都会の喧騒から少し離れたところにひっそりと佇む"ギャルゲーBAR☆カワチ"。ここは、日々繰り広げられるコンクリートジャングルでの生存戦争に負けそうになっているメンズたちのピュアハートを、ゲーム好きのマスターが「ギャルゲートーク」で癒してくれるという、シシララTVオススメのゲームBARなのだ……。
そんな体裁でお送りするギャルゲーコラム。気になる第29回目のお客様の悩みと、その痛みを癒してくれるゲームとは?
第26回目のコラムはコチラ→『後夜祭』
第27回目のコラムはコチラ→『メモリーズオフ6』
第28回目のコラムはコチラ→『沙耶の唄』
■大人の社交場「DREAM C CLUB」で過ごす夢のような生活
──こんばんは~。
カワチ:おう、いらっしゃい。注文はどうする?
──そうだな……オススメって何かある?
カワチ:ドリームカクテルマグマなんてどうだろう。
──何それ聞いたことない。じゃあ、それをもらうよ。
カワチ:はいよ。(コトッ)
──いただきま~す。ごくごくごく……ゲホッ! ゲホッ! なんだこれ!? めっちゃキツくないか!?
カワチ:ああ、マグマというぐらいだからな。無理せずドリームクラブライトを飲んどけ。
──ありがとう……って、最初からこっちをくれよ! 今日は嫌なことがあってバーに逃げ込んできたのに、マスターのせいで踏んだり蹴ったりだ。
カワチ:へえ? それは運がいいな。なんたってここは人生の悩みをギャルゲーをとおして解決するギャルゲーBARだからな。
──ギャルゲーをとおしてって、なんだそれ(笑)。もしかして俺はヤバいところに来てしまったのか?
カワチ:フフフ……。俺はもうすでに何人もの悩みを解決しているんだぜ。騙されたと思って相談してみてくれよ。
──なら、お言葉に甘えるか……って、悩みというか愚痴なんだけどね。今日、親戚の集まりがあったから顔を出したんだよ。そうしたら親も親戚も「いつ結婚するんだ?」とか「孫の顔を見せろ」って話ばっかりで、ちょっと嫌になっちゃったんだよね。自分自身の問題なんだし、放っておいてほしいわけさ。
カワチ:なるほどな。俺も未婚だから耳が痛いぜ(苦笑)。とはいえ、ちゃんとキミにピッタリのゲームがあるから紹介しよう。これだ。
──『ドリームクラブGogo.』? なんだ、これ? エッチなゲームじゃないのか?
カワチ:違うよ! やっぱり知らないか。こう見えてディースリー・パブリッシャーの人気シリーズなんだけどな。ピュアな心を持つ人だけが入店できる大人の社交場「DREAM C CLUB」を舞台に、そのお店で働くホストガールとの恋愛を楽しむシミュレーションゲームさ。
──ドリームクラブってお店の名前だったのか。なんかキャバク……。
カワチ:おっと、そのワードは禁止だぜ。ドリームクラブは紳士の社交場なんだからな!
──ふーん……。
カワチ:ちなみに今回紹介する『ドリームクラブGogo.』はシリーズ最新作なんだけど、まずはシリーズ全体のシステムを紹介しておくか。
──ああ。よろしく頼むよ。
カワチ:といっても、ゲーム性はシンプルなんだけどね。基本的に、平日にバイトしてお金を貯めつつ、休日にドリームクラブに通って女の子と仲良くなる。これを繰り返していくわけで。
──バイトでがんばって貯めたお金をドリームクラブで使うってことね。なんというか刹那的だなぁ(笑)。
カワチ:お金の使い方は人それぞれ。目的があるから楽しく働ける側面はあるだろう。それに最初にもらえるドリームクラブの会員カードは1年分しか期限がないからね。必死に女の子を口説かないといけないってわけさ。
──納得。
カワチ:このシリーズは楽しいぞ。IIS(インタラクティブ飲酒システム)っていうのがウリでな。右スティックを傾けることで頼んだお酒を飲むことができるんだけど、当然ながら、お酒を飲めば飲むほどプレイヤーもホストガールもどんどん酔っていくんだよね。で、酔ってくると普段は聞けないようなムフフな質問にも答えてくれるようになったりするんだよ。
──お酒の力を借りるってことか! 妙にリアルだな(笑)。
カワチ:ほろよい状態になった女の子は、呂律が回らなくなってきたりして、それがとにかくカワイイんだよ。女の子にカラオケを歌ってもらえるシステムもあるんだけど、ちゃんと普通に歌うヴァージョンと、酔っ払って歌うヴァージョンが用意されていて芸が細かいんだよね。
──演じている人も2つのパターンを収録しているのか。酔っ払った演技をしながら歌うのって難しそうだな(苦笑)。
カワチ:ちなみに、主人公が酔っ払うと相手への選択肢の答えが○と△と×でしか表示されなくなり、正解の返答が難しくなるんだが。
──えぇ!? 自分が泥酔してたら女の子を落とすどころじゃないってこと? なら飲まないほうが得策か。
カワチ:いや、主人公とホストガールがお互いにほろ酔いになった状態をETS(エモーショナルトークシステム)というんだけど、この状態じゃないとその子との仲を深めるために必要な会話が発生しなかったりするんだよね。
──エモーショナルトークシステム……。いちいち名称がカッコいいな。
カワチ:ああ。ディースリー・パブリッシャーはふざけたことを真面目にやるところが素敵なメーカーだと思っているけど、『ドリームクラブ』もそんなシリーズだな。ホストガールとポッキーゲームを楽しむ「チョコレートラブ」なんていうのもあったりする。
──そいつは刺激が強そうだな。俄然、興味が湧いてきてるよ。
カワチ:そうだろうさ。もちろん、『ドリームクラブ』のノリが合わないっていう人もいると思うけど、ゲームは楽しんだもの勝ちだしね。個人的に、このゲームをプレイするときは自分もお酒を飲みながらプレイするのもアリだよ(笑)。
──確かにそれは楽しそうだな(笑)。よし、『ドリームクラブ』のことはだいたいわかったよ。で、この『ドリームクラブGogo.』だけど、マスターオススメのヒロインはいるのかい?
カワチ:フフフ。その言葉を待っていたよ。
■農業とホストガールで二足のわらじを履く少女
カワチ:まず『ドリームクラブGogo.』は初代の『ドリームクラブ』とその続編であるドリームクラブ ZERO』とストーリーのつながりはないから、シリーズビギナーで安心。見た目で好きな娘を選んでOKだ。
──そうなんだ。
カワチ:占い師とかネットアイドルとか、いろいろな職業の女の子がいるからゆっくり吟味するといい。
──お店以外でも普通に働いているのね。
カワチ:みんなお酒が飲める成人だからね。昼間は別の仕事をしている女の子も多いよ。
──ふーん。じゃあ、この桜華(おうか)っていう占い師の女の子にしようかな。プロポーションもいいし、お相手願いたいぜ。
カワチ:うんうん、気持ちはわかるよ。でも今回は美月(みつき)にしてもらおう。
──え? いや、桜華でいいよ。
カワチ:いや、ダメだ。美月にしろ。
──最初から美月に決まってたんじゃないか。じゃあ選ばせないでよ(笑)。
カワチ:すまん、すまん。
──しかし、この美月って女の子、可愛いけど素朴っていうかなんというか。ホストガールとしては地味に見えるね。
カワチ:ムムム……。まあそう言われてもしょうがない。さっきホストガールは別の仕事をしている女の子も多いって話をしたと思うけど、じつは彼女、田舎の牧場で働いている女の子なんだよね。
──え!? 農業をしながらドリームクラブで働いているの!?
カワチ:ああ。都会に憧れを抱いている純真な女の子だ。最初に会ったときなんてメチャクチャ緊張して噛みまくったりして、そこが可愛いのよ。
──ああ、なるほど。そういうの癒やされるなぁ。
カワチ:『ドリームクラブ』シリーズって題材的に誤解されやすいんだけど、登場するホストガールはみんないい娘なんだよ。なかでも美月は特別にいい娘なんだよ……。
──いいねえ。なんというか、大和撫子タイプの女の子って感じ。
カワチ:おしゃれにあまり興味がないのか、私服も全然着飾ってなくてな。でも、そんな純朴なところに癒やされるのさ。
──でも、なんでそんな女の子がホストガールなんてしているんだろう。都会に憧れているって言ってもほかの仕事もあっただろうに。
カワチ:ああ……。ここはネタバレになってしまうが、じつは彼女には本来の目的があってね。お婿さんを探していたんだ。
──ええ? 婿って、結婚相手か?
カワチ:ああ。彼女の農家に男手が足りなくてな。婿を見つけて迎え入れようとしていたんだ。
──世知辛い話だ。しかし彼女もよくそんなことに納得したな。
カワチ:ああ、家族をラクさせたいという気持ちもあったんだろう。やっぱり優しい女の子だからね。
──それでどうなるんだ?
カワチ:じつは、旅に出ていた美月の兄が地元に帰ってきてね。婿探しをしなくてもいいと実家に連れ戻されてしまうことになる。
──え!? ってことは、会えなくなっちゃうのか。
カワチ:ああ。だが主人公は諦めなかった。ほかのホストガールから彼女の実家の場所を聞き出して彼女を迎えに行くんだ。
──ドラマチックな展開だな。それで?
カワチ:彼女の気持ちを確認したところ、美月自身もドリームクラブで仲間と働く日々が幸せだったとわかるんだ。それで彼女も前のようにお店に戻ってくるようになる。
──おぉ。よかったよかった。でも婿問題は解決しなかったんだな……。そこは残念だ。
カワチ:いや、ドリームクラブに戻ってきた美月と主人公はさらに交流を深め、最終的には結ばれる。
──それってつまり?
カワチ:ああ、主人公が美月の実家の農業を継ぐってわけ。
──うぉ~! やるなぁ~!!
カワチ:さて、ここまでの話でわかったんじゃないか? 結婚っていうのは自分のことではあるけど、家族を安心させたり幸せにさせたりすることもできるってことを。
──納得だな……。って、ん? でもマスターも結婚してないんだよな。なんでそんな偉そうに俺に説教しているんだよ(笑)。
カワチ:ウグッ。ま、まぁ、お互いにがんばろうってことで……。
──そうだな。マスターには負けないぜ。じゃあな!
カワチ:おう。俺だって負ける気はないぜ!