジでむっちりしていていやらしいんだよ! これは安産型だと思ったね!!
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──マスター、もう帰るわ。

カワチ:ごめんごめん。でも、そこはやっぱりギャルゲーなんだし、外見も重要だと思うんだよね~。……とはいえ、ここらかはストーリーの話をしよう。洋子のストーリーはふたつのポイントがあるんだが、ひとつは川尻(かわじり)あきらとの三角関係だ。

──あきら? やっぱり浮気しているじゃないか! 軟派なゲームだな!!

カワチ:違うよ、女の子みたいな名前だけど主人公の親友の男だよ。柔道着を着たむさくるしいヤツだ(笑)。そのあきらが洋子のことを好きなんだけど、ぜんぜん想いを伝えられなくてね。で、洋子も洋子で彼の気持ちに気付かない。その様子がもどかしいんだ。
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──なんか少女マンガみたいじゃん。

カワチ:ああ。でもプレイヤーとしては、洋子を狙っているわけだから、ふたりがいい感じになってもらっても困るわけだろ? ぶっちゃけ、かなり複雑な気持ちでプレイすることになるんだよ(笑)。ゲームスタートの時点では、主人公は洋子のことを悪友としか見ていないみたいだし、どちらかというとあきらのことを応援している……ってポジション。

しかし、洋子を攻略したい俺としては「お前はふたりの心配をしている場合じゃないだろ!」ってなるわけさ。早いとこ洋子を押し倒してくれって!

──最低だな! そんなんだからマスターはモテないんだよ!! アタイが言うのもなんだけど、乙女心をちっともわかってない!

カワチ:うるせえ! いい人だけで終わるのはつらいんだぞ!! つらいんだぞ……。つらいんだぞ……。だぞ……。

──えぇっ!? なんだかすまねぇ……(マスターの傷をエグっちまったようだ)。

カワチ:いや、俺のほうこそスマン……。俺はギャルゲーの女の子に囲まれて幸せなはずなんだけど、たまに寂しくなっちゃうんだよ。なんでなのかな……。

──マ、マスター……。

カワチ:話を戻そう(涙を拭きながら)。で、ふたつあるポイントのうち、ひとつはあきらを含んだ三角関係と説明したな。もうひとつのポイントは洋子の夢なんだけど。

──夢?

カワチ:『同級生2』のストーリーは、学園3年の冬休みが舞台となる。ちなみに高校じゃなくて学園と言っているのは大人の都合な。主人公は大学に行くのか就職するのか、はたまた専門学校に行くのか……まだ自分の道を決められないでいるんだ。

──高校3年だろ!? とっくに決めていないとまずいだろ!

カワチ:まぁ、そこはゲームの都合っていうことで(笑)。で、進路が決まっていないのは洋子も同じなんだ。

──どういうこと? 詳しく聞かせてよ。

カワチ:ああ、洋子は学校を卒業したら家業を継ぎたいと考えていたんだ。しかし、父親に反対されてしまってね。
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──なんだよ……アタイと同じじゃねーか。

カワチ:彼女は父親からバイクを譲り受ける代わりに、一度はバイク屋を継ぐのを諦める。しかし、どうしても夢を諦められなかった彼女はバイクを返却して父親を説得するんだ。
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──!?

カワチ:……父親に否定されたぐらいで諦めたら夢じゃない。その背中はそう語っていたよ。それに、きっとキミのお父さんは心配しているんだと思うよ。寿司職人なんて簡単な道じゃないはずだからな。それは誰よりも、お父さんがいちばんわかっているんだろう。

──ああ、そうだな。それにやっぱり、アタイが女っていうのも気にしているんだろうな。女の寿司職人はあまりいないのも事実だし……。でもやっぱりアタイも夢をあきらめられない! お店にも愛着があるから、親父の代で終わらせるなんてしのびないんだ! こうなったら、とことんがんばってみるよ!!

カワチ:うん、その意気だ。

──ありがとよマスター。あんたけっこうイイやつだね。ところで、洋子と主人公はそのあとどうなるんだ?

カワチ:ん? 気になるか?

──ああ、ここまで聞いたんだ。教えてくれよ!

カワチ:PS版だと描写が省かれていてわかりづらいんだが、彼女は家に主人公を呼んで、いわゆるハニートラップを仕掛けるんだ。

──ハ、ハニートラップ!?

カワチ:ハニートラップは言いすぎかな? でも、既成事実を作るために「今日大丈夫だから」とウソをつく。そうしてエンディングの卒業式で「子どもが出来た」と伝えるんだよ。だからほかのヒロインと違って、彼女の告白は断れないようになっているんだ(苦笑)。

──そのウソはどうかと思うけど、主人公にも責任はあるな! 軽々しいよ!!

カワチ:それはそうだ。でも、ガードの緩い洋子の部屋着とか、濡れた唇とか……好きな女の子のそんな姿を見てしまったら、どうにも辛抱たまらなくなる男の心情も察してくれ(苦笑)。とはいえエンディングの「なげく美佐子 泣きじゃくる唯 怒り狂う洋子の父親」という文は、なかなかに衝撃だったぜ……。
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──ちょっとバッドエンディングっぽくて悲しいな……。

カワチ:でも、時が経って子どもが生まれ、主人公も洋子の実家をしっかり継いで、最終的にはみんなから祝福されるようになる。町の人からもおしどり夫婦って呼ばれるしな。
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──なるほど、そうか。マスター、アタイわかったよ。

カワチ:おう。洋子のように幸せをつかんでくれ。

──マスター! つまりはあんたはアタイと結婚して、寿司屋を継ぎたいってことだな!?

カワチ:ハァ!? いきなり何を言っているんだ! 俺は別にそんなつもりで話したわけじゃないよ! それに俺にはこの店が……ギャルゲーBARがあるんだし!!

──さっき独り身でさみしいって言ってたじゃん。アタイと結婚して寿司屋をやればいいじゃんか!! そしたら、親父の代で店じまいってこともなくなるし。もちろんそうなったら、女の子の同時攻略とかいう軟派なことも辞めてもらうけどな!

カワチ:どんな理屈だよ! からかってるんなら勘弁してくれ~~~!!
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テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) 1981年生まれ。ライター。ビジュアルノベルに目がないと公言するが、本当は肌色が多ければなんでもいい系のビンビン♂ライター。女性声優とセクシー女優が大好き。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi

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