【メモリーズオフ6】年上のお姉さんを落とすための忍耐力を磨けば仕事なんて簡単に成功できる!?【ギャルゲーBAR☆カワチ_第27回】
都会の喧騒から少し離れたところにひっそりと佇む"ギャルゲーBAR☆カワチ"。ここは、日々繰り広げられるコンクリートジャングルでの生存戦争に負けそうになっているメンズたちのピュアハートを、ゲーム好きのマスターが「ギャルゲートーク」で癒してくれるという、シシララTVオススメのゲームBARなのだ……。
そんな体裁でお送りするギャルゲーコラム。気になる第27回目のお客様の悩みと、その痛みを癒してくれるゲームとは?

第24回目のコラムはコチラ→『サーカディア』
第25回目のコラムはコチラ→『ToHeart』
第26回目のコラムはコチラ→『後夜祭』

■1999年から続いた人気恋愛アドベンチャー

(カランカラン)

──お邪魔するよ。

カワチ:おう、いらっしゃい。

──ここに来ればいろいろな悩みを解決してもらえるって聞いて来たんだけど、本当かい?

カワチ:ああ、そうだ。悩めるお客さんに人生のヒントになるギャルゲーを勧める、それが俺の仕事さ……。

──ギャルゲーで? 本当か? 俺の悩みは女の子が関係するような軟派なものじゃないんだけど大丈夫かな……。

カワチ:フッ。みんな最初はそういうよ。よければ聞かせてみてくれないか、あんたの悩みってやつを。

──ああ。……じつは俺、建築デザイナーをしているんだけど、今度の取引先がちょっと頑固でね。自分は海外の芸術を取り入れたデザインにしたいんだけど、「日本の建築様式しか認めん!」って話を聞いてくれないんだよ。

カワチ:なるほどな。でも取引先の要望なんだろう? だったら、日本のものだけで成立させるのはダメなのかい?

──いや、俺も日本の建築技術が世界でトップレベルであることは知っているんだよ。でも新しいことも取り入れていかなきゃいけないと思っていてね。

カワチ:なるほどな。業界に新しい風を吹き込ませたいってところか。

──俺としてはそれぐらいの意気込みのつもりさ。ただ、取引先の連中は俺のような若造の言うことなんて聞いてくれなくてね。ハハハ……。

カワチ:やさぐれているな。そんなキミにはこれをプレイしてもらおう。

──『メモリーズオフ6 ~T-wave~』? これってシリーズ6作目なんだよね? いきなり『6』をオススメされてもな……。
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カワチ:もちろん初代からプレイしてもらいたいけど、ストーリーは独立しているし『6』からプレイしても問題ないよ。

──そうなのか。まあ、『6』まで続いているってことは人気のシリーズなんだろうけど。

カワチ:正確にはすでに8作目まで出ているうえに、そのほかの派生作品もある。押しも押されぬ人気シリーズだよ。

──え? どうせ遊ぶなら最新作でよくない?

カワチ:フッ。もちろん『6』を勧める理由はちゃんとあるさ。ただ、まずは『メモリーズオフ』シリーズについて解説しておこう。こいつは1999年にKIDから発売された恋愛アドベンチャーシリーズで、KIDの倒産後はサイバーフロントが権利を取得して続編を発売。さらにその後は5pb.が権利を取得し、次々に新作を発表していった。

──権利元が変わっても、シリーズは続いてきたんだな。それだけ愛されていたってことか。

カワチ:だが、2010年に発売されたシリーズ7作目の『メモリーズオフ ゆびきりの記憶』を最後に、しばらくシリーズは途切れてしまうことになった。当然、ファンはやきもきしてたわけだが、この2018年、ついに最新作にて最終作となる『メモリーズオフ -Innocent Fille-』が発売されたわけさ。

──ファンにとっては、なんだか感慨深いものがありそうだ。

カワチ:もちろん。ちなみに第1作目の制作段階では、タイトルを『トラウマ』にしようと思っていたみたいなんだけど、途中で『メモリーズオフ』に改題したらしい。これ、正解だよな。『トラウマ』だったら買いたくないもん……。

──トラウマか……たしかに、ギャルゲーにはなんかそぐわないかも。

カワチ:鬱な展開があったりするから、「トラウマ」という表現自体は間違いではないけど、もしこのタイトルになっていたら、ここまでシリーズは続かなかっただろうね。

──ってことは、初代は暗い話なのか?

カワチ:じつは、シリーズの基礎が構築されたのは『2』からだから、『1』はほかと比較すると異色な部分も多いんだ。とはいえ、鬱な展開はどのシリーズにもあるよ。どの作品も主人公が過去のトラウマを乗り越えるシーンが胸を打つからね……。『メモオフ』シリーズはギャルゲーという枠を越えて人生観なども描かれるからぜひプレイしてもらいたい。

──人生観とは、これまた大きく出たな。まぁ俺も大人だから単純に女の子と仲よくなるだけのものより、ほかのテーマがあったほうが入りやすい。

カワチ:もちろんギャルゲーっぽい甘酸っぱい展開もたくさんあるから、その点は安心してくれ。あと、シリーズ全体の特徴をあげると江ノ島を舞台にしていることや、三角関係を題材にしていることがあげられるかな。

──江の島ね……。実在の場所が舞台になっているとは思わなかったな。

カワチ:直接的な物語の関わりはなくても、世界観は同じだから別の作品のサブキャラクターがほかの作品に登場することもあるんだ。だから、本当は順番にプレイしたほうがニヤリとできるポイントが出来て楽しいよ。

──なるほど。でも全部やろうと思ったら時間がかかりそうだしなぁ……。

カワチ:まあね。だから今は『6』をプレイしてほしいわけさ。

■シリーズの原点回帰を目指した『6』

──じゃあもう1回聞くけど、なんで『6』である必要が?

カワチ:『メモオフ』はシリーズを重ねるごとにパワーアップしていったんだけど、そのぶん複雑になっていった側面もあってね。インパクトのある修羅場シーンがあったり、物語の伏線の回収が見事になったりする一方で、恋愛アドベンチャーとしての要素は薄れていっちゃったんだ。でも『6』は5pb.としてリリースされた初の『メモオフ』だったこともあって、原点回帰がなされているんだよね。かなりストレートなストーリー展開になっているから、普段ギャルゲーを遊んでいない人でも入りやすいんだよ。

──なるほどね。マスターがそこまでいうなら、さっそく『6』をはじめてみようかな。

カワチ:今なら本編の『メモリーズオフ6 ~T-wave~』と後日談を描いた『メモリーズオフ6 Next Relation』がセットになった『メモリーズオフ6 Complete』があるから、それがオススメかな。PS3やPS Vitaで遊べるよ。
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──じゃあ、そろそろ具体的な内容も聞かせてほしいな。

カワチ:王道の学園モノだよ。生徒会庶務で文化祭実行委員の主人公が文化祭の準備を進めながら、ヒロインたちとの関係を深めていくっていうストーリーだ。登場する女の子は、昔からの幼なじみである遠峯りりす(CV:新名彩乃)、りりすの親友で、告白から擬似的な恋愛関係になる箱崎智紗(CV:平野綾)、生徒会長にして社長令嬢でもある嘉神川クロエ(CV:後藤邑子)、行き倒れていたところを助けることになる小説家の鈴代黎音(CV:田中理恵)、転校してきたばかりの生徒会の後輩・春日結乃(CV:宮崎羽衣)の5人だな。
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──擬似的な恋愛関係になるっていう女の子が気になるな。学生なのにそんなエッチな関係とか……アリなのか?

カワチ:いやいや! 『メモオフ』シリーズはそういうゲームじゃないから(苦笑)。でも、智紗が主人公に告白するところから『6』のストーリーは動き出すから重要なポイントなんだけどね。昔からいっしょにいる幼なじみか、自分のことを好きと言ってくれる同級生か、存分に悩んでほしい。
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──正直、そういう三角関係は気になるな。どれどれ……。

カワチ:ああ、でも待ってくれ。アンタに攻略してもらいたのは幼なじみでも告白してくる女の子でもないんだよな。

──えぇーっ? どういうこと!?

カワチ:キミにプレイしてもらいたいヒロインは小説家の鈴代黎音さんだ。ちなみに鈴代黎音はペンネームで、本名は稲穂鈴。初代から登場しているキャラクター・稲穂 信の姉なんだ。

──へぇ。

カワチ:年上のお姉さんとの恋愛ということで、ぜんぜん学園もののストーリーじゃなくなるんだけどね。
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──そうなのか……。普通にメインストーリーをやってみたかった。

■心に痛みを隠し持つ鈴さんの心を動かすためには……?

カワチ:別に鈴さんを先にクリアしたからといって、メインストーリーのネタバレにはならないから大丈夫だって! それにな……年上の女性はいいぞ!?

──それはマスターが年上趣味ってだけでしょ。

カワチ:いや、俺は年下も年上も両方いけるよ。ただポイントは「自分が高校生の視点」っていうことだ。鈴さんは24歳だから、ぶっちゃけそれほど大人の女性っていうほどでもない。でも、自分が17歳の高校生だと思うと、とてつもなく大人の女性に見えてこないか……?
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──ゴクリ。た、たしかにな……。っていうか、高校生のときに24歳の女性と付き合ってたら伝説になるよ! その主人公はどうやって鈴さんと仲良くなるんだ? 行き倒れていたところを助けるって話だけど。

カワチ:興味がわいたようだな(ニヤリ)。主人公は古いマンションに住んでいるんだけど、同時にその管理人業もこなしていてね。だから、帰るところがないという彼女に空いている部屋を貸してあげることになるんだよね。

──えぇ? 高校生でしょ。管理人ってどういうことだよ!
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カワチ:主人公は複雑な家庭環境なんだよね。小学3年のときに母親を亡くして父親とふたりぐらしをしていたんだけど、中学に入ってから父親に新しい恋人がいることが発覚して、大ゲンカをしたあげくに家から追い出しちゃったんだよね。

──父親を追い出したの!? すごいな!

カワチ:まぁ主人公がひとり暮らししている設定はギャルゲーならよくあることだから、あまり気にしないでほしい(苦笑)。で、鈴さんは主人公と同じビルで暮らすんだけど、部屋を貸してくれたお礼にご飯を作ってくれたり、風邪をひいたときに看病してくれたり、いろいろ世話を焼いてくれるんだよね。もうこんなの惚れるなっていうほうが無理だよね。
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──確かに惚れそう……。現実ではありえない、うらやましいシチュエーションだな(苦笑)。

カワチ:そんなシチュエーションが楽しめてこそのギャルゲーなのさ! ご飯を作ったときに「ご飯を食べたあと、私まで食べないように」とか、ことあるごとにからかってくるから、ドキドキがヤバいぞ。田中理恵さんの芝居もすごくいいしな!
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──でも、主人公って告白された女の子と疑似恋愛するんじゃなかったっけ? そこは大丈夫なのか?

カワチ:ああ、主人公が真面目なヤツでさ……。自分が鈴さんに恋していることに気付いた主人公は、彼女のことを振ってしまうんだよね。まだ鈴さんと付き合えると決まったわけでもないのにさ。

──鈴さんに告白する前に智紗をふっちゃうってことか。そこはなかなかに男前だな。
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カワチ:不器用だよね。まぁ、鈴さんにも同じこと言われちゃうんだけどさ。
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──で、鈴さんにはちゃんと告白したんだよね? 智紗を振ったんだぞ。うまくいくんだろうな。

カワチ:いや、振られちゃうよ……。

──マジかーッ! ご飯とか作ってくれていたのに? やっぱり年の差があるから恋愛対象として見てもらえてなかったのかな……。
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カワチ:物語の後半で明らかになるんだけど、鈴さんも学生時代に先生を好きになって、年齢差を理由に断られた過去があったんだよ。そして、そんな過去があるからこそ、簡単に認めるわけにはいかなかったのさ。

──なるほどな。複雑な気持ちがあったわけだ。
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カワチ:でも、主人公は諦めなかった。黎音さんの気持ちの整理が付くまで待つと約束したんだ。返事はいらないから俺が待っているってことだけを覚えておいてほしいと。 ──健気なヤツだな。

カワチ:ああ。そして、その出来事から月日が経ったあと、鈴さんはいちど離れた主人公のアパートにふたたび戻ってきてくれる……。まだ年齢差を乗り越えられるかわからないけど、歩み寄ることに決めたんだ。
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──よかった! 主人公の粘り勝ちといえそうだな。

カワチ:ああ。そして、これでアンタもわかっただろう? 人の心を動かすっていうのは、なかなかたいへんなことなんだ。それが年上なら、そりゃもうなおさらね。

──なるほど……マスターの言うとおりかもしれない。

カワチ:熱意があるのはいいけど、かといって自己主張をするだけではその想いは伝わらないよ。相手の気持ちも考えて、グッと耐えるところは耐えて、それでも大事なところだけは曲げない。それを貫くことができれば、きっと向こうもいつかはアンタを認めてくれるだろうさ。がんばりな。

──ああ、なんだか勇気をもらえた気がするよ。ありがとうマスター!

カワチ:おお。また来てくれ。
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テキスト:カワチ(Makoto Kawachi) ビジュアルノベル好きのフリーライター。さまざまなメディアに記事を寄稿しており、マニアックな知識や小ネタなどで読者を唸らせている。深みのあるゲームが好きかと思えば、「エロければなんでもいい」と豪語する猛者。
ツイッターアカウント→カワチ@kawapi

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