──このイラストのタッチは見たことがあります……もしかして美樹本晴彦さんって!?
カワチ:そうさ。『超時空要塞マクロス』や『トップをねらえ!』、最近だと『甲鉄城のカバネリ』なんかのキャラクターデザインで知られるアニメ界の大御所さんだ。
──も、ものすごいビッグネームじゃないですか。そんなゲームがあったんだ……。
カワチ:ああ、
PlayStationの公式サイトにも「美樹本晴彦キャラクターデザイン&作画監督で100パーセント参加!」と書いてある。「100%参加」という日本語の意味はちょっとがわからないが、とにかく自信が伝わってくるよな。アキラ100%ならぬハルヒコ100%ということだ。
──そ、そうですね……。でも、いったいどういうゲームなんですか? 『後夜祭』っていうぐらいだから学校の後夜祭が舞台とか?
カワチ:うむ。高校最後の学園祭を仲間とともに成功させることと、そして最終日の後夜祭で親睦を深めたクラスメートといっしょにダンスパーティを過ごすことが目的となるゲームだ。最近は壮大なストーリーのギャルゲーが多くなったが、こういった日常を切り取ったものも昔はたくさんあったんだよ。話もコンパクトにまとまっているから、サックリ遊べるのも魅力といえるね。
──自分も社会人であまり長い時間はゲームを遊べないので、サックリ遊べるのはありがたいです。
カワチ:ボリュームの少なさは当時のフルプライスでは不満といえるかもしれないけど、ゲームアーカイブス版が安価で手に入る今なら気にならないと思うな。ゲームの冒頭で文化祭の出し物を「模擬店」にするか「お化け屋敷」にするか、それとも「人力飛行機」を作って飛ばすかを選択できるんだけど、選んだものによってストーリーも変わるしね。全ルート、全キャラクターのエンディングを見ようと思ったら、けっこう時間もかかるぞ。
──へぇ、出し物とか選べるんですか。おもしろそう。